病院が怖い犬についてのオーストラリアでの大規模調査

病院が怖い犬についてのオーストラリアでの大規模調査

動物病院が嫌い、怖いという犬は少なくありませんね。オーストラリアの研究者が、病院を怖がる犬の割合やその内容について行った大規模な調査の結果をご紹介します。

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動物病院が怖い犬のファクターについての調査

診察を受けるジャックラッセルテリア

動物病院は犬や猫にとっては楽しい場所ではありません。たまに病院大好き!獣医さん大好き!というワンちゃんもいますが、それはとてもラッキーなケースです。

最近は犬や猫が感じる「怖い」という感情を従来よりもきちんと考えようという傾向が強くなり、動物を扱う専門家に対して動物の恐怖やストレスのマネージメントを指導する団体なども活動しています。しかし犬の「怖い、嫌い」に対応するためには、まずはそれ自体をよく知ることが大切です。

この度オーストラリアのアデレード大学の獣医科学校の研究チームによって、動物病院での検査や診察時の犬が感じる恐怖に関するリスク因子を調査する大規模な研究が行われました。

調査はC-BARQ(標準化された犬の行動評価と調査の質問票)を使用したオンラインアンケートでデータ収集をして行われました。

病院での犬の「怖い」に関する様々なファクター

診察台で伏せてしまったビーグル

オンラインアンケートでは6ヶ月齢以上の26,555匹の犬のデータが集められました。このアンケートの最も重要な項目である「病院での診察や検査中に犬が示す恐怖のレベル」については、犬がどのような動作や行動を示したかが具体的な選択肢として提示されました。

軽度〜中程度の恐怖を示す行動としてあげられた選択肢は

  • アイコンタクトを避ける
  • 怖いと感じる物体を避ける
  • 伏せる又は尻尾を下げる又は尻尾を足の間に入れる
  • キュンキュン鳴く
  • 震えて動かなくなる

重度〜極度の恐怖を示す行動としてあげられた選択肢は

  • 極端な萎縮
  • 怖いと感じる物や人または状況から脱出や隠れようとする激しい試み

データ解析の結果は、41%の犬が軽度〜中度の、14%の犬が重度〜極度の恐怖行動を示したというものでした。

犬種別では、恐怖心を示す割合が最も高かったのはトイグループの犬で、次にミックスとハウンドグループが続きました。恐怖を示す割合が最も低かったのは使役犬グループ(ドーベルマンやボクサーなど番犬、シベリアンハスキーやバーニーズマウンテンなど作業犬)とガンドッグのグループでした。

またブリーダーの下で繁殖に使用されている犬、ショードッグ、その他仕事を持つ犬は恐怖の度合いが低く、仕事をしたことのないコンパニオンドッグは動物病院での恐怖を示す度合いが高いこともわかりました。

他には次のようなこともわかりました。

  • ブリーダー出身の犬は恐怖の度合いが低く、ペットショップ出身の犬は恐怖の度合いが高い
  • 大型犬は小型犬よりも恐怖の度合いが低い
  • 多頭飼いの犬は恐怖の度合いが低く、一匹だけで飼われている犬は恐怖の度合いが高い
  • 経験豊富な飼い主の犬は恐怖の度合いが低く、初心者飼い主の犬は恐怖の度合いが高い

病院での犬の恐怖を和らげるのに大切なこと

注射を受ける不安げなシェルティ

上で述べたような犬種や犬の出自などは変えることのできないファクターです。研究者はこれらの変えられないファクターは、病院での犬の恐怖を考える時の大きな要素ではないと述べています。犬の恐怖を左右するもっと大きいファクターは、病院の環境設定、病院での過去の経験、犬と人間との相互作用(犬と飼い主、犬と医療スタッフ)であるということです。

研究者は、個々の犬の背景や動物病院の環境、それらが犬の恐怖ファクターとどのように組み合わされているかをさらに調査すると述べています。

この研究チームではありませんが、動物を恐怖から解放するための工夫を提唱する団体では、動物病院の待合室はパーテーションなどを使って他の動物との対面を避ける、動物が落ち着く匂いや音楽を流すなどの環境設定を推奨しています。また動物ができるだけ恐怖を感じない触り方、声や話し方の指導も行われています。

そのような工夫をしている病院を探すことは簡単ではありませんが、愛犬のために最良の選択をするためには飼い主にも知識が必要ですね。

まとめ

ドクターの顔を舐めるシェパード

オーストラリアの研究者がリサーチした、動物病院で犬が恐怖を感じる度合いのファクターについてご紹介しました。犬が病院をあまりにも嫌がると、検査などもついつい疎遠になりがちで、それが病気の治療を左右することにもなりかねません。そのようなことが起こらないためにも、犬の恐怖や苦痛を取り除く研究が進み、動物病院でのスタンダードになることを心から願います。

《参考URL》 https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0215416

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