犬の「ターゲットトレーニング」のやり方と教えるメリット

犬の「ターゲットトレーニング」のやり方と教えるメリット

わんちゃんを飼っている方、しつけに興味のある方はターゲットトレーニング、あるいはクリッカートレーニングという言葉を聞いたことはありませんか?「誘導」をメインに使うトレーニング方法で、きっとお役に立ちますよ。

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

ターゲットトレーニングとは

イルカのジャンプ

皆さんはイルカショーをご覧になったことはありませんか?ショーの時、イルカはトレーナーさんの手の動きやホイッスルの合図で複雑なジャンプをしたり潜って泳いだりと、様々な動きを見せてくれます。しかし、水の中にいて言葉の通じないイルカに、いったいどうやってこのような動きを教えるのでしょうか。
この動きを教えるために利用されるのがターゲットトレーニングです。ターゲットとは要するに「的」のことですね。
イルカのトレーニングの際にはこの「的」を長い棒の先に設定します。トレーナーはホイッスルを鳴らしたり手で合図をしたあとに、ここへイルカが口先を当てると「OK」ということを教えるために報酬を与えます。イルカはすぐにトレーナの合図とそれに対する正解の行動とその結果与えられる報酬を結び付けて覚え、何度もその行動を繰り返します。トレーナーは徐々にその「的」を水面から高く持ち上げます。イルカは的に触れようと、徐々に高くジャンプをするようになりその結果、非常に高く迫力のあるジャンプを覚えるのです。
これは犬にも応用できる方法です。犬の場合は飼い主の誉め言葉とおやつが、正解の行動のあとに出てくる報酬になります。

監修ドッグトレーナーによる補足

空中へ大きく羽ばたくようなジャンプ。尾びれで水をバシャバシャ。スピン。イルカにターゲットトレーニング加え、高度なハンドサインを教えていけば様々なコマンドを理解してもらうことができます。

犬にもターゲットトレーニングを教えることが可能です。そして、しつけの可能性を大きく広げてくれるのがターゲットトレーニングのメリットです。愛犬と一緒になって楽しみながら学びを進めてみましょう。

犬とターゲットトレーニング

犬とタッチ

さて、では犬に応用してみましょう。
皆さん、犬にお座りはどのように教えていますか? おやつを鼻先に見せ、それをゆっくりと犬の頭上に持ち上げて目線をあげさせ、その結果お尻が落ちて「座れ」の姿勢にするよう誘導しませんか? また伏せであっても鼻先におやつを見せておやつを持った手を足元へ下ろして犬が自然に「伏せ」るように誘導しますよね。そして指示した姿勢になったらちゃんと言葉で褒めておやつをあげていると思います。
これがターゲットトレーニングの基礎になる「誘導法」です。この時使用している「手」は犬にとっては「ターゲット」です。ここに触れたら、これを追いかけたらおやつという良いことがあるということを覚えているので、座ったり伏せたり、付いて歩いたりできるようになります。
しかし常にこの「手」をターゲットにするにはちょっと厳しいこともあります。付いて歩かせたいとき、大型犬ならばそれほど気にならないところに犬の頭がありますが、小型犬の場合はずいぶんと下にあるので飼い主がかがんで歩かなくてはいけません。
こんな時には手ではなく別の何かをターゲットとして教えておくことで、飼い主の姿勢を悪くすることなく付いて歩かせることができるようになります。

監修ドッグトレーナーによる補足

手へと意識を向けさせることは、ターゲットトレーニングの基本であり一番大切な項目です。愛犬の鼻や動きを誘導する手の動かし方にバリエーションを持たせるのもいい練習になります。たとえば手の誘導を直線だけでなく、S字を描くように動かしたり、手の動きのスピードの調整をしたり、ターゲットを右手から左手に変更したり。

このようにバリエーションを持たせることで、愛犬が飽きることなく、そしてもっと楽しんでターゲットトレーニングをしてくれるようになります。工夫してトレーニングを進めてみましょう。

ターゲットの教え方とメリット

犬と歩く

別のターゲットというといったいなにが良いでしょうか。
これは犬にとって気づきやすいものであれば、特にこれといった指定は無いようです。手を的にするのが一番簡単ではありますが、これは指示できる範囲に制限ができてしまうのでできればもうちょっと長いものの方がよいでしょう。けが防止のためにも、鋭利なものは避けましょう。
まず手以外のターゲットを使う場合は、犬に見せて危険なものではないことを確認させてあげてください。犬にとってターゲットが怖いものではないと理解してもらったら、トレーニングの開始です。
最初は「タッチ」のコマンドを伝え、犬の鼻先にターゲットを触れさせます。この時自分から触れにいっても行かなくてもよく、「鼻先に触れる」ことを優先します。触れたらおやつをあげて「タッチ」のコマンドと行動を覚えてもらいます。
これを繰り返し、徐々に慣れさせ少しずつターゲットの位置を犬から離してみましょう。犬が自分から触れにいったら、思い切り褒めてあげてくださいね。
犬がターゲットに触れることでおやつをもらえる、褒めてもらえるということを覚えたら誘導が必要な場面でぜひ活用してみてください。

まとめ

おやつをもらう犬

いかがでしょうか。ターゲットトレーニングとは、普段使っている「手」での誘導を別のものに切り替えて離れたところでも誘導できるトレーニング方法です。これができるようになると犬は飼い主の行動を注目するようになり、よりコミュニケーションをとりやすくなりますので是非チャレンジしてみてくださいね。

監修ドッグトレーナーによる補足

ターゲットトレーニングは犬の生態からすれば、覚えやすいトレーニング方法になります。なぜなら犬の眼は「動くものを追いやすい性質」を持っているからです。こちらが動くと、愛犬がそれに気が付く。瞳に映ればついつい気になってしまう。そして自然と愛犬が手を追いやすくなりトレーニングが成立しやすくなるんですね。

犬の性質や気持ちを上手に引き出すことができる。ターゲットトレーニングとはそんな素晴らしいトレーニング方法なんですね。ぜひともお試しください。

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