愛犬が行方不明になったら?
管理社会
まだ日本には、「飼い犬がいなくなっても、いずれ戻ってくるだろう」という人々の甘い考えがはびこっています。
だから、2~3日くらい、名前を呼びながら周辺を探すくらいで捜索活動は断念して、後は「そのうち帰ってくるだろう」と呑気に考えている飼い主さんが、実に多いことには驚かされます。
今の日本は、既に管理社会となっていることに、どうか気づいてほしいです。
犬が単独で歩いていると、人々から異様な目で見られて、保健所に通報されてしまいます。
だから、町には野良犬の姿がほとんどありません。(一部の地区を除く)
日本は、既に徹底的に管理された世の中になってきています。
あなたの犬がもしも行方不明になってしまったら、自分で戻りたくても、もう戻れない場所にいるんだという認識を是非、持っていただきたいものです。
収容期限
では、迷い犬はどこにいるのでしょうか?
通報された場合は、保健所がすぐに捕獲に来ます。
捕獲された犬たちは、保健所、つまり動物愛護管理センターに収容されてしまいます。
そこに収容された場合は、その瞬間から収容期限が付けられてしまいます。
狂犬病予防法
迷い犬を保健所が収容した場合は、狂犬病予防法ではわずか2日間の公示で、その翌日には殺処分していいことになっています。
その大まかな内容はこうなっています。
犬を抑留した場合は、所有者がわかる場合は、所有者に引き取るべき旨を通知し、所有者が判明しないものについては、その旨を二日間公示しなければならない。
公示期間満了の後、一日以内に所有者がその犬を引き取らないときは、政令の定めるところにより、これを処分することができる。
今のこの法律では、たとえ首輪をしていようとも、規定の期間、お迎えがない場合は、飼い主不明の犬として扱われ、殺処分ということになりかねません。
公示期間
迷い犬の公示期間は各市町村によって異なります。
私の地区の保健所では、直接保健所が捕獲した犬に対しては、10日間の公示期間が与えられています。
警察に届けられた迷い犬が、保健所に回ってきた場合には、また法律が異なるため、14日間の公示期間が与えられています。
いずれにせよ、最大でもわずか2週間で、公示期限は終了してしまいます。
その間に所有者である飼い主さんがお迎えに来なければ、大抵の場合は殺処分となってしまいます。
保健所は個体数管理をするところ
動物愛護管理センターは保健所です。里親探しをする機関ではありません。
飼い主のいない犬は野良犬とみなし、その個体数を管理する場所なのです。
迷い犬のポスティング
私たち団体は、迷い犬がセンターに収容されれば、その犬がセンターに収容されていること、公示期限があることなどを、織り込んだチラシを作って市内各地にポスティングする活動も行っています。
それを見て、飼い主さんが現れることもあります。
また、それを見てこの犬がもし殺処分になるなら、自分が引き取ると言ってこられることもあります。
更にそれを見て、愛犬が行方不明になったら、センターに収容されるんだということを認識される方もいらっしゃるようです。
愛犬が行方不明になったら
- 保健所(動物愛護管理センター)に届ける
- 管轄の警察署に届ける(紛失届)
- 清掃局に届ける(交通事故などで回収されていないか)
さらに、動物愛護団体がその地区にあれば、届けておくといいと思います。
行方不明にさせない
もちろん一番大事なことは、家族でもある愛犬を行方不明にさせないことです。
雷や花火などを怖がる犬に対しては、そういう音が鳴り響くときは、脱走できないように気を付けることが大切です。
また、マイクロチップや迷子札などを装着させることも、その犬の生死を分ける大事な要素となります。
最後に
犬は言葉をしゃべれません。自分の名前や自宅の住所などは言えないのです。
迷子になったとき、マイクロチップや迷子札などを付けていれば、すぐにお家に帰ることができます。
また、飼い主さんがすぐにセンターや警察に届出を出していれば、お家に帰れる確率がぐんと上がります。
しかし、探さない、届けない、付けないという飼い主さんが、日本にはまだまだ多いのが現実です。あなたの愛犬が帰りたくても帰れない社会に既になっていることを、この機会にどうぞ認識してください。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
首輪+迷子札までは付けてますが、監察などは愛犬が噛んで外し紛失しそうになったので、今はしてません。
万が一、首輪+迷子札が外れた場合を考慮しマイクロチップを埋め込んでます。
保健所で調べてくれるかどうか不安ですが、届け出の際にその旨も伝え、迷子チラシにもその旨(マイクロチップ)を記載したほうが良いと思ってます。