保健所に連れてこられる犬の数は3万超え
一昔前には一度飼った犬を捨て、その犬が野良犬化するという現象が後を絶ちませんでした。そのため、一昔前に比べると、現在の捨て犬(保健所に連れてこられる犬)の数は、格段に減少しています。これは私たち日本国民の動物愛護に対する姿勢が少しずつ変わってきているものと考えられるため、一定の評価はできるでしょう。
しかし、それでも尚、保健所に捨てられる、預けられる犬は後を絶ちません。平成30年度の資料を確認すると、保健所に引き取られた犬の数は、35000頭にも上ります。恐ろしい数字ですよね。
その中には、無事、次の家族へと譲渡された犬も多くおり、その数は28000頭を超えています。ですが、すべての犬が無事に譲渡されたわけではありません。残りの約7000頭はどこへ行ってしまったのでしょうか。
恐ろしく、悲しい話ではありますが、残りの約7000頭の犬たちは、引き取り手が見つからず、最終的に殺処分されてしまっているのです。大きく重たい命が7000頭も、身勝手な人間の行動によって殺されているのです。
保健所の人たちも、とても苦しい思いの中、殺処分を決行していることでしょう。中には、トラウマとなってしまっている人もいると考えられます。こんなにも酷く悲しい現実が未だに改善されていないことを知ると、「なぜ、一度無か入れた家族を捨てることができるのだろう」と強い疑問と憤りを感じます。
犬を捨ててしまう人たちが持っている『捨てる理由』
一度迎え入れた家族を捨てるという行為は、決して許されることではありません。殺処分されてしまった犬のことを思うと、なんて身勝手なのかと怒りすら感じます。では、なぜ犬を捨ててしまう人たちは、その決断に至ったのでしょうか。
1.しつけができないから
とても身勝手な理由ですが、実際に捨てられる理由として多いです。いざ、迎え入れたのはいいものの、しつけが上手くできず、無駄吠えや凶暴性に耐えられなくなり、保健所に連れてきてしまった…というものです。
たしかに犬のしつけは簡単ではありません。それぞれ性格も異なりますし、しつけを学習できるスピードも違います。しかし、それでも家族として迎え入れた以上、責任を持ってしつけをし、お互いがより良い生活を送れるようにすることが飼い主の責務です。
自分だけではどうしようもできないのであれば、ドッグスクールを探し、専門のトレーナーさんと一緒にしつけをしていくのも1つの手段です。「お金が掛かるから…」とそれを諦め、捨ててしまう人もいます。しかし、犬を飼うということは並大抵のことではありません。子どもを1人育てるようなものですから、それなりに経済力は必要とされます。
その辺りも考え、犬を迎え入れても生活に余裕がある、万が一のことがあってもお金を惜しまず出せると結論を出してから、迎え入れるべきです。
2.飼い主の高齢化/死去のため
日本は高齢化社会が加速しています。そのため、犬を飼い始める飼い主の中には、高齢者も含まれるのです。たしかに、認知症予防や健康促進の面もあるため、高齢者が犬を飼うことは絶対ダメとは言いません。しかし、後のことを考えておく必要はあります。
犬は平均して10~14年、長ければ14年以上生きる犬も多くいます。例えば、飼い主が70歳を超えてから犬を迎えた場合、80歳を過ぎても愛犬の世話をし続けなければいけません。本当に可能でしょうか。
体力面、病気、体調不良など、さまざまなリスクがあることは想定内です。それを踏まえて、いざ自分でお世話をすることが困難になった時のため、家族にお願いしておき、さらには愛犬にも家族に慣れさせておくなどの対応は必須です。
後先のことを考えず、自分の娯楽や興味だけで迎え入れてしまうと、いざ自分でお世話ができなくなったり、死んでしまった時に、犬が恐ろしい思いをすることになるのです。
3.家族の病気
高齢化社会が進む中、今まで元気だった両親が、突然認知症を発症してしまったり、介護状態になってしまう…という話は珍しくありません。介護は想像以上に過酷です。当人はもちろん、周囲の家族も限界の状態になってしまうことも多いです。
このような状況が訪れ、介護に時間を費やし、さらには金銭面にも大きな負担がのしかかることで、愛犬のお世話ができず、充分にお金を使ってあげられないという理由から、保健所へ連れてこられる犬も少なくありません。
また、子どもが突然犬アレルギーを発症してしまい、どうしても同居することが難しくなってしまった…というケースもあります。このような状況は、想定ができないわけではありませんが、なかなか難しいでしょう。
しかし、保健所へ連れて行くのは最終手段です。なぜならば、保健所へ連れて行ってしまうと、ある一定の期間経過した後、やむなく殺処分されてしまう恐れがあるからです。
では、どうすれば良いのでしょうか。まずは知人や親戚、近所の方など、身近で引き取ってくれる人を探してみてください。特に愛犬が会ったことのある人や、普段から懐いている人であれば、ストレスを少しではありますが軽減させることができます。
周囲に当たってみたけれど、やはりいなかった…という場合も、保健所ではなく、愛護団体やボランティア団体に相談しましょう。里親募集サイトで呼びかけしてもらえたり、イベントで里親を探すのを手伝ってもらえることもあります。
最期まで一緒にいたいけれど、どうしても難しいという理由でお別れしなければいけないケースも中にはあります。その場合は、まず前述したような、愛犬が殺処分されず、次の家庭でも幸せに生活できる最大限の方法を考えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は犬を捨ててしまう人たちが持っている『捨てる理由』を3つご紹介しました。しかし、これはほんの一例に過ぎません。どうしようもなく、泣く泣くお別れする理由もあれば、憤りを感じるような身勝手な理由も多くあります。人間の身勝手な理由で犬が殺処分されることは許せません。
犬を飼ってからはもちろんのこと、犬を飼うことに対する責任を、迎え入れる際に強く考えるよう促す活動や義務が非常に重要ではないでしょうか。私たち個人個人に、どのようなことができるのか、今一度考えるきっかけになればと思います。
ユーザーのコメント
20代 男性 匿名
最初にあった捨てる理由。これは全て飼い主の責任だ。買うのは簡単でも飼うのは難しい、その理由が躾だ。可愛くて飼うのは別に構わないが理想と違った、躾が上手くいかない。全て飼い主の安置な考えが招いた結果だ。それで捨てるのはあまりにも無責任だ。躾は一筋縄じゃいかないし一生続きます。飼うには責任がつきものです。たかが犬と言う解釈は俺は許せない!犬だって生命体、
生きてる生物だ。なぜ簡単に捨てられるのか解りません。捨てるなら最初から買うな!不幸な犬を造るだけだ!不幸な犬を出さないため理想と違ってもどんなに躾が上手くいかなかろうも捨てるのは逃げること、そして犬を不幸にすること。飼うなら逃げないことを覚悟に決めてくれ。それが犬を不幸にさせない一つの方法です
50代以上 女性 匿名
10代 女性 匿名
犬・猫を殺処分しないようにしてほしいです。