生後5ヶ月の犬の育て方、しつけの方法、食事のことまで

生後5ヶ月の犬の育て方、しつけの方法、食事のことまで

生後5ヶ月の犬にはどんな特徴があるでしょうか。成長スピードが人間より早い犬は、生後5ヶ月でジュニアステージに入ります。子犬から成犬の間である成長期は心身ともに変化が著しく、この時期特有の育て方があると言われています。今回は生後5ヶ月の犬のしつけ方法や食事量、運動量などをご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

生後5ヶ月の犬の特徴

歩く子犬

生後5ヶ月の犬は、人間の年齢に例えると小型犬の場合は8歳、大型犬は6歳に換算されます。この頃の犬は子犬から成犬への過渡期といわれ、体の成長とともに、心の成長も見られる時期です。

体の特徴

犬は生後5ヶ月を迎える頃には、体重が成犬時の約半分にまで成長すると言われています。生後5ヶ月頃は筋肉と脂肪が成長する時期で、子犬らしい丸々とした体型から、徐々に成犬に近い体型へと変化する様子が見られるでしょう。乳歯から永久歯に生え変わる時期でもあり、体のあちらこちらから、成犬の姿がうかがえるようになります。

心の特徴 

生後5ヶ月頃の犬は体のホルモンバランスに変化が見られる時期であり、人間の思春期に相当します。しつけの出来ていたトイレの失敗や、飼い主の指示に従わないなどの反抗的な態度が見られることもあると言われています。

好き嫌いなどの意思がはっきりし、吠えて主張するという、人間で言う反抗期のような行動を起こすようになります。犬の生後5ヶ月頃は、心と体の大きな変化に「ストレスを強く感じる時期」であることを飼い主は知っておく必要があります。

生後5ヶ月の犬に必要なしつけ

こちらを見つめる子犬

無駄吠え対策

犬の吠えには、警戒吠えや要求吠えなどがあります。生後5ヶ月頃は警戒心が芽生え、来客や電話の音など対しても吠えやすくなります。同時に理解力も高まると言われるこの時期に、吠える必要がないことをきちんと教えることで、警戒心による無駄吠えを減らすことができるでしょう。

要求吠えに対しては構いすぎないことが大切です。吠えれば構ってくれる、要求を通してくれるという記憶を植えつけないようにしましょう。吠えたら要求に応えるのではなく、「待て」や「おすわり」といったコマンドを挟み、コマンドに従ったら要求に応えるという方法が効果的です。こうすることで、要求が通るまで吠え続けるといった行為をしなくなります。

甘噛み対策

犬の甘噛みとは、じゃれたり遊んだりしている中で人や物に対して噛み付く行為のことを言います。やさしく軽く噛む行為で、愛情表現のひとつとも言われています。

乳歯から永久歯に生え変わる時期でもあり、歯茎がムズムズして噛むこともあります。違和感から固いものを噛む様子が頻繁に見られるでしょう。じゃれて遊んでいるときの甘噛みは、子犬の時期はそこまで痛くはありませんが、噛み癖をしつけず成犬になった場合、人の手にケガをさせてしまうこともあります。

歯の抜け替わりに対するストレスを軽減するため、噛んでもよいオモチャや犬用ガムを与え、それ以外を噛むことはいけないことだと教えます。噛むのをやめたらしっかりと褒めてあげましょう。

社会性を身につける

生後5ヶ月頃は、警戒心や恐怖心が芽生えると時期だと言われています。警戒心や恐怖心があまりない社会期(生後2~3か月まで)が、色々なものを受け入れさせるには最適な時期ですが、生後5ヶ月頃にも過剰な警戒心をつけさせないために、さまざまな経験をさせてさらに社会性を身につけましょう。家族以外の人やよその犬、車の音やチャイムの音など、多くの刺激に慣れさせることが大切です。

よその犬と触れ合う機会を作ってあげることで、匂いの嗅ぎ合いなど、コミュニケーションの作法も身につきます。社会性を身につけることで吠えや噛みつき、怯えるなどの問題行動が起こるのを予防できることも多いので、新しいことを見たり触れたりする機会をたくさん作り、色々と経験させてあげましょう。

生後5ヶ月の犬の食事量

餌を食べる子犬

生後5ヶ月の犬は、まだ消化機能が十分に発達していないためまた特に超小型犬では血糖値も低下しやすいため、1日分の餌の量を3~4回に分けて与えた方が良いでしょう。

成長期の子犬に必要な1日の餌の量は、フードの種類や犬種、体格によって大きく変わります。フードに記載された愛犬の月齢にあった目安量を基本とし、活発な犬には少し多めに、おとなしい犬には少なめにするなど工夫してあげるとよいでしょう。

また、生後5ヶ月頃は脂肪組織が発達する時期なので、それまでと同じようにエネルギー量の食事を続けていると、肥満になってしまいます。生後5ヶ月はフードを見直す時期でもあるので、フードの量や内容を再検討してみましょう。おやつやトッピングなどの味を覚えると普段のご飯を食べなくなることもありますので、与え過ぎには注意しましょう。

生後5ヶ月の犬が必要とする運動量

走る子犬

屋内

まだお散歩での運動が出来ない生後5ヶ月頃の子犬は、屋内遊びで十分な運動量を確保してあげて下さい。ロープの引っ張り合いやおもちゃの追いかけっこなどは、しつけにも通じる遊びとしてオススメです。

また散歩デビューに向けて、首輪やリード、ハーネスにも慣れておきましょう。屋内での散歩ごっこを通じて装着を嫌がらないようにしておくと、実際の散歩の際にもスムーズに進みます。

遊ぶ際の注意点としては、興奮しすぎないようにコントロールしてあげることです。生後5ヶ月の犬に必要な運動時間の目安は30分間を1日2回程度と言われていますが、室内での運動の場合は30分間連続して行うのではなく、1つの遊びは10分程度で切り上げるようにし、クールダウンする時間を設けましょう。また、犬の体に負担をかけないように、遊ぶ場所の床材に気を配ったり、急なターンや高い所からジャンプをさせないようにしましょう。

屋外

犬は生後5ヶ月頃から散歩デビューさせることが一般的ですが、社会化を目的とするのならば、生後5ヶ月より以前に抱っこで外の世界に連れ出すことが大切です。地面におろして散歩するのは2回目のワクチン接種が済んだ後にします。

散歩デビューの際は、ゆっくり歩くことを心がけましょう。好奇心旺盛な子犬は、色々なものに興味を持ち遊んでしまうので、なかなか前進することができません。無理に引っ張って進むのではなく、犬に付き合って遊んであげるとよいでしょう。

反対に怖がって前に進めない子もいるかもしれません。そんなときにも子犬の気持ちに寄り添って、安心させることを優先します。骨格が形成される1歳頃までは、体の負担となる過度な運動は避けましょう。生後5ヶ月頃の子犬の場合は、1日2回、30分くらいを目安に歩ければ十分な運動量と言えるのではないでしょうか。

まとめ

柵から頭を出す子犬

犬が生後5ヶ月を迎えたら、心の成長を喜ぶ時期だと思ってください。人間でいう思春期や反抗期のように、飼い主の手を煩わせることも多くなるかもしれません。しかしこれも成犬になる上で重要な成長段階です。愛犬が言うことを聞かなくなっても、飼い主は焦らずどんと構えましょう。指示をあやふやにせず、一貫した態度を心がけることが大切です。

生後5ヶ月頃は子犬らしく飼い主に甘える姿と、成犬のような自立した姿、両方の顔を見せてくれる時期です。たくさんコミュニケーションをとって成長を見守ってあげましょう。接し方に悩む時は、ドッグトレーナーに相談してみてください。効果的なアドバイスをもらえるかもしれませんよ。

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