犬の骨ガンに対する免疫療法【研究結果】

犬の骨ガンに対する免疫療法【研究結果】

犬の骨ガンの治療法として実現している免疫療法。その研究の内容が獣医学ガン学会で発表されたというニュースをご紹介します。

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骨に発生するガンの新しい治療法

正面を向いたゴールデンレトリーバー

犬の骨に発生するガンにはいくつかの種類がありますが、その多くは進行が早いものです。

犬の骨ガンはアメリカでは毎年1万件以上発生しており、治療法は外科手術と化学療法がその主なものですが、新しい治療法である「免疫療法」の研究も進んできています。

このたびアメリカのミズーリ大学獣医学部の腫瘍学研究者によって、犬の骨ガンに対する免疫療法の研究の内容が、獣医学ガン学会年次総会にて発表されました。

患犬の腫瘍から作ったワクチン

病院で点滴を受ける大型犬

従来のガン治療では、腫瘍を切除した後に抗がん剤などの化学療法を受けるというのが、メインの方法です。

今回ミズーリ大学の研究者が発表した方法では、患者である犬自身の腫瘍から増殖した免疫細胞を使います。

腫瘍を切除した後に、その腫瘍細胞を使って抗腫瘍リンパ球を刺激する免疫細胞を増殖させて、それを犬に点滴します。この体内に戻された免疫細胞が、病原体が体内のどこに隠れているのかを探し出し、病原体を抱えている細胞を狙い撃って破壊するのだそうです。

ガン細胞だけを標的として攻撃するため、健康な細胞にまでダメージを及ぼす可能性のある化学療法は不要になります。

実際に治療を受けた犬の経過

レントゲンを見る獣医師と犬

骨肉腫を患い、この免疫療法を受けた犬と、化学療法を受けた犬の比較も発表されました。

米国国立ガン研究所が行った別の研究で、化学療法を受けた犬は約270日の寛解が見られました。一方、この研究で手術後に化学療法は受けず、免疫療法のみを受けた犬は400日以上の寛解が見られました。

研究者によると、骨肉腫の犬が化学療法を受けずに、生存期間を延ばしたのは初めてのことだと報告されています。

ガン治療の最も辛い点とも言える強い副作用のある化学療法が不要になるだけでなく、生存期間が大幅に延びるというのは大変嬉しい結果ですね。

まとめ

ジャーマンシェパードと笑顔の獣医師

アメリカのミズーリ大学獣医学部の腫瘍学の研究者による、犬の骨ガンの免疫療法研究が発表されたというニュースをご紹介しました。

大型犬に多く見られる骨のガンは、進行が早く治療も犬にとって負担の大きいものでした。新しい治療法である免疫療法は、副作用もほとんどなく効果が期待できるとのことで、とても心強く感じられます。

同研究チームは、最終的には骨癌を含む様々な人間のガン治療に免疫療法の臨床試験を行うことを目標にしているのだそうです。

犬の臨床試験で効果が確認された治療法が、人間に応用されるという例は近年とても多くなっています。

これは一見、人間の方にメリットがあるように思えますが、人間の医療にも応用できる可能性が大きいことで、犬の医療の研究にもしっかりと時間や費用がかけられるという犬の方のメリットもあります。

日常生活だけでなく、医療の研究という面でも犬と人間は互いを助け合っているという事実を見るにつけ、「犬は人類の最良の友達」という言葉に、また一つ重みが増すような気がします。

《参考》
https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/pets-and-health-news-531/canine-bone-cancer-vaccine-hints-at-a-human-version-742124.html

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