犬が吠えるのはなぜ?
犬の問題行動の1つとして「無駄吠え」があります。そもそも犬が吠える行動には、どのような理由があるのでしょうか。
吠える事はコミュニケーション手段の1つ
犬にとって吠える事は、本能であり感情や自分の状況を伝えるための大切な手段のひとつです。空気を吸ったり、食べたり、眠ったりする事と同じように「自然なこと」と言えます。
私たち人間は言葉を使い、簡単にコミュニケーションを取る事ができますが、犬はそれができません。私たちが使う「言葉」の代わりに相手に伝える手段として犬は「吠える」と考えましょう。
犬にとって「無駄吠え」は無い
一般的に言われている「犬の無駄吠え」は、飼い主にとって吠えてほしくない時に吠える事です。しかし、これは人間主体に考えた場合の都合で、犬にとって無駄吠えはなく、全てに意味があります。
しかし、犬にとっては自然な事でも実生活では静かにしてほしい時もあるため、しつけや対策を行わなければいけません。そのためには犬がなぜ吠えるのかを読み取る必要があります。
犬が吠える理由
犬が吠えるのは「警戒」「要求」「興奮」などさまざまな理由があります。また「不安や恐怖を感じている」「ストレスを感じている」など、環境や状況によっても吠えてしまうことあるため、原因や理由をしっかりと読み取ってあげることが大切です。
警戒吠え
自分のテリトリーに人や犬が入ると吠えることがあります。これは自分のテリトリーを守るために吠えて相手を威嚇するためです。また、「知らない人が来た」と、飼い主さんに危険を知らせる意味で吠えることもあります。
興奮吠え
犬が「散歩に出かける前」「大好きな人に会った時」など、興奮して嬉しい気持ちを伝えるために吠えることがあります。また、興奮しやすい犬は、外出時も吠えやすい傾向がみられます。
要求吠え
犬は「散歩に行きたい」「遊んでほしい」「おやつが欲しい」など、飼い主さんに要求を伝えるために吠えることがあります。要求に応えてもらえるまで吠え続けることもあるので、適切なしつけが必要になります。
散歩中に吠える
散歩中によく吠える犬は、うまく社会化ができていないことが原因の場合があります。「社会化」とは、子犬の頃に親犬や兄弟犬たちと接することで生きていく為のルールや遊びを学ぶ時期のことです。
子犬の中には、大事な期間に親犬や兄弟犬から離されることで社会化ができず、他の犬や人との接し方が分からいことで散歩中に他の犬に吠えたり、攻撃してしまうことがあります。
食事の前に吠える
食事の時間は、犬にとって楽しい時間です。期待や興奮から吠えてしまう場合があります。食事の時間が近づくと、ニオイや飼い主さんの準備する姿を見て「早くたべたい!」と催促するように「要求吠え」する場合があります。
小さい子どもに吠える
普段は大人しい犬なのに小さな子供にだけ吠える場合は、目線が近い子供を他の犬と勘違いして威嚇したり、予測不能な行動をする子供に対して恐怖を感じているなどの理由で吠えてしまうことがあります。
また、子供が生まれる前から飼育している場合は、自分の方が上だと思って吠えていることも。犬は群れで生活してきた動物なので、人との生活でも序列を明確にしたいと思うことがあります。
飼い主や家族に吠える
飼い主や家族に対して吠える場合は、いわゆる権勢症候群といわれるもので、犬が自分の事をリーダーだと思ってしまうのが原因の可能性があります。この場合は吠える以外にも唸ったり、噛んだりする事もあります。
大きい音に吠える
大きな音や聞き慣れない音に警戒して、吠える場合があります。
例えば、車や電車の音、掃除機の音やインターホンの音など、人間にとってはいつも聞き慣れている何でもない音も、犬にとっては聞き慣れていない音などに恐怖を感じて警戒して吠えてしまうこともあるでしょう。
犬の無駄吠えのしつけ方
犬が無駄吠えをした時に、感情的に叱るのはNGです。犬は、飼い主さんが構ってくれていると勘違いしてしまい、さらに吠えてしまうこともあります。
大切なのは、犬が吠えている理由を考えてその原因にあった対策をすることです。
「警戒吠え」の場合
何かに恐怖や不安を感じて吠えている場合は、その対象のものを排除しましょう。散歩中に他の犬や人に吠えてしまうなら、散歩コースを変えるなど、愛犬が恐怖を感じないように対処することが大切です。
「要求吠え」の場合
抱っこしてほしい、構ってほしいなどの要求吠えの場合は、犬の要求に全て応えてはいけません。「吠えても要求は通らない」と犬に認識してもらうためには、吠えても無視することがポイント。犬にとって飼い主や家族に無視されるのは一番嫌な事です。
ケガや病気などが原因で要求している以外は、たまにしか要求は通らないことを理解してもらいましょう。
「興奮吠え」の場合
犬が何かに興奮して吠えている場合は、興奮しているものを排除して、落ち着くまで静かに見守りましょう。
しつけの手順
すぐに犬が吠えるのを止めさせたいのであれば次のようなしつけが効果的です。
- 犬を自分の左側に座らせる
- 左手で首輪の下に滑り込ませて、右手で鼻を包み込むようにして押し下げる
- 低い声で指示をする(①~③を繰り返します)
- 吠えるのを止めたら、しっかりと褒めておやつなどのご褒美をあげましょう
他にも、空き缶や丸めた新聞紙などで床を叩いて犬を驚かせる方法もあります。この方法の場合も吠えるのを止めたらご褒美をあげるようにしましょう。ただし、飼い主さんが驚かすためにやっていることを犬に気づかれないようにすることが大切です。わざとやっていることがバレてしまうと、効果はありません。
▼子犬の場合の吠え癖のしつけはこちら
やってはいけない犬の吠えのしつけ方
犬の無駄吠えを止める方法として、ショックカラ―や声帯切除手術は避けましょう。
ショックカラ―は、吠えた瞬間に電気が流れる首輪のことで、犬に対する負担が大きく恐怖を与えるだけなのでおすすめしません。声帯切除手術は生体に傷をつけたり、切ったりする事で吠えなくする手段ですが、犬にとって吠える事は自然なことで、吠える事ができなくなると犬の精神的な負担が大きくなります。
これらの方法は犬に負担が大きいだけでなく、根本的な解決にはならないためやめましょう。
犬の吠え方と意味
こんな鳴き声のときは要注意!
ウー、ウーと小声で唸る時…警戒している
グルル、グルルと激しく唸る時…攻撃する一歩前
このような時は、むやみに触るとガブリとやられる事もあります。
犬が心を許しているときの鳴き声
クーン、クーン…甘えている
ヒーン、ヒーン…何かをやってもらいたい
息を荒くして尻尾を元気よく動かしている時…嬉しい
このような鳴き声は、心を許してる相手に対してのみ犬が見せる行動です。飼い主さんや家族の前だけで見せてくれる行動でしょう。
犬が痛みを感じているときの鳴き声
キャン、キャン…何処かを踏まれて痛い時、ケガや病気による痛みなど
尻尾や足先などを踏まれた時や、ケガや病気などの影響で痛みを感じている部分を触られた時などにこのような鳴き声で痛いことを伝えています。
警戒や要求しているときの鳴き声
ワン、ワン…警戒や要求をする時
一般的に知られる犬の吠える声で、ちょっとした警戒や何かを要求する時など、犬がごく普通の状態で吠えている時が多いです。
よく吠える犬種
犬の性格や性別、環境などによって個体差がありますが、吠えやすい犬種として、
- ダックスフンド
- ビーグル
- フォックス・テリア
- 柴犬
- ドーベルマン
- ヨークシャー・テリア
- ウエスト・ハイランド・テリア
- ミニチュア・シュナウザー
などが挙げられます。狩猟犬や番犬など吠えることを仕事としてきた犬種は、本能で吠えやすい傾向があると言われています。他にも、縄張り意識や警戒心が強い犬や臆病や不安な犬も吠え易い傾向にあります。
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まとめ
犬が吠えるのは本能で、ごく当たり前のことで、吠えるのには必ず理由があります。
吠えにくいとされている犬種でも、吠えないわけではありません。犬の性格や性別、今まで過ごしてきた環境や、飼い主さんの接し方やしつけ方によって、犬種に関係なく吠える子も吠えない子もいます。
犬の無駄吠えは、人間と生活する上でトラブルなることの多い問題のひとつです。飼い主さんや家族だけでなく、愛犬にとっても快適に暮らすためには無駄吠えのしつけはとても重要です。
しつけをする上で大切なのは、飼い主さんががしっかりとしたリーダーシップを示す事です。そのリーダーシップでしっかりとしつけをすれば、どの犬種であっても、無駄吠えをしない素晴らしい家庭犬となります。
愛犬との信頼関係を築いて、正しいしつけを行いましょう。
犬の吠え対策は気持ちを大切にして取り組もう
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ユーザーのコメント
30代 女性 かーこ
でも、そろそろやめさせたいなぁと思っているところです。
30代 女性 モコ
30代 女性 ショコラ
40代 女性 ひまりん
うちに来て2ヶ月ぐらいの時、夜通し泣き叫んだ事がありました。原因はケージの扉でした。夜寝る時だけ、まだ子犬で心配だったので、ゲージの扉を閉めていたのです。それはうちに来た時からずっと閉めていたので、なぜ2ヶ月もたって急に閉じ込められる事を嫌がり出したのかわからず、動物病院の先生に相談したり、近所の警察犬の訓練をしている人に相談したりしました。夜通しどんなに泣き叫んでも無視をしたり、運動量を増やしたり、やれる事はやったのですが、散歩や運動で倒れるように眠っても夜中の1時ぐらいに目を覚まして毎日のように泣き叫び続け、主人の仕事にも影響が出る事を私が恐れて、結局扉を外し、寝る時だけゲージにリードをつないで寝る事にしました。
今でもなぜあの時あんなに泣き叫んだのかわかりませんが、少なくともその時からほとんど泣いたり吠えたりは無くなり、穏やかにニコニコ過ごしていてくれます。
ストレスの原因をわかって取り除けたら良かったけど、彼女が幸せそうで、こんな方法でもよかったのかな、と思ってます。
40代 女性 みゆっち
女性 クロシバ
吠えやすい犬種に日本犬で唯一ランクイン?していた柴犬ですが、元々の性格と躾のたまものと思ってます。
子供の頃は結構やんちゃで歯向かわれましたが根気よくリーダーは誰か?教え続け、同時に愛情を注いだら、今では配達にくる郵便屋さんや宅配の人達に愛されるほどお利口で人なつこいです。
人間が大好きで、人に酷いことされるなんて思ってもいないでしょう。
ただ、自分から見えないところでがさがさ音がするときだけ警戒して吠えて教えてくれます。
柴犬は飼いにくい、手がかかると言われますが、愛情をもってきっちり育てれば本当にお利口な相棒になってくれます。
50代以上 女性 さきらちよの母
散歩の時は小型犬種にはどんなに吠えたてられても相手にしませんが、同じ柴犬や大型犬に吠えられたら私を護るがごとく構えます。いじらしいほど忠犬です。
かわいくてたまらず 撫で続けて居るときはお腹を見せてどうぞとばかりにすり寄ってくれます❗犬を飼う幸せを体現してくれる子です。
女性 匿名
ちゃんとコントロールできないなら飼わないか山奥の一軒家で飼ってください
うちの前の家の犬は人が目に入ると敷地内に入っていなくても吠えます
室内犬なのにいつも網戸にして犬が外を見られるようにしているので、玄関から出た瞬間からずっと吠えられ大変なストレスです
台所がその家に面してますがその窓からうちの家族の姿がちょっと見えても吠えます
そこのうちは吠えるのが続くと窓を閉めることで対応しているようですが、飼い主が気が付くまで吠えられるこちらとしてはたまったものではありません
最低限近所の人に吠えてはいけないとしつける気がないなら最初から窓を開けず外を見せないでほしい
50代以上 女性 マグママ
今は時々夢の中で吠えるくらいです。笑
今日は珍しくシェパードに追いかけられてキャンキャン鳴いてましたが、その程度。普段は全く吠えないのです。大人しくてお利口さんだけど、ストレスが溜まらないか心配になり、ちょっと可哀想に思っています。吠えてもいいんだよと言葉で言っても分からないし、どうしたものだか。。。
10代 女性 あーちゃん
50代以上 女性 ベータママ
犬は吠える動物ですが、群れの中にいる場合吠えていい犬はリーダー以外ではリーダー許したもの(偵察係等)だけなのです。
これは家で人間と暮らす犬も一緒なのです。多分このライターはこのことを知らないでしょう。
つまり飼い主がリーダーと犬に認知されていれば、無駄吠えというものは起きないのです。
リーダーの許しなしに吠えることは犬の群れでは許されません。
人間でも統率力のある学級委員のクラスは揉めませんが、統率力のない学級委員だと紛糾してしまうのと一緒です。
ですから一番無駄吠えを抑えるのは飼い主が自分のリーダーとしての地位を確立することです。
リーダーの地位を確立するには2つのことに注力すればかなり地位を確立できます。
一つは散歩の際にリビングを出てから戻るまで絶対に犬を先行させないことです。ドアや玄関、門扉や曲がり角に至るまで飼い主が犬を側帯させて散歩するのです。散歩は犬からすれば群れの行軍ですから、その際に先頭(行先を決める)が飼い主ならば自然とリーダーと認めるのです。
もう一つは家の中の空間の管理です。自由にしてよい場所(ケージ等)、人間の許可の必要な場所(ドアへの近寄りやソファ・ベットの上への登り)、絶対に侵入不可の場所(ダイニングや台所等)に分けて犬をしつければリーダーとして認められ、結果吠えはなくなります。
無視という手段は要求吠え以外ではほとんど効果がありません。要求吠えでの無視での矯正は可能ですが、非常に時間がかかります。無視が効果がないのは犬の一次記憶時間が短く(ひどい時は数秒しかない)、
忘れてしまうからです。
興奮吠えを止めるには普段から興奮のレベルに制限を掛けることが必要です。
簡単な例としては外出した飼い主が帰ると犬は興奮しますが、この際に飛び付かせたりしないようにしたり、ひどい場合は許可するまで近寄らせない等少し可哀想ですが、我慢をさせることが必要になります。
犬は我慢することに専念するため、興奮できなくなるのです。
ショックカラーは犬に電流を流すため、危険とありましたが、今時のショックカラーは犬に電流を流したりしません。振動するだけです。携帯のバイブ機能とそう変わりませんよ。危険性はありませんし、飼い主が当てて確認すればいいだけです。私は使いませんが、正す技術を持っていない方は使っても良いと思いますよ。効果はテキメンですし、自分に当てて試せばいいだけですから。
20代 女性 匿名
元々ネグレクトを受けていた保護犬だったからか、吠えても無駄だと思っているようです。
けれど、甥っ子が義兄と戦いごっこをしているのを見て、義兄に激しく吠えたことはあります。獣医さんによると、「護るべき対象(テリトリー)がない場合は吠える必要がないので吠えない子もいる」とのこと。
おそらく甥っ子が襲われてると思ったのでしょうね(笑)
最近は興奮したときに一言吠えるようにはなりましたし、甘える時や要求行動の際には鼻で鳴くようになりました。
20代 女性 あめたま
ロングコートチワワのオスを飼育していたのですが、躾の仕方が分からずに特に躾ける事もないまま数年が過ぎました。
その結果、一日中物音がすれば狂ったように吠えるという困ったワンちゃんに成り果ててしまいました。
外で子供達の声がするだけでも吠えていたので、夜寝るとき以外はほぼ毎時間吠えていたという事になります。
愛犬としては本能であったとしても飼育している以上、近所迷惑にもなったので躾はきちんと行うべきであったと反省しています。
最近では、ペットショップ等で躾教室が開かれているので、上手く愛犬を躾けられないと感じられた場合には参加すると良いでしょう。
女性 アップルパイ