老犬の便秘にはマッサージが効果的!方法と注意点を解説

老犬の便秘にはマッサージが効果的!方法と注意点を解説

犬も高齢になると腸のぜんどう運動が鈍くなり、便秘になりがちです。本記事ではそんな老犬の便秘を解消するためのマッサージ方法や注意点をご紹介します。

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老犬の便秘に効果的なマッサージ方法

マッサージする男性と犬

犬には300箇所以上のツボがあります。老犬の便秘解消法の一つとして、ツボ押しマッサージがおすすめです。ツボマッサージは便をきばることができない寝たきりのシニア犬にも手軽にできる方法のため、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ここでは犬の便が出ない時に押すと良いとされているツボを4つご紹介します。愛犬のツボマッサージをする際、ツボを押して愛犬が鳴くようであれば痛がっている可能性があります。マッサージをやめる、力を弱めるなど無理に押さないようにしましょう。

中脘(ちゅうかん)

中脘

胸骨とおへその中間の位置にあるのが中脘と呼ばれるツボです。中脘を押すことで、胃痛と嘔吐に効くとされています。

天枢(てんすう)

天枢

おへその横、左右1~1.5cmくらいの位置にあるとされているのが、天枢と呼ばれるツボです。天枢を押すことで、下痢や便秘解消に効果があるとされています。

関元(かんげん)

関元

おへそのから指4本分下の位置にあるのが、関元と呼ばれるツボです。関元を押すことで、便秘だけでなく血液の循環をよくする効果もあるとされています

大腸兪(だいちょうゆ)

大腸兪

骨盤と背骨が交差している点の少し上、左右1cmの位置にあるのが大腸兪と呼ばれる壺です。大腸兪を押すことで、大腸と後ろ足の疾患に効果があるとされています。

老犬の便秘解消のためにマッサージをするときの注意点

老犬と男性の手

老犬の便秘解消に便利なマッサージ。しかし間違った方法でマッサージを行うと、愛犬のストレスとなり状況が悪化してしまうケースも珍しくありません。

愛犬にマッサージを行う際はいくつかの注意点に気をつける必要があります。ここでは老犬の便秘解消のためにマッサージをするときの注意点を4つご紹介します。

注意点に気をつけながらマッサージを行うことで愛犬もリラックスし、より高い効果を得ることができるでしょう。

爪を切っておく

飼い主の爪が伸びた状態で愛犬にマッサージを行うと、肌を引っ掻いてしまう恐れがあります。爪で肌を引っ掻いてしまうと痛いだけでなく、そこが傷になり炎症や化膿に繋がるケースも考えられます。

愛犬のマッサージを行う前には、飼い主は爪を短く切っておくことが大切です。また爪を切る際の目安としては、手の平側から指を見た時に指の先端から爪の白い部分が少しだけ見えるような長さに切っておくと良いでしょう。

絶対に強く押さない

マッサージは痛みや力が強い方が、高い効果が得られるのではないかとイメージする人も多いです。しかし犬にとって力の強すぎるマッサージは痛いだけでなく、万が一関節や背骨に隠れたトラブルがあった際に悪化させる原因となります。

さらに人に触られることが苦痛になり飼い主との信頼関係が崩れたり、病院や介護を嫌がる可能性も考えられるためリスクが大きいです。マッサージは優しく愛犬が気持ちよく感じる程度の力加減で行うように心がけましょう。

犬を落ち着かせる

マッサージは犬が落ち着いた状態で行うことで、より高い効果を得ることができます。愛犬が興奮している場合は、マッサージを行う前に気持ちを落ち着かせることが大切です。

犬の気持ちを落ち着かせる方法としては、ゆっくりと冷静な声で名前を呼びながら、眉間のあたりや顎の下を優しく撫でてあげましょう。また腰のあたりに精神不安を緩和させる腰百会(こしひゃくえ)というツボがあるため、腰からお尻に向かって指でなぞるのも効果的です。

リラックスできる雰囲気づくりを行う

犬が落ち着いてマッサージを受けられるようにするためには、リラックスできる雰囲気づくりも大切です。リラックスできる環境を整えることで、興奮しやすい犬や小さな物音に反応しやすい犬も安心してマッサージを受けることができるでしょう。

リラックスできる環境作りの例としては、普段使用しているベッドやブランケットを犬の体の下に敷く、ゆったりとした音楽をかける、リビングや寝室など愛犬がお気に入りの場所で行うなどがあげられます。

老犬の便秘をマッサージ以外で解消する方法

水を飲む老犬

老犬の便秘を解消するためには、マッサージ以外にもさまざまな方法が存在します。ここでは老犬の便秘をマッサージ以外で解消する方法を7つご紹介します。気になる方法がありましたら、できる範囲で併用してみるのも良いかもしれません。

また便秘以外の病気で投薬中や通院中の犬は、かかりつけの動物病院に相談してから実践しましょう。

水を飲ませる

老犬が便秘になる原因の一つとして水分不足があげられます。もともと水をあまり飲まない犬や、冬場は水を飲む量が減ってしまうという犬は多いです。

また老化と共に筋力が減ったり関節が痛むことが原因で、水皿まで移動するのが面倒になり水を飲みに行く頻度が減るケースもあります。

対策としては水皿の箇所を増やす、普段寝ているスポットの近くに水皿を設置するなどすぐに水が飲めるような環境作りを行うことが大切です。また、食欲旺盛な犬の場合、ごはんに水を足してあげるのもおすすめです。

無理のない範囲で運動量を増やす

老犬が便秘になる原因の一つとして、筋力が低下している可能性があげられます。筋力が低下すると排便時にもうまくいきむことができず、便を押し出す力が弱くなります。うまく便が押し出せないことにより、便秘になってしまいます。

散歩をいつもより5分長くするなど運動量を増やすことで、便をいきむ力が減らないようにサポートしてあげましょう。ただし、老犬が過度な運動を行うと心臓や体に負担をかけてしまう原因にもなります。無理のない範囲で行うことが大切です。

フードを見直す

老犬の便秘の原因は食生活にもあるといわれています。食物繊維の少ないフードを長期的に食べていると、便が硬くなり便秘になる原因となってしまいます。

老犬の便秘に悩んでいる方は、普段食べているフードから腸内環境を改善できるフードに見直すことが大切です。具体的には消化に特化した療法食や食物繊維を豊富に含んでいるダイエット用のドッグフードがおすすめです。

他にもドライフードをお湯でふやかしたり、ウェットフードを混ぜたりすることで水分含有量を増やすのも、便秘を解消する食事の一つです。

整腸作用のある食べ物を与える

ヨーグルトなど整腸作用のある食べ物を与えるのも便秘を解消する方法の一つです。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境のバランスを整えてくれるでしょう。また、ヨーグルトは好んで食べてくれる犬が多いのもヨーグルトを与えるメリットです。

注意点としては与えすぎてしまったり食べ慣れていない犬に与えたりした場合、下痢や嘔吐、アレルギーの原因となるケースもあります。自分の愛犬に与えても良いか分からないという方はかかりつけの動物病院と相談するのが良いでしょう。

肛門を刺激して排泄を促す

寝たきりの犬や食欲のない犬は、綿棒などを使用し肛門を刺激して排泄を促すという方法もあります。

綿棒を使用して肛門を刺激する方法としては、まず綿棒の先端にぬるま湯やベビーオイルを含ませて柔らかくします。柔らかくなった綿棒の先端を肛門の中に少し入れ、クリクリと小さくまわすなど肛門を刺激してあげましょう。

注意点としてはやりすぎてしまうと癖になり綿棒を入れないと便をしなくなってしまったり、肛門の周りを傷つけてしまう場合もあります。かかりつけの動物病院に確認してから処置を行いましょう。

病院で相談する

便秘が長く続いている場合や、便秘解消方法を試しても効果がない場合は動物病院に相談するのも一つの手です。動物病院で診察や検査を行い、便秘以外の病気が隠れていないか調べてもらうのも良いでしょう。

動物病院では便を出す処置や内服薬、外用薬の処方、療法食の提案などさまざまな治療を行ってくれます。また経験豊富な獣医師より体験談も聞くことができるため、治療や検査以外の部分でも有益な情報を得ることができるでしょう。

サプリメントを利用する

便秘を解消する方法の一つとして、乳酸菌やビオフェルミンが含まれているサプリメントの使用も良いでしょう。

サプリメントや薬を与える際の注意点としては、必ず犬用のものを与えて下さい。人間用のものを与えてしまうと下痢や嘔吐を起こしたり、場合によっては命を落とす危険もあります。

犬の便秘解消サプリメントにはさまざまな種類がありますが、あえて一つをあげるとすれば「毎日爽快」がおすすめです。

毎日爽快は植物酵素と乳酸菌が配合されており、腸内環境を整えてくれるのが特徴です。またヒューマングレード品質のため安心して与えることができるでしょう。

老犬の便秘は何日くらい様子を見ても大丈夫?

トイレで伏せる老犬

一般的に犬は1日1回以上便が出ている状況を平常とし、2~3日続けて便がでていない状況を便秘と判断します。また便秘の判断基準は便が出ている日数だけではありません。

便が硬くいきんでも出にくい時や残便感がある時、便に異常があり正常な量がでない時も便秘と判断されます。さらに便が3日以上出ていない場合は、他の病気が隠れている可能性が高いため動物病院を受診するのが良いでしょう。

また便が5日以上出ていない場合は異常事態です。便が排出できなくなり、大腸に便が溜まり機能不全に陥る「巨大結腸症」という病気を発症している可能性があるため注意が必要です。

巨大結腸症が長期的に続いた場合衰弱などがみられ、命を落とす危険性もあるため早急に動物病院を受診しましょう。

まとめ

マッサージされるトイプー老犬

いかがでしたか。便秘は人間と同様、犬にも日常的に起こりえる状態です。便秘の対策はツボ押しマッサージや食生活の改善、肛門への刺激など自宅でできる方法も多いことがわかりました。

しかし便秘が継続的に続く場合や、便が排出出来ない日数が長い場合は便秘以外の病気が原因の可能性も考えられます。普段の愛犬の様子をよく観察し元気がない、お尻を気にするなどいつもと違う様子が見られたら動物病院を受診するのが良いでしょう。

便秘を解消することで、犬も飼い主もスッキリとした気持ちで毎日を過ごすことができますよ。この記事が便秘に悩まれている老犬と飼い主の参考になれば幸いです。

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