老犬のトイレ問題!シニア犬がお漏らしをする原因や飼い主ができる対策とは

老犬のトイレ問題!シニア犬がお漏らしをする原因や飼い主ができる対策とは

老犬のお漏らしの原因と対策についてまとめました。シニア世代になると、おしっこを失敗してしまうことが多くなります。犬自身も失敗してしまったことにとまどっているかもしれません。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

老犬のお漏らしは「筋肉の衰え」が原因のことも

トイレの前で眠るボストンテリア

犬も年齢を重ねるごとに老化現象がみられるようになります。お散歩のとき、歩くスピードが遅くなったり、疲れやすくなったり、お散歩に行きたがらなくなることがあります。やがて、歩くことができなくなり、自力で立ち上がることさえできなくなり、寝たきりになることがあります。病気でそうなる以外にも、老化によって、筋肉が衰えてしまうからです。その他にも老化現象はたくさんありますが、最も飼い主さんが気づきやすいのが、筋肉の衰えによる現象です。お漏らしをしてしまうのも、その現象のひとつであることがあります。

なぜ筋肉が衰えるとお漏らしをしてしまうのか

老化によって、尿道括約筋(膀胱から出ている尿の通り道の周囲にある筋肉)が弱くなることがあります。よいしょっと重いカラダを起き上がらせるとき、カラダにグッと力を入れますよね。そのとき、尿道括約筋が弱っているとおしっこまで出てしまうことがあります。寝返りをしようとしたとき、座ろうとしたとき、くしゃみをしたときなど、ちょっとした力によって、おしっこまで一緒に出てしまうのです。

手足の筋肉の衰えもお漏らしの原因になることがある

「あ、おしっこしたいな」と思ってから、立ち上がり、トイレまで歩いていき、しゃがむ。若い犬であれば、サササッとできる行動も、老犬になると、ひとつひとつの行動に時間がかかるようになります。一度では立ち上がることができず、何度もチャレンジしなければならないことがあります。立ち上がるときにお漏らししてしまうことがあります。トイレまで歩いている間に、、間に合わずにお漏らししてしまうことがあります。しゃがんだけれど、トイレの手前でしゃがんでしまっていることがあります。手足の筋肉が衰えてしまうことが原因のことがあります。どこかに痛みがあって体を動かすのに支障がある場合にも、同様のお漏らしが起こる可能性があります。

膀胱におしっこが残ってしまっている

老犬になると、筋肉が衰え、ふんばる力も弱くなってしまいます。そうすると、おしっこを全て出しきることができないことがあります。おしっこに行ったのに、膀胱にはまだおしっこが残った状態になるのです。このことが、お漏らしをしやすい原因にもなりますし、おしっこの回数が増える原因でもあります。ちゃんとトイレでおしっこを済ませた、がしかし、寝床に戻るまでの歩いている間におしっこが少し出てしまった、なんてこともあります。

老犬のお漏らしは「病気」の可能性あり!

柴犬の老犬、赤い首輪

膀胱炎によるお漏らし

あまりにもおもらしの回数が多い場合には、膀胱炎である可能性を考えることができます。おしっこの色やニオイなども合わせて判断しましょう。何だかおかしいなと思いつつも、ご自身で判断することが難しい場合には、すぐに獣医さんの診察を受けましょう。

認知症によるお漏らし

老犬のお漏らしはよく見られる現象です。老化によって筋肉が衰えてしまうことが原因のこともあります。しかし、「認知症」が原因で、「トイレでトイレをする」ことができなくなってしまうことがあります。トイレの場所を全く理解することができなくなってしまったときは、認知症も疑うことができます。認知症になると、徘徊や吠えなどの様々な症状がみられるようになります。認知症の犬との向き合い方については、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。

老犬のお漏らしにできる対策とは

ダックスと「老犬だって大丈夫!」と書かれたボード

先にトイレに連れて行ってあげる

トイレの時間って、だいたい決まっていますよね。若い犬であれば、朝・夕・寝る前などでしょうか。しかし、老犬になるとトイレの回数が増えます。

朝起きてすぐにトイレに連れて行ったけど、出かける前にもう一度行っておこう。帰宅したらすぐにトイレに連れて行こう。夕食後のトイレに連れて行ったけど、寝る直前にも連れて行っておこう。など、「もう出ないだろう」ではなく、「少しでも出しておこう」と、トイレの回数を増やしてあげると、お漏らしの回数を減らすことができるかもしれません。

老犬と暮らしていると、トイレのタイミングがだいたい理解できるようになります。犬が立ち上がろうとしているとき、犬が歩き出そうとしているとき、「もしかしてトイレに行きたいのでは?」と考え、抱っこしてトイレまで連れて行ってあげるのも良いです。トイレまでたどり着けず、お漏らししてしまう、ということが防げます。

オムツをする

お漏らしで部屋を汚してしまうことが多くなります。それでも、ケージの中に閉じ込めておくのは可哀想だ、と思うのであれば、せめて、オムツやマナーベルトをしてあげてはいかがでしょうか。部屋も汚れず、お掃除をする手間も省け、犬自身のカラダや寝床も汚れにくくなります。

まとめ

ソファーで眠たそうにしているゴールデン

お漏らしをしてしまっても、決して叱らないこと。怒ってイライラしないこと。老化や病気によるお漏らしは、犬自身もどうすることもできません。飼い主さんが叱ったり怒ったりイライラした態度をしていると、犬は困惑したり悲しがったりします。飼い主さんに嫌われてしまった…と感じてしまうかもしれません。しっかり対策をすれば、犬も飼い主さんも快適に過ごすことができます。ぜひ、あたたかい気持ちで向き合ってあげましょう。

監修獣医師による補足

老犬ではなくても、わんちゃんがお漏らしをする場合には、まず病気によるお漏らしではないかをチェックして下さい。お漏らしの原因となる病気には、大きく分けて①尿路感染症、②水を多く飲むようになる病気、③尿道括約筋の衰え、④神経の損傷があります。

①の尿路感染症で多いものが膀胱炎です。細菌感染に対する治療を行いますが、尿石症もあればそれに対する治療も必要となります。②の水を多く飲むようになる病気には、糖尿病や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、腎不全などがあります。

③の尿道括約筋の衰えについては、この記事の通りに老化で起こることもありますが、特に老齢の雌犬では避妊手術による影響もあります。避妊手術の影響によるホルモン治療に反応するタイプの尿漏れは、手術から数年経って高齢になってから発症することが多いです。ホルモン剤以外にも尿道括約筋の絞まりをよくする薬も数種類あります。

④の神経の損傷は、事故や病気で起こる可能性があります。腰の神経に障害が起き、排尿をコントロールする神経が正常に働かない場合に尿漏れを起こします。

いずれも高齢のわんちゃんで見られることが多くありますので、尿漏れを起こすようになった時、「年をとったからしょうがない」と決めつけずに、尿漏れを起こす病気にかかっていないか調べてもらいましょう。

獣医師:木下 明紀子
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