車の中でぐったりしている犬を発見してしまったら!あなたならどうしますか?

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今年の夏は【酷暑】といわれ連日焼き付けるほどの強い日差しです。エンジンが切られた車の中に【犬】が閉じ込められていたら?自分に、いったい何ができるのでしょうか?最近、メディアでも取り上げられる【ペットの車中放置問題】。今回は、対処方法や法律に関する対応策なども詳しくご紹介します。

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車中放置された犬に残された時間は?

車の中で飼い主を待っている犬

犬は、置き去りにされた高温の車内でどのような行動をするのでしょうか?発見したときにどのような症状があり、どのステージかによって救命できるタイムリミットがあります。迅速な状況判断と対応に役立ててください。

車中放置された犬の行動と症状

危険度1

【犬の行動】:キョロキョロ外を見まわしたり、飼い主が離れていった方向を見たり伏せたりしている。おとなしく座って待っていたり、伏せて目を閉じたりしている。おどおどし、不安な様子がみられる。

【症状】:舌をだして呼吸している、又は口を閉じている。呼吸による腹部の動きは、通常時と同じかやや早い。


危険がある状態です。気温25℃~35℃で(日陰、日なた問わず)15分程度で車内温度は50℃を超え、そのまま10分以上放置されれば絶命の危険があります。

救命に残された時間猶予は【30分】です。

危険度2

【犬の行動】:吠えたり、鼻を鳴らしたりしてソワソワしている。シートの足元に身を隠したり、腹ばいになり後ろ足を伸ばしたり、立ち上がったりを繰り返す。おとなしく待っていられなくなる。車の座席を掘ったりします。

【症状】:舌を出し、口を開けたまま早い呼吸。呼吸による腹部の動きは通常時より大きい。


後遺症をもたらすかもしれない危険な状態です。
気温25℃~35℃で(日陰、日なた問わず)すでに社内温度は40℃を超えています。
車内に置いていかれてから15分以上が経過しています。そのまま20分以上放置されれば、絶命の危険があります。

健康な状態に回復させるためのタイムリミットは【20分】です。すぐに救出できても、何らかの後遺症をもたらす可能性は50%です。

危険度3

【犬の行動】:体は横たわったまま、ヘッドアップ(首だけを持ち上げて音がする方に顔を向けられる)できる。動き回ることはできず、ただ激しい呼吸を繰り返している。目は開いている。

【症状】:口をあけたまま、舌を出しよだれがこぼれている。ベロや口の中、目の粘膜が赤、又は白く見える。1秒に3回~4回の、短く吐き出すだけの呼吸。呼吸による腹部の動きはとても激しく、体全体が呼吸とともに動いている。目は開けないかうつろ。


数分で意識を失い、絶命する可能性は80%以上のとても危険な状態です。気温25℃~35℃で(日陰、日なた問わず)すでに社内温度は50℃~60℃、車内に放置されてから30分~40分経過しています。

すぐに、適切な処置ができなければ数分で心肺停止におちいる危険があります。救出後何らかの後遺症をもたらす可能性は70%、内臓ダメージは大きく救命できる可能性は50%です。

危険度4

【犬の行動】:ぐったりして体は動かせない。音や動きへの反応もなく明らかに意識がない。目は見開いて、呼びかけや物音にも反応はない。

【症状】:口をあけたまま、舌は垂れ下がり、多量のよだれや鼻水がこぼれている。目の粘膜、舌、口の中が赤、又は白く見える。吐血、下血などが確認できる場合もある。1秒に6回~9回の短く吐き出すだけの激しい呼吸や痙攣、失禁、泥状便、死戦期呼吸。


時間の猶予はなく、すでに絶命寸前、心停止寸前の状態です。気温25℃~35℃で(日陰、日なた問わず)すでに社内温度は60℃以上、車内に放置されてから40分~1時間以上経過しています。

救出できても、内臓ダメージは深刻で、救命できる可能性は限りなく0に近い状態です。一命をとりとめ、適切な処置を行っても、快復できる見込みは10%以下です。

25℃以上の気温があれば、締め切られた車内で犬が熱中症によって絶命する危険があります。
気温が35℃以上であれば、絶命の危険性や後遺症をもたらしてしまう可能はさらに高くなります。

また、犬種や月齢によっては、ご紹介した救命までの時間的猶予が当てはまらないことがあります。意識があり、吠え、動きがあっても、すでに体の中では脱水による内臓のダメージが始まっています。いつ急変してもおかしくないので、どの段階で発見したかにかかわらず、迅速な対応が求められることに変わりはありません。

車内放置された犬を救うために他者ができること

①110番通報をする

まず、110番通報で警察に現在の状況と危険性を伝えます。警察から車の持ち主に連絡をしてもらいましょう。このとき、上記1~4の危険度を伝えると状況の判断がしやすくなります。

②周囲にいる人を集める

110番通報から、救出までの一部始終を動画で撮影してもらいましょう。1人では全ての対処は不可能です。少なくとも4人の協力者(車の所有者以外)が必要です。

  • 警察に通報する人
  • 一部始終を動画撮影するひと
  • 助けを呼びに行く人(施設などへの連絡係)
  • 救助に必要な物を準備する人

③施設駐車場内であれば車の持ち主を呼び出すアナウンスをしてもう

施設に併設された駐車場であれば、車のナンバーを伝え持ち主の呼出しが可能です。

  • サービスカウンター
  • 駐車場管理事務所
  • 駐車場警備員

④車の窓ガラスを割って犬を救出する

飼い主さんを待つ猶予もない状態のとき、犬が急変してしまったとき、車のガラスを割って犬を救出します。

車中放置された犬を助け出す方法

車の中から外に向かって吠える犬

110番通報や、呼出しアナウンスで車の持ち主がすぐに戻ってきてくれるのが一番望ましい救出方法です。ですが、すでに時間の猶予がない場合や警察から車の持ち主へ連絡が付かない場合、持ち主が現れない場合、犬が急変した場合、他者が犬の救出をする選択を迫られます。

【注意】絶対に一人きりで救出を行わず、周囲に助けを求めてください。
救出時、適切な処置ができないリスクや、トラブルを回避するためです。
どんな場合でも、必ず110番通報し現状を伝えてください。

※動画の記録は、救出後のトラブル回避のため、とても重要な記録になりますので、不謹慎ではありません。

車のガラスを割って犬を救出するために必要な物

車のガラスを割る道具

  • 救助用
  • 脱出用のハンマー など

女性でも小さな力でガラスを割ることができます。

ズボンのベルト

鞭のようにして、金具の部分をぶつけてガラスを割ります。

小銭を入れた靴下や袋

靴下や袋などに小銭を入れて、振り回した力を利用してガラスを割ります。

ガラスを割るものが何もないときには、転がっている石でガラスをたたき割ります。
小石しかないときには、数を集めて小銭と同じように靴下や袋に入れて使用します。

救命のために必要な物

  • 常温の水
  • タオル
  • うちわなど風を送れるもの
  • リードや紐、ロープなど
  • 車内を冷やした別の車

【その他】アルコール、エタノールなどの揮発性のものがないか、周囲の人に呼び掛けてみる。
【注意】氷、凍った保冷剤、冷水の使用はとても危険です。できれば水道水など常温の水を用意しましょう。

車のガラスを割って犬を救出する方法

①救命に必要な物をそろえ、日陰にタオルなどの敷物を敷きます。救助する人も、救助された犬の安全確保のためにも、周囲の安全確認をして場所を選びましょう。交通量の多い場所では危険なので、車や人の誘導する人が必要です。
②犬がいる場所から一番近いガラスを割り、鍵を開けて救出します。フロントガラス(前面)は割るのが難しいので、ドアガラスを割ります。迅速に救出するためには、ガラスが割れたらドアロックを外して、ドアから犬を車外に出します。
※割れたガラスで、人が怪我を負わないよう気を付けましょう。
③犬にリードをつけて救出します(意識がある場合)。パニック状態、救助後の混乱で逃走などの危険があるため、救助する犬には必ずリードを着けます。首輪やリードがない場合は、紐やロープで代用します。紐状のものが何もない場合は、肢をたたんで大きな布(タオルなど)で全身を包み込んで、足が出せないように結び目を作って寝かせます。
④犬の体に水をかけ、風を送って体を冷やします。犬の首、腹、後ろ肢のつけ根に水をかけながら、うちわなどで仰いで体を冷やします。冷水や氷、保冷剤などで一気に体を冷やすのは心停止の危険があります。保冷剤や氷があるときには、タオルなどで包み直接犬の体に触れないよう、わきの下や肢のつけ根に抱かせるようにして活用しましょう。

流水を続け、風をおくり続けて気化熱を利用して体を冷やし続けます。危険な呼吸が続いている状態でも、意識があり、動き出そうとする犬の場合には、リードや紐がない場合と同じように、布で包み(タオルなど)、布ごと水をかけて仰いで冷やします。

その他には、アルコールやエタノールが手に入れば、肉球に塗り体温調整に役立てます。
⑤現場から一番近い動物病院へ搬送します。救出、救命処置をしている間に、周囲にいる人に動物病院の手配をお願いしましょう。呼吸が落ち着いてきたら、濡れたタオルなどで体を包み、冷やした状態で近くの動物病院へ搬送します。意識があり、元に戻ったように見えても、脱水、内臓へのダメージによっては多臓器不全で急変する可能性があります。必ず動物病院で適切な治療を受けさせましょう。

【※注意※】これらの処置や対応は、一人では行えません。
一刻を争う場合でも周囲の協力が得られないときに、「助けたい!」思いで行動をしてしまうと、望まない結果に繋がってしまうことがあります。
迅速な対応が求められる中、助けてあげたい命が目の前にあっても、絶対に無理をしないでください。

車のガラスを割って犬を緊急救助するときのリスクと対策

割れた車の窓

通りすがりの他人による犬の救出は、日本では多くの課題が残されています。
他人の所有物である車から助け出すのは【命ある犬】ですが、法的には所有物なのです。

他人の車の窓ガラスを割れば、器物破損になります。
犬を車内に閉じ込め、命の危険にさらした飼い主は、動物愛護法違反の対象にはなりますが、救出した人も法的な責任を問われたり、窓ガラスを割ったことへの弁済を求められたりすることになるかもしれません。

善意の行いであっても、犬の命が助かっても、救助した人にリスクがあることを知っておきましょう。

動物の車中放置は動物愛護法違反にならないのか?

動物愛護法では、動物をみだりに殺したり、故意に怪我を負わせたり、食事を与えない、治療を受けさせたりしないなど、適正な環境で飼育しないことなどを禁止しています。

車内に放置していけば熱中症を引き起こし、命の危険にさらされたり、悪意の第三者によって傷つけられたり、奪われたりする恐れがあることは安易に想像がつき、防ぐことができます。

そのため、本来であれば動物愛護法違反として処罰されるべき危険な行為です。
ですが、犬を車中放置して殺してしまったとしても、第三者には何ら影響がないこと、犬はあくまでも飼い主の【所有物】として扱われるため、実際に罰せられるケースは多くありません。

動物の命を守る法律があっても、その扱いは【物】であるという解釈の法律により、現在の日本ではたとえ、車中放置されている犬がいても、駆け付けた警察官による救出は行われません。

近年、夏場の車中放置による子供の死亡事故や、犬の死亡事件などがメディアで取り上げられることがあります。
実際に車中放置を発見した通報者によると、駆け付けた警察官によって動物が助け出されたケースはなく、車の所有者に対して【呼出し】や【注意】といった対応で済まされています。

善意の行動に伴うリスクとは

車中に閉じ込められた犬を無事に救出できたあと、【命を救いたい】という善意の行動であっても様々な責任を問われるリスクや、車の所有者から訴えられてしまうリスクがあります。

まず、一般的に車中に犬を放置するという行為が、命を危険にさらすことになる可能性が非常に高いことは分かり切っています。
それでも、ちょっとだけなら大丈夫だろう。このくらいなら大丈夫だろうという認識の甘さが事故に繋がっているケースが多いのです。

そして、とても悲しいことですが命の危険があると認識しながらも、愛犬を車中放置する飼い主も存在します。

  • 車の窓ガラスを割ったことに対して責められ、損害賠償請求されるかもしれない。
  • 大きな騒ぎになったことに腹を立てて、反省はなく苛立ちをぶつけられるかもしれない。
  • 助けてくれなくてよかったと、行動を否定されるかもしれない。
  • 警察からの事情調書に応じなくてはならない
  • 救出後、犬が死んでしまうかもしれない。

など、勇気をふり絞って正しい行いをしたにもかかわらず、嫌な思いをしてしまうことがあります。救出後に正しい対応をしても絶命してしまうリスクも非常に高いのが熱中症です。

様々なリスクを負ってでも、苦しんでいる犬を救出するには【覚悟】をもって臨むことになります。全ての飼い主さんが【助けてくれてありがとう】と言う人ばかりではないのです。

善意の行動を守る法律的な解釈【緊急避難】とは

【自己又は他人の生命、身体、自由又は〝財産″に対する現在の危惧を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる】※刑法第37条一項

【他人の物によって生じた緊迫の危惧に対して、自己又は第三者の権利を防衛するためにその物を毀損する行為については不法行為による責任を問わない】民法720条2項

つまり、他人の財産である【犬】の命を救うために、車の窓ガラスを割ったことは【罰せられない】という法律の解釈が適応されるということです。
刑法、民法ともに、この緊急避難が適応されるにはいくつかの条件があります。

また、万が一車の窓ガラスを割って救出できたとしてもその犬が絶命してしまった場合も、同じように罪に問われないという法律の解釈があります。
救出しなければ確実に絶命していたのと、救命を試みたが救えなかったのでは、どちらが財産を守ることに繋がったのかと考えれば分かりやすいと思います。
救えなかった=財産を失った。としても、窓ガラスを割って救出したことが絶命の原因ではないことが明らかです。窓ガラスを割らなければならない切迫した状況であったことが証明できることが大切です。

  • 現在、犬が絶命する切迫した状態であること=財産が失われる切迫した危惧。誰がみても、現在の状態はいつ犬が絶命してもおかしくないと判断できる状態であること。
  • 自己又は他人の生命、身体、自由、財産を守るためにした行為でなければならない。犬は飼い主にとって大切な財産であるということ。
  • やむを得ずした行為でなければならない。財産を守るために、他の方法がなかった場合でなければならない。
  • 避難行為によって生じた害が避けようとした害の程度を超えてはならない
※避難行為=窓ガラスを割ること
※避難行為によって生じた害=車の窓ガラスの損害
※避けようとした害=犬の絶命

その他、【過剰避難】【誤想避難】【誤想過剰避難】【自招危惧】に当てはまってはいけません。
犬の命を助けるために、車を大破させたり、車中放置と勘違いをして窓ガラスを割ってしまったりしてはいけません。

また、この場合、自ら招いた危惧には緊急避難は成立されません。

緊急避難が成立しないケース

例:友人の車に自らの愛犬を放置したが、救命のため友人の車の窓ガラスを割った。
(自らの故意によって招いた危惧であり、友人に開錠してもらう別の方法があるため)
例:目の前で他人が犬を車に残して離れようとした
(車を離れようとしている人に注意を呼び掛けることができ、命の危険が切迫していない)

つまり、今にも絶命してしまいそうな他人の犬を発見した場合、車の窓ガラスを割って助け出す以外に方法がなく、【財産が失われてしまう切迫した危惧】という現状があれば、善意の行いは罰せられることはありません。
そして、この善意の行いや勇気ある行動をとった人を守るために必要なのが、【記録】と【共通認識】です。
動画による記録と、周囲にいた誰もが〝他人の財産(犬の命)を救うためにやむを得ずした行為であると共通認識していること″は、万が一、車の持ち主や飼い主に責められたり、法的な責任を問われるような状況になったりしたときに、重要な証拠や証言となります。

車の窓ガラスは修理が可能で、車の存続や走行や価値については原状回復できるので、犬の購入価格や飼い主にとっての価値は無関係です。
命が失われてしまえば、財産を失うことになり、修復はできないので〝避難行為によって生じた害が避けようとした害の程度を超えてはならない″には該当しません。

まとめ

車の中からこちらを見つめる犬

いかがだったでしょうか?
もしものとき、助けたい命を目の前に行動を起こせる人は少ないと思います。
日本では、とても少ないケースで、車中放置された犬が善意の第三者によって救出されることはほとんどありません。

呼び出された車の持ち主に、【大きなお世話だ!】などと暴言を浴びせられることもあるでしょう。ですが、放置しておけば絶命することは目に見えています。
1人ではできないことでも、協力すれば勇気をもって行動できることがあります。

やり過ごすことも、救出することも、選択は自由ですし、義務や強制ではありません。
ですが、あなたの一声が、小さな命を救うきっかけになることもあります。
そして、勇気ある善意の人を助けてあげられる証言者になることもできます。

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