犬税によるメリット
犬税はその名の通り、犬の税金であり、人間でいう市民税にあたります。犬税を納めることで飼育頭数を把握することができ、飼育頭数が増えれば増えるほど税金は高くなります。それによって、安易な気持ちや流行りだからといった「むやみに犬を飼う」という無責任な飼育を防ぐことができます。
税収されたお金は、犬のフンによって汚れた街の清掃や、犬のフンを入れるエチケット袋の費用などに使われています。犬税を支払うことで犬の権利も守ることもでき、飼い主の責任感も増幅させることができます。
犬税がある国4選と金額について
犬税についてや、犬税のメリットについてご紹介しました。では犬税を導入している国は、それぞれどの程度の金額を納めているのでしょうか。
1.ドイツ
ベルリンでは、1頭あたり120ユーロ/年間(日本円で約16,000円)、2頭目以降は180ユーロ(約24,000円)課せられます。飼い犬がブルテリアやマスティフ、ロットワイラーなどの闘犬である場合や、それらの犬種と混合血である場合は、1頭600ユーロ(約78,000円)かかるといわれています。
2.オランダ
オランダのアムステルダムでは、1頭あたり109ギルダー/年間(約5,000円)課せられます。
3.オーストラリア
ウィーンでは、72ユーロ/年間(約1万円)課せられます。インスブルックでは頭数に関わらず、1頭82.4ユーロ(約10,800円)、クラーゲンフルトでは1頭40ユーロ(約5,200円)かかるそうです。
4.中国
中国には犬税がありませんが、犬の登録をする際にお金がかかるそうです。
北京では初年度の登録料が1,000人民元(約14,000円)、2年目以降は500人民元(約7,000円)を課せられます。広州では初年度の登録料が、なんと10,000人民元(約14万円)、2年目以降は6,000人民元(約8万円)となります。
犬税は日本にも存在した?
実は約50年前に、日本にも犬税がありました。法律によらない「法定外普通税」という形で市町村が導入していたのですが、当時の税額が高額であったことから重要視されず、長野県四賀村を最後に廃止されてしまいました。
しかし2014年、「再び犬税を」と大阪府泉佐野市が導入を試みました。その目的は、昨今のペットブームの影響による「犬のフン放置対策」のためです。大阪府泉佐野市は、狂犬病予防法に基づき登録された飼い犬5000匹を対象に、1匹2000円を徴収し、それらをフン放置対策にあてようとしました。しかしその後、未登録の飼い犬を含めると、市内には約9000匹の飼い犬がいることが判明したのです。それによって、「狂犬病予防接種の登録をしているか否かで各家庭への税の負担に不公平が生じること、また税収よりも徴税コストが多額になる」という見解で、犬税の導入は断念されました。
犬税における世界と日本の考え方
では、一体なぜ日本には犬税がないのでしょうか。それは、「国民の意識」が一番の違いなのではないかと考えられます。
例えば、ドイツ人は真面目な性格で、規律やルールを大切にし、自己責任がとても強い国民性を持っています。それは犬に対しても同じで、犬を正しくしつけることで良きパートナーとして接しています。街の公園には犬のためのトイレやごみ箱、エチケット袋が用意されるほど、国自体が犬を尊重する形になっています。
一方、日本はどうでしょう。
道を歩いているとよく目にする「おしっこ厳禁」と書かれた看板、公園のNG事項の多さ、もちろん犬専用のトイレなどなかなかありません。実際、大阪府泉佐野市の犬税導入の件も、フンの放置などの飼い主のモラルの低下が問題となったためです。
まとめ
犬税については、賛否両論があると思います。わたし個人の意見としては、犬税は賛成です。
愛犬を心から愛してやまない飼い主さんは大勢いますが、自ら愛犬を手放す飼い主もいることも事実…。犬税を導入することで飼い主に責任感を持たせ、犬の幸せを守ることができます。
犬税を徴収して、街の清掃の活性化や、動物愛護団体の方にたくさん使ってほしいなと思います。
ユーザーのコメント
女性 匿名
そうでなければ不平等が生じます。
犬税を普通自動車なみの税金すると畜犬登録をしてないワンちゃんを捨ててしまう飼い主も現れてくると思います。
また、犬税で里親も探しにくくなりますし雑種のワンちゃんは、ますます里親が遠のき、税金がかからない猫をと考える人も出てくるでしょう。
ドイツは、犬飼いより猫飼いが多いと聞きました。