「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」は正しいのか?

「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」は正しいのか?

飼い主がリーダーになるために「犬よりも飼い主が先にご飯を食べるべき」だと聞いたことはありませんか?なぜ、犬よりも先にご飯を食べることがいいとされているのか、また本当にそれは正しいのかということについて考えてみましょう。

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犬よりも飼い主が先にご飯を食べるべきと言われる理由

食事中の女性を見るMダックス

犬を飼う上でしつけをするのはとても大切なことです。そしてしつけをする上で必要になってくるのが信頼される飼い主になること、頼りがいのある飼い主になることです。つまり、犬にとってのリーダーになることで飼い主の言うことを聞き、指示に従うようになるのです。そのため「飼い主は犬にとってのリーダーにならなくてはいけない」ということはよく言われており、リーダーシップを取るために心掛けたいポイントのひとつとして「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」ということも挙げられています。

なぜ「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」がリーダーになるために必要だと言われているかというと、犬の祖先だと考えられてきたオオカミの群れではリーダーがはじめに食事を取るためそれにならって同じようにするべきだと考えられたからです。ご飯を食べるのはリーダーが優先で、それ以外にオオカミはリーダーの食事が終わってからということになるため、家庭でも「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」ことがリーダーとしての振る舞いだとされているのです。そうすることで犬にも飼い主がリーダーであると認識させることができるとされています。

「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」は意味がない?

フードボウルと赤い首輪の犬

「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」ことで飼い主がリーダーであるということを示すことができるとされてきましたが、最近ではそれを疑問視する声も上がっています。その理由として、そもそも犬の祖先は群れ社会で生きたオオカミではないという考えや、飼い主の残り物を犬に与えるわけではないのでそれではリーダーとして認識しないという考えなどがあります。

最近では犬の祖先そのものがオオカミなのではなく、オオカミとは同じ祖先を持つ似た系統の動物であるという考えが広まってきており、さらにオオカミの群れも完全な縦社会ではないという認識を持つ研究者もいます。また、動物の行動を真似たからといって同じ種族ではない人間の飼い主に対して、動物同士で行うコミュニケーションがそのまま当てはまるわけではないと考えられているのです。

もちろん、犬が欲しがるからと飼い主の食事を中断してわざわざ犬の食事を用意したり、犬が望むタイミングで食事を与えるなどということはNGです。これでは犬に「要求すれば自分の思い通りになる」と勘違いをさせてしまい、どんどん要求がエスカレートしたり要求が通らない時に吠えたり攻撃してきたりすることもあるので注意しましょう。

犬のしつけにおける“間違った”リーダー論

怒られているブルドッグのパピー

「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」と同じように、飼い主が犬のリーダーであるために必要なこととして、「ドアの出入りは飼い主が先」「ソファやベッドなど高いところに犬を乗せてはいけない」「散歩で犬に前を歩かせてはいけない」などということもよく言われています。しかしこれらも「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」ということと同じように、その行動とリーダーシップを取ることはつながらないと考えられるようになってきています。

ただし、これらは犬の危険回避や通常のしつけという点においては大切なことであるのも事実。ドアの出入りは犬が先に飛び出してしまうと事故など危険な目に合わせてしまうこともありますし、リードを引っ張って歩かせ続けるのは犬にも飼い主にも負担になります。ソファやベッドも飼い主が「降りて」と指示をして従ってくれれば問題ありませんが、衛生面や身体的な負担がかかる点などから必ずしもおすすめできることではありません。

主導権を握るより愛犬との信頼関係を築こう

手を取り合う犬と女性のシルエット

「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」ことなど、これまで必要だとされてきたリーダー論は決して間違いではありませんがそれが必ず必要なこととも言い切れません。飼い主が愛犬にとって頼れるリーダーであるということはとても大切なことですが、それは食事に順番や歩く順番などで決められるほど簡単なことではないと思います。日々の生活やしつけを行う中で、犬の信用を失うような言動、犬を困惑させるような態度を取ることのないように心掛け、愛情たっぷりに楽しい時間を提供することが大切だと思います。

「犬よりも飼い主が先にご飯を食べる」などを提案しているリーダー論を取り入れるだけでなく、「この人といると楽しい!この人といれば安心!」と愛犬に思ってもらえるような飼い主になるために、日頃から愛犬への接し方をしっかりと意識するようにしましょうね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 男性 匿名

    私もその様に思います。
    リーダー=主人という考えであるならば、ご飯の順番云々よりも
    群のボスを意識してしまい、パートナーという関係が崩れてしまいます。
    野生でいうならば、ボスの座を狙う意識を植え付けることになると思います。
    楽しい家族、一緒にいてお互い嬉しいパートナー関係構築が
    人間にとっても、犬にとってもお互い幸せな関係と考えます。
  • 投稿者

    20代 男性 最近ペットを買いました

    <楽しい家族、一緒にいてお互い嬉しいパートナー関係構築が
    人間にとっても、犬にとってもお互い幸せな関係と考えます。>
    との口コミがに同意です。ただ犬を擬人化して接するは非常に危険と感じます。
    犬の幸せ=人間の幸せではないので、履き違えるといけないと考えています。
    犬の習性や性格を理解し、人間社会になじませるしつけをする事で犬も人間も幸せになれると感じます。
  • 投稿者

    男性 匿名

    私はある程度上下があってボスという存在になった方がいいのかなと考えています。
    というのも信頼関係だけで最高のパートナーになっている知り合いがたくさんいますが、多頭飼いをするにあたって完全に上手くいっているのはみんな飼い主がボスを意識した振る舞いをしているところだからです。
    相性などで喧嘩してしまうのはみんなオトモダチ関係のおうち。
    幼少期からお外へ連れ出して社交性を高めるだけで大抵は誰とでも仲良くできる子になりますが、おうちに家族が増えるとなると話は別になるようで。
    群れになった時、やはり支配者がいた方が円滑に進むのは間違いなさそうです。
    小型犬の一頭飼いで増やす予定もないのであれば全く問題ないでしょうが
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