犬の血管肉腫の正しい知識。症状や治療法について

犬の血管肉腫の正しい知識。症状や治療法について

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血管肉腫は、中年期から老年期の大型犬に多く見られるガンとして知られています。定期検診だけでなく、飼い主も血管肉腫の原因や症状、予防法などを知って、早期発見へと活かしましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

ジャーマンシェパード

犬の血管肉腫ってどんな病気?


血管肉腫という病気は、血管さえあれば場所を選ばずに発症する厄介なガン(癌)の一種です。血管内に発症するため、転移もしやすい病気です。

血管の内側の細胞がガン化する状態を血管肉腫と呼びます。

犬はほかの動物と比較しても発症率が高いことでも知られていて、皮膚や骨を始め、心臓や脾臓などに多く発症すると言われています。心臓に腫瘍がある場合、ほぼ8~9割は血管肉腫であり治療をしても再発率が高いことから完治が難しい病気と言われています。

また、脾臓や肝臓の腫瘍が大きくなっていた場合、最終的にお腹の中で破裂し、大出血を起こして死に至る場合もあります。

気になる血管肉腫の症状は?


血管肉腫は、以下の3タイプが知られています。

皮下血管肉腫

このタイプは、皮膚のしたであれば場所を選ばずに発症します。

皮下血管肉腫の多くは触るとコリコリとした感触で知ることができますが、場合によっては腫瘍が柔らかいこともあります。

真皮血管肉腫

真皮血管肉腫は皮膚に現れます。

特に体毛の少ない部分に多く発症することで知られ、皮膚が赤っぽくなったり黒っぽくなったりします。

内臓血管肉腫

このタイプは先述したように心臓や脾臓などによく見られます。

心臓の場合は右心房に見られるケースがほとんどです。

心臓に発症すると、水が溜まって呼吸困難や咳などの症状が見られ、最悪の場合心不全を招きます。

脾臓で発症した血管肉腫は、肺や肝臓などへの転移率も高いタイプです。

腹痛や下痢、嘔吐などの症状を引き起こし、大きくなった腫瘍が破裂したりすると失神や痙攣を起こし、死亡に至るケースもあります。

その他よく見られる症状

さらに、鼻血や貧血、大きくなった腫瘍に伴う腹部の膨らみ、食欲減退や無気力、体重の減少、歩き方がおかしいといった症状が見られることもよくあります。

血管肉腫になる原因


血管肉腫になる原因というのはハッキリと突き止められていません。

ただし、他の動物よりも犬の発症率が高いことを踏まえると、犬の持つ何らかの遺伝的欠陥が影響しているのではないかとも言われています。

また、紫外線による発症も指摘されています。

人の皮膚ガンなどもそうですが、紫外線の影響によってガンを発症するのは犬も同じです。

特に、犬の皮膚は人よりも薄い上に、被毛の短い犬は紫外線の影響を受けやすいと言われています。

その他の原因では、怪我によるものもあるとされています。

人の場合も外傷によって血管肉腫になることもあるので、それと同じで犬も外傷がきっかけとなって血管肉腫を発症することもあるのでは?とも言われています。

避妊や去勢でリスクがアップする!

また、ここ最近の発表では、避妊や去勢をすることが血管肉腫のリスクを高めてしまうという証拠が見つかったそうです。アメリカの博士が発表していますので、参考(英文)にしてみてください。
Long-Term Health Risks and Benefits Associated with Spay / Neuter in Dogs(英文)

こうした事実は当然ながら獣医師も把握しているはずですから、愛犬の避妊や去勢を考えているなら、血管肉腫のリスクについての説明を求めるようにしましょう。

血管肉腫にかかりやすい犬種は?


犬は他の動物よりも血管肉腫の発症率が高いと説明しましたが、実は犬の中でも特定の犬種に限ってはかなり高い発症率となっているのです。

血管肉腫を発症しやすい犬種は次の通りです。

  • ジャーマン・シェパード
  • ボクサー
  • ポインター
  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ゴールデンレトリバー
  • ラブラドール・レトリバー
  • シュナウザー
  • グレートデン
  • イングリッシュセター
  • ウィペット

以上のように、大型犬に多く見られるようです。

また、メスよりもオスの方が発症率が高く、中年期から老年期にかけての時期も発症率が高まります。個体差はありますが8~10歳ごろが特に発症しやすいようです。

特にジャーマン・シェパードはトップの発症率となっています。

血管肉腫の予防や対策方法は?


血管肉腫の予防や対策としては、原因とされるものについて飼い主側で注意することがポイントとなります。

特に、紫外線や外傷によって血管肉腫を発症する恐れがあるということを考えれば、散歩へ行く時は服を着せるとか、紫外線の強くない時間帯に散歩をするなどして、発症リスクを少なくするという方法が最も有効な予防策となります。

免疫力を上げる

常日頃から免疫力を上げるように気を付けることで予防の一環になります。血管肉腫を発症してしまった場合でも、免疫力をつけておくことはとても重要です。食事をとれるようなら免疫力を高める食材を与えたり、抗酸化作用のあるフードを選ぶことも重要です。

栄養バランスを整えるためにサプリで補うのもいいですね。体調をみながら漢方などを組み合わせることも効果的です。基礎体力を上げることで免疫力も高めることができます。筋力も落ちてしまうため、マッサージをしてあげるのもいいでしょう。

また、日光浴をすることで、体内にビタミンDが生成され免疫力を上げることができます。愛犬の体内時計も正しく調整されるので、良質な睡眠をとることができるようになります。注意する点は、あまり長い時間日光浴をさせないこと。紫外線を浴びすぎるのもよくありません。熱中症にもなりやすいので気を付けましょう。

血管肉腫の治療法は?

診察を受ける犬

皮下及び真皮における血管肉腫は、外科的手術によって切除という方法を取ります。

また、内臓で発症した血管肉腫についても、単発性のものであれば手術によって切除します。

ただし、中年期や老年期に多く見られる病気のため、犬の体力が手術に耐えられないこともあります。

加えて病気が進行してしまうことで手術では切除できない場合もあります。

その際は薬物療法や化学療法という治療を行います。

その場合は、抗がん剤投与などが一般的な療法となります。人間もそうですが、抗がん剤は著しく体力を削る治療です。免疫力も低下してしまうため、がんに対抗できなくなり、返ってがんの進行を早めてしまうことも懸念されます。

早期発見・早期治療

眠る犬

血管肉腫は早期発見も難しくない病気ですが、定期検診を欠かさないこともポイントです。

さらに、普段から愛犬をマッサージしていれば、皮下や真皮の血管肉腫なら発見することも可能です。

血管肉腫に限らず、病気は早期発見・早期治療が欠かせません。

少しでも「あれ?変だな……。」

と感じたら早めにかかりつけ医に相談するように心掛けましょう。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 ゆん

    脾臓の血管肉腫についてですが、脾臓にできる血管肉腫は大きくなってくると一部裂けてしまったりして、出血してしまうことがあります。そうすると罹患している犬は貧血を起こし食欲や元気がなくなってしまいます。出血する量が多いと循環している血液量が足りなくなり、ショック状態となることもあるので、エコー検査で腫瘍の大きさの確認は大切です。エコー検査では、均一な色の脾臓が、もやもやと不均一な色で写ってきます。
    さらにどの腫瘍性疾患にも当てはまりますが、血管肉腫は本来の血を止める作用に異常をきたし、血が固まりやすくなる一方で出血しやすい傾向になります。この病態は播種内血管内凝固症候群(DIC)といい、血栓症状をも引き起こすことが知られています。血栓が肺や脳、大血管に詰まると臓器の機能が著しく低下し、多臓器不全となって死に至ることになります。ですから、腫瘍を手術で取ったから安心ではなく、合併症も怖い病気なんです。
  • 投稿者

    女性 patata

    この記事を読んで初めて血管肉腫の恐ろしさを知りました。血管肉腫と言う病名なので紫外線等が原因で引き起こしてしまう可能性があるとは想像もつきませんでしたが、この記事を読んでうちの愛犬は短毛で皮膚が弱いので紫外線には特に気を付けようと思いました。去勢手術もこの病気のリスクに関係しているとの事でしたが、去勢手術をしないとリスクが高まってしまう病気もあるので、愛犬の去勢手術を予定されている飼い主さんは色々と去勢手術について調べてから検討した方が良いと思います。それにしてもこの病気により心不全などの怖い症状が出てしまうなんて本当に恐ろしい病気です。愛犬には長生きをして貰いたいので、この記事を参考に血管肉腫にならない様に気を付けたいと思います。
  • 投稿者

    女性 カカオ

    わんこの長寿が進み嬉しい限りですが、いろいろな病気や可能性もわかってきて飼い主としては選択に迷うことが増えそうです。がんはとても怖いですね。しかも血管肉腫になる可能性が、身近すぎてこわいです。うちはこちらのなりやすい犬種にあるラブラドールを飼っていましたが、精巣腫瘍にかかりました。去勢をしていなかったので発症の可能性があったと、(結局繁殖の予定はなかったため)当時は去勢をしなかったことをとても後悔しました。後悔先に・・ではないですが、無事手術も乗り越えて長寿をまっとうしてくれました。ですが、血管肉腫は去勢でもリスクは高まるとのこと。判断はとても難しいですね。去勢や避妊で防げる病気もあり、それをすることによる高まるリスクもある。結果、判断をするのは飼い主ですが私は正解はないと思います。ただ、愛犬に異常がおきたときはなるべくはやく気づきたいと願っています。
  • 投稿者

    40代 女性 海斗ママ

    先日ちょうど愛犬の体を触っていたらしこりのようなできもののようなものを見つけ、思わずドキッとしました。しこりがあるとやはり腫瘍のイメージが強く、ネットで調べて皮下血管腫瘍の可能性も考えました。
    でも、病院に言ったら「ただのイボだよ。年取ると増えるから」と言われホッと一安心。中にあるポコッとしたものでなく、外側に出ているようなイボはあまり心配ないと言われました。
  • 投稿者

    女性 ぽち

    血管肉腫なんて、見るからに恐い病気です。知り合いの犬がこれで、発見から本当にあっという間に亡くなってしまったのを思い出しました。1カ月もなかったように思います。そのワンちゃんは他の病気で強いステロイド剤を飲んでいたので、ある程度抑制されていたがん細胞が何かの拍子で爆発的に一気に増えたんじゃないのかとか言ってました。病気の記事ばかり読んでいたら心配になってしまって、早期発見、早期治療、おまじないのように口ずさんでいます。
  • 投稿者

    女性 けんしろう

    つい最近、愛犬の顎に小さなしこりを見つけて動物病院を受診したばかりです。しこりは確かにあるけど小さすぎて細胞採取ができないと言われてしまって、結局まだ様子見段階。やはり一番怖いのは悪性の腫瘍だと言うケースです。年齢もあるので仕方ないことなのかもしれませんが、早く治療に取り掛かりたいです。
  • 投稿者

    30代 女性 チワワ♂13歳弁膜症、心臓腫瘍摘出手術済 

    2年半くらい前に弁膜症を発見して薬物治療では間に合わず、最近急速に容態の悪かったチワワ♂13歳の弁膜症の開心心臓手術をした際に心臓腫瘍がみつかりました。
    動物病院5件(心臓手術専門医院2件や救急病院1件を含む)で2年間で何度も心臓エコーやその他精密検査を受けていましたが、いざ手術で心臓を開くまでは心臓腫瘍は見つかりませんでした。
    心臓手術を行って下さった先生には弁膜症手術時の心臓腫瘍発見は初めてのケースと言われましたが、犬の弁膜症や心臓腫瘍に関するいろんな記事を読んだ限りは同じように弁膜症と心臓腫瘍が同時に発生している症状で悲しんでいる飼い主さんが他にもいるようです。
    精密検査を受けるわんちゃんも増えてきているとはいえ、費用的負担も少なくなく飼い犬の何パーセントが精密検査を受けさせて貰っていることでしょう。更には新車が購入できる費用の心臓手術を受ける事が出来るわんちゃんはもっと稀です。ローンで車を買っている等の多くの人には現実的な手術料金ではないでしょう。
    また、心臓手術が出来る医院や獣医さんもとても少なく、うちは手術医の先生が術後も通院可能範囲にいてくれるように700キロ超の引越しを伴っての手術でした。
    小型犬の心臓手術はアメリカでは難しいようで、400万円かけて日本の医院に手術の為に渡日してくる人がいることをテレビでは取材してありました。
    弁膜症手術時に取って頂いた心臓腫瘍については悪性でもなく良性でもないとの説明を受けていましたが、自分で情報収集をする限りは、犬の心臓腫瘍の殆ど(80〜90%)が悪性腫瘍で余命は2〜3ヶ月とのことを多く目にした気がします。心臓腫瘍を取り除いてからもうすぐ2ヶ月になります。今の所食欲はあり牛のステーキとホットケーキが一番好きなようで、お散歩も嬉しそうにしているように見受けられます。ただ手術前からあった咳は治らず、どうやら気管虚脱が深刻なようです。また、術後に新しく現れた症状(頻繁に前足をつまづき転けて危ない事(階段を降りるときにつまづいて顔からダイブしてるようなことがありました)、手術の為に剃った体半分の毛が殆ど伸びてこないこと、手術跡横に小さな出来物ができている事、手術痕が痒いのか頻繁に体を掻き続け歩きながらまで掻いている事)に戸惑っています。
    長くなってしまって何が言いたいのか解らなくなって来ましたが、近年犬の飼育件数が子供の数よりも多くなる中で、犬を責任を持って飼う覚悟のないままに飼っている人が多すぎるということ。しかしながら人気犬種2番のチワワでは50%が心臓病を発症する中で(他の特定犬種ではもっと確率が高いものもある)、私の知る全国の心臓病手術医院2院の中の1つ、たった一人の手術医の生涯心臓手術数が200件程度しかないということ。現在飼育されている犬は892万頭だと言われています。(2017年統計 一般社団法人ペットフード協会)闘病をする中で犬に高額な手術を受けさせることについて批判する人が犬を飼っている人間の中にもいました。あなたは自身が病気になった時に辛いのにもかかわらず高額な薬を買わずに苦しみ続けますか?手術を受ければ治る可能性があるのに手術代が高いからといって死を選びますか?不慮の事故や病気を想定せずに貯蓄もせず無責任に生きれますか?人間が食べることが禁止されている病気で死んだ動物等の廃物で出来たご飯を食べて病気になる確率を上げますか?犬は私の側にいつもいてくれて私を幸せにしてくれます。人間がやってしまうような愚かな暴言暴力もせず、ひたすら側で微笑み続けてくれます。飼い主は自分の身勝手で飼いだした犬に対して責任を持って生涯接することがただ一つの恩返しだと思います。
    ネット上の心臓腫瘍検索で上位に出てくる結果によると悪性肉腫である可能性が極めて高いということ。折角の弁膜症大手術に耐えたのにもかかわらず、悪性肉腫(推定)でいつ死んでもおかしくない状況であるということ。積極的闘病、精密検査や心臓手術を行う犬が恐らく少数派である為に情報が少なく状況を判断することがとても難しいことが2018年の現時点での動物医療の問題点だと思います。我が子(犬)が病気で悩んだり悲しんでいる飼い主さん、医療関係者にもっと数多くの情報の拡散と愛犬医療の発達を願います。

  • 投稿者

    50代以上 女性 ゆずママ

    去年の3月に急に震え出し、急いで病院に行きました。
    超音波で脾臓に問題があり、大阪の府立医大での検査を勧められました。
    府立医大の予約の前日に、意識が朦朧となり
    このまま私の腕の中で天に召されても
    と泣きながら考えましたが
    愛犬の為に予約を入れ下さったのだからと
    早朝から3時間半かけて診察に行きました。
    案の定、脾臓からの出血で貧血を起こしていました。
    検査のつもりで行ったのですが
    手術をしないと今夜持たないとの事。
    まずは輸血をして、少し体力をつけてからの
    緊急手術になりました。
    脾臓と肝臓の組織検査で、血管肉腫と判明。
    手術は無事成功。
    抗ガン剤も2度投与しました。
    毎週の血液検査、エコー検査、
    飲み薬や病院食、サプリメント等を受け
    大阪府立大学を退院後、地元の掛かり付け医との連携で
    新年を迎えた今でも元気に暮らしております。

    余命1ヶ月と言われた愛犬ですが
    9ヶ月経った今でも、走り回っています。
    まだまだ安心はできてはいません。

    お金も、体力も、時間もいっぱいかかってしまいます。
    でも我が家の愛犬(ジャックラッセルテリア10歳)のケースは稀だとは思いますが
    血管肉腫と言われても、こんなワンコもいるって事だけお伝えしたかったので投稿致しました。
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