犬ジステンパーとは 症状から治療法まで

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犬ジステンパーとは 症状から治療法まで

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犬の感染症『ジステンパー』。ワクチンの普及で減少しつつも犬ジステンパーの可能性はゼロではなく、しかも治療法はまだない病気です。犬ジステンパーを発症すると、狂犬病に次いで致死率が高い感染症であることに変わりありません。犬ジステンパーの正しい予防と対策を身につけましょう

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬ジステンパーとは?

眠る犬

犬ジステンパーとは、全世界に存在する犬ジステンパーウィルスに感染することで発症する病気です。

ジステンパーは伝染性が非常に強く、犬の呼吸器や消化器、神経系に深刻な損傷を与え、特効薬や治療法などもないため、感染していまうと命に関わる恐ろしい病気です。

重症化するかどうかは主に感染した時の健康状態によって左右され、成犬でも50%、そしてまだ体力の弱い仔犬だと80%の確率で命を落とす恐ろしいウィルスです。

ニホンオオカミの絶滅の原因ということでも有名で、中国の施設で飼育されたジャイアントパンダが感染し次々と死んでしまった事もある、恐ろしい感染症の一つです。

犬ジステンパーの症状

犬の予防接種

感染して4~6日には元気がなくなり目やにや鼻水、40℃前後の発熱、食欲不振、咳やくしゃみなど、風邪に似た症状がでます。

そこで回復せず1週間を過ぎると更に風邪のような症状は続き、結膜炎や角膜炎、二次感染による嘔吐や下痢が見られて、重度の場合には肺炎を引き起こします。

更に重症化した場合にはウィルスが脳脊髄で炎症を起こして麻痺や痙攣、運動失調などの症状まで進み、網膜剥離や視神経の炎症で失明や化膿性皮膚炎、鼻や肉球の硬くなるハードパッドという症状がみられることもあります。

最悪は命に関わり、病気が快復しても失明や神経症状、歯のエナメル質形成不全が後遺症として残ることがあります。

しかし、事前にワクチンを接種している、体力や免疫力のある多くの犬はジステンパーウィルスと接触しても無症状や軽い呼吸器症状で済むでしょう。

ですが、感染した犬の健康状態で予後が左右され、もし1歳未満の仔犬や、ワクチン未接種で免疫力や体力が低下した高齢や病気療養中、病中病後の犬の場合は重症化しやすく命を落とす危険性もあります。

犬ジステンパーの原因

聴診器を当てられる犬

感染して犬の鼻水や唾液、目やに、尿や便などに触れてしまう『接触感染』や、犬の咳やくしゃみによってウィルスが空中に飛散して吸い込んでしまう『飛沫感染』があり、特に1歳未満の仔犬やワクチン未接種の犬、高齢や他の病中病後など免疫力が低下している犬が感染しやすく発症することがあります。

ペットショップにいる仔犬は、母親から離れて母乳からの免疫力が低下している頃なのでワクチンによる予防接種がを受けるまでは十分に注意が必要です。

特に、狭い環境にたくさんの子犬が集められているようなペットショップでは、集団感染の恐れもあります。

どんな犬がジステンパーにかかりやすい?

伏せる犬

特に犬種に違いはありませんが、ワクチン未接種の仔犬や免疫力・体力の低下した老犬、病中病後の犬がかかりやすいとされています。

また他にもペットではフェレットの感染が知られており、野生動物ではイタチやキツネ、アライグマなども感染します。

野生動物から犬に感染したという事例もあります。

人間にはうつらないとも言われていますが、麻疹(はしか)への免疫力がない人の場合には念のため注意しましょう。

犬ジステンパーの予防と対策方法

顕微鏡を見る女性

犬ジステンパーウィルスはワクチン接種が有効で、特に飼い始めの仔犬の場合は正しい時期と回数のワクチンをしっかり接種することが大切です。

ただしワクチン効果が現れるのに2週間かかります。

仔犬の頃のワクチンが終わってない時期に動物病院やペットショップ、ドッグカフェ、ドッグランなどで感染した犬との接触を避けるようにしましょう。

もし飼い主と他の犬との接触があった場合にも必ず消毒を心がけましょう。

また、病中病後など免疫力の低下している犬がいる場合にも同じように感染した動物との接触がないよう、特に動物病院での待合室などでは小型犬であればキャリーバッグに入れるなどして十分に気を付けましょう。

犬ジステンパーの治療方法

犬を抱きしめ悲しむ少女

もし感染の疑いがある場合はまず動物病院に電話をし、ワクチン接種の有無と時期を伝えます。

来院してる他の犬への感染を防ぐために、来院時間を指定される可能性もありますので、まずは動物病院に電話で相談しましょう。

家庭で同居犬やフェレットなど他のペットを飼っている場合は、感染している恐れがあるので、同じく受診させましょう。

感染がわかったら必ず病気の犬を隔離し、徹底的に消毒と手洗いをします。

消毒液はハイタ―やブリーチといった塩素系衣類用の漂白剤20ccと水500ccを混ぜてスプレー容器などに入れ、マスクや手袋を使って床やケージなどで拭き、排泄物や残したペットフード、ペットシーツはすぐに破棄します。

ウィルスが体内にある場合は排泄を必ず屋内で行い、公園やお庭の土などではさせないようにしましょう。ジステンパーは空気感染しますので、排泄物の消毒のみでは不十分で完全な消毒が非常に難しい伝染病です。

犬ジステンパーウィルスに有効な治療薬や特効薬は、今現在ないとされています。

そのためウィルスによって免疫力が低下していることによる他のウィルスや細菌などの二次感染、他の動物への接触感染を防ぐために入院・隔離、もしくは他の犬への伝染力が強いために通院治療になり、点滴や抗生物質などの投薬で回復を待つ療法が中心となります。

かからないように予防することが一番重要で、ワクチン接種が予防・治療法とさえているます。

まずは正しいワクチン接種の時期と回数、そしてメリットとデメリットを動物病院とよく話し合って受けるようにしましょう。

▼犬の病気を症状や病名から調べる▼
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識

ユーザーのコメント

  • 30代 女性 Irisalice

    恐いですね…うちの愛犬には当然ワクチンを接種していますが、ワクチンは狂犬病と違って任意なので、散歩中に行き交う犬が感染していないとも限りません。この病気自体は昔から知られているのに、未だに治療薬がないとは驚きです。日頃から清潔にして、特に病院での感染に気を付けようと思います。
  • 30代 女性 柚優

    『ジステンパーウィルス』という言葉は初めて聞きました。そんな怖いウィルスがあるのですね。今愛犬は4歳ですが、かかりやすいのは予防接種をしていない赤ちゃん犬、老犬、病後の免疫低下している時とありましたが、予防接種していれば防げるウィルスなんですよね。愛犬のために、絶対に予防接種は欠かせないことだと思います。
  • 30代 女性 リナ

    我が家のわんちゃんももちろん毎年予防ワクチンを打っているので大丈夫だと思いますが、この記事でジステンパーについて改めて詳しく知れて本当にこわい病気だなと思いましたし、知らなかったことも知れて本当に勉強になりましたし、愛犬を守るのはのは飼い主の責任だと改めて強く感じました
  • 20代 女性 みっき

    このような恐ろしく、致死性の高い病気もあったんですね…!ワクチンや予防接種の大切さを改めて知るとともに、面倒くさがらず、定期的に行うことが犬の幸せに直結するんだと思いました。この病気に限らず、病気のリスクはなるべくなくしたいですね
  • 女性 マキ

    愛犬の命を守る事が出来るのは、やはり飼い主自身だと思います。忙しいさを理由に予防接種を忘れてはいけないと思います。年に一度は、必ず予防接種をした方が良いです。因み愛犬は、7月の予定なのでカレンダーにチェック済です。
  • 40代 女性 ぽち

    ジステンパーのような感染症はいつも免疫力が関係してきます。
    またとくにジステンパーは死亡率も高いからこそ、ワクチンでの予防が強くすすめられています。

    ペットショップやドッグパークなど沢山の犬が集まる場所からの感染が多いと思いますが、どこからでも感染の可能性はあるかと思います。
    実際先日散歩をしていたら、すごく咳をしている犬に会いました。
    なんだか小さい体で痛々しいくらい咳をしているのです。飼い主さんは普通にこんにちはと声を掛けてくれたのですが、わたしは愛犬に感染したらどうしよう、ケンネルコフやジステンパーだったらどうしよう等ととても怖くなったたのを覚えています。

    残念なことですが自分の犬が優先で、他の犬のことを気にしないで外出する飼い主さんもいるのも事実です。
    散歩に行った先で「あれ?あの犬咳ばかりしているな」など少しでも異変に気づいたら避けるのが安全だと思います。
    そして少し面倒であっても子犬期から老齢期まで、ワクチン接種を定期的におこなうことはとても重要なことです。
    大切な愛犬がいつまでも健康でいられるよう、日頃から気を付けてあげたいものですね。
  • 30代 女性 38moto

    毎年動物病院からワクチン接種のお知らせハガキが届くので、忘れてしまうことなく予防接種を受けています。混合ワクチン8種混合か9種混合をその時の愛犬の状態をみて獣医さんの判断でお願いしています。大体8000~9000円ですがこれで1年間は予防ができると思えば安心です。
    先日動物病院にかかった時、愛犬が心臓病からくる咳をしてしまいました。ジステンパーや感染症ではなかったのですが、やはり同じ院内にいる飼い主さんは不安に思ったようです。もし自分が逆の立場だったら、あの限られた空間の中での咳は感染症かと疑ってかかってしまったかもしれません。
    愛犬がシニアになってからは特に注意をするようになりました。感染することも感染させてしまうこともないように気を付けたいと思います。
  • 女性 ふゆ

    ジステンバー、怖いですね・・。病院でもワクチン接種は強く勧められますし、毎年我が家でも愛犬にワクチン接種を受けさせています。

    ただ、すでに病気で体力が落ちていたり、アレルギー体質のあるワンちゃんは、ワクチンを接種をすると皮膚にアレルギー反応を起こしたり、片足が数日間麻痺をして歩けなくなってしまったり、嘔吐をしたりと体に異常がみられることがあるようです。(私の知っているワンちゃん達がそうでした。)

    うちの愛犬が原因不明の体調不良をおこしていたことがあり、病院からワクチン接種を止められていたことがありました。その時にはワクチン接種ではなく、ジステンバーやパラボウイルスに対しての、愛犬の抗体を調べる血液検査を受けました。ワクチンを接種を受けていた子には、ワクチン接種から1年を過ぎても、まだ抗体が残っていることがあるそうです。うちの愛犬もその抗体検査で、ジステンバーに対する抗体がまだ多く残っているとわかり、しばらくはワクチン接種を控えても大丈夫と言われて安心することができました。

    体調などで、どうしてもワクチン接種ができないワンちゃんには、抗体検査をしてみるのも良いかもしれません。
  • 女性 Sato

    ジステンバーは聞いたことがありましたが、具体的にどんな症状になるのかは知らなかったため、勉強になりました。オオカミの絶滅の原因になったり、パンダが次々に死んでしまったなんて、なんて感染力の強い病気なのでしょうか!恐ろしいです。怖い病気ということはなんとなく知っていたので、うちの犬はきちんとワクチンを打っています。また、人間の場合は麻疹への免疫力がない場合は注意した方が良いのですね・・・。これも知りませんでした。このような感染力の強い病気は、犬を飼っている人たちは必ず知っておいた方が良いですね。犬に必ずワクチンを打って予防していかないと、うっかりドッグパークやドッグカフェで感染させてしまった!なんてことになったら、最悪です。飼い主さんが責任を持って犬のケアをしていかないとですね。
  • 女性 コロ

    ジステンパーは毎年の混合ワクチンで聞くくらいの認識しかありませんでした。風邪くらいの症状なら軽いものだと思っていたらとんでもないですね。
    命を落とす危険のあるウィルスだと知り、今更ながら混合ワクチンをうっておいてよかったと思いました。
    愛犬は高齢なのでいつまで混合ワクチンが受けられるかわかりませんが、しっかり管理してあげようと思います。
  • 女性 くるみ

    混合ワクチンの接種は賛否ありますが、やはりこういった恐ろしい病気に備えるためにはしておかないといけないな、と思います。1年に1回、という回数は多いような気がしますが、目に見えないウイルスや細菌ですので、防ぐ手立てが他にありませんもんね。
  • 女性 ゴン吉

    ジステンパーは子犬や高齢犬の場合、命にかかわるかもしれないウィルスだと知り怖くなりました。
    混合ワクチンは毎年打っていますが、愛犬も高齢なので少しの症状でも悪化しやすいです。日頃から免疫力を上げるようにしておこうと思います。
  • 女性 もふころ

    毎年ワクチンを接種しているので、可能性は限りなく低いと思いますが、体調が優れない時や、免疫力抵抗力が低下している時は心配になります。
    ホームセンターのドッグランなども利用するのですが、こういうところは管理が甘いので、ワクチンが済んでいない子も使用している可能性があります。安全で安心できるところを選んであげなくてはなりませんね。
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