愛犬が失踪したままの飼い主さんへ…あなたは本気で探していますか?

愛犬が失踪したままの飼い主さんへ…あなたは本気で探していますか?

これは愛犬が失踪したまま戻って来きていない飼い主さんに是非読んで、知って、考え直していただきたいような実話です。もしかしたら、あなたの常識が大きく覆されるかもしれません。

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愛犬の失踪

保健所収容の老犬

2018年5月、山口県の保健所に、ある1匹の憔悴しきったメスの老犬が収容されました。

その老犬は側溝にはまっていたところを発見され、救出され、保護されたのですが…

あいにく1週間という短い命の期限がつけられてしまう保健所に収容されてしまいました。

このままではせっかく助けられた命が、殺処分されてしまうということで、SNSを使ってボランティアさんを中心とした里親探しが大々的に行われました。

SNSで啓蒙活動をされている”かるさん”の当時のツイートです。

ボロボロの老犬

側溝に落ちてるところを保護されました。
野犬ですが老犬?のようで
衰弱している様子で触っても
逃げません。

引用:https://satsuzerozero.blog.fc2.com

目ヤニもひどく
毛もボロボロです。
ガリガリです。

引用:https://satsuzerozero.blog.fc2.com

助けたい!

生きるために一生懸命に
生きてきたのではないでしょうか?
それなのに人間の都合の為に
この仔の一生を終わらせたくありません。

引用:https://satsuzerozero.blog.fc2.com

里親探し

この仔の全てを受け入れてくださる方を
募集しています。
収容期限は5月30日の朝までです。

引用:https://satsuzerozero.blog.fc2.com

この子の里親募集がペットのおうちなどで行われました。
(時間が経っているため、現在その時の投稿は見れません)

SNSで拡散

保護された時の状態があまりにも酷く、とても悲しい姿だったため、なんとかしてあげたいと心を揺さぶられた人達によって、SNSでこの子の里親募集内容が拡散されました。

筆者もその一人で、フェイスブックやツイッターで里親探しを呼びかけていました。

ツイート

里親

その結果、この子のことを見かねた関西の方が里親として挙手して下さり、わざわざ遠方遥々、山口県の保健所までお迎えに直接行かれ、関西まで連れて帰ってくれました。

里親さんになられた方の詳細は判りませんが、ボランティア経由で耳にした話では、とても良い方で、すぐに関西の動物病院に入院させてくれ、必要な医療を受けさせてくれているとのこと。

メッセージ

それは、里親さんがこの子を関西に連れて帰って、動物病院に入院させて治療を始めたばかりの時でした。

この子の里親募集の情報をシェアし、ツイートしていた筆者にある方からメッセージが届きました。

メッセージ

「飼い主さんなのですか?」との筆者の問いかけにまた返事が戻ってきました。

メッセージ2

問い合わせ

筆者はすぐに、山口県内で活動しているボランティアさんに協力依頼をしました。

もしかしたら愛犬かもしれないと問い合わせてきた人(今後はAさんと表記)の出現で、1匹の犬をめぐって筆者を含めた3人のボランティアと、そして関西の里親さんとの間で何度も情報交換を行いました。

愛犬行方不明の詳細

Aさんの愛犬は2017年9月に行方不明になってしまいました。

その愛犬は保護犬で、保健所に収容されていた1~2歳の子犬をAさんが引き出して、その後15年くらい一緒に暮らしていたそうです。

それが、ある朝突然、リードが切れて失踪してしまい、そのまま戻ってはこなかったということでした。

事実確認として、Aさんのその情報を調べたところ、確かにAさんは、ツイートをそのために立ち上げられており、そこで愛犬の目撃情報など求められているだけでなく、迷い犬のサイトにもちゃんと掲載されていました。

Aさんは、山口県周南市に住んでいます。その自宅から犬は失踪しています。

そして、あの老犬が収容されていたのも山口県周南市でした。

どちらも白い老犬です。

Aさんの愛犬の写真も数枚いただきました。下記はその中の1枚です。

Aさんの犬寝ている状態 Aさん提供のもの

わからない

Aさんから頂いた愛犬の写真と保健所に収容された犬の写真を何度も見比べてみましたが、違うような、似ているような、どちらともいえない状態でした。

保健所に収容された時の犬の状態は、ボロボロで白い毛もわからないほど汚れていました。

Aさんの愛犬は、失踪してからもう8か月以上が経っていました。

長期間、放浪生活をしていた犬がどういう風に変貌しているかは、誰にも想像がつきません。

下記もAさん提供の愛犬の写真です。この綺麗な状態のままでないことだけは確かでした。

Aさんの愛犬立っている状態

ちゃんと届けているという過信は危険!

Aさんは、警察と保健所に愛犬の失踪届をきちんと提出していました。

そのため、Aさんは、保健所収容犬のチェックをあまり頻繁には行っていませんでした。

殆どの飼い主さんがそうだと思います。

『保健所にちゃんと届け出をしているのだから、もし自分の愛犬と似た犬が収容されたら、絶対に連絡が入るはず…』

そう信じて安心してしまいがちです。

でも、失踪した犬の放浪生活が長期化した場合、あまりに変貌した姿の犬に対して、一度も面識のない保健所の職員さんがちゃんと判別できると思いますか?

しかも、職員さんの元には、たくさんの失踪届が提出されている事を考えるとそれはやはり困難な作業ではないでしょうか?

失踪している犬達とは、職員さんは一度も面識がないのですから。

犬の失踪届を警察と保健所にきちんと提出することはとても大切なことです。

でも、その後にもっと大切なことがある事に、多くの飼い主さんが気が付いていないのではないでしょうか?

(下記もAさんから提供された失踪してしまった愛犬の写真です。)

愛犬

写真と情報だけでは実際に判別不能

その後、何度もメッセージにて情報交換が行われたのですが、写真だけでは誰も判別できませんでした。

更に提供されたAさんの愛犬の情報、そして里親さんのところにいる保護犬の情報でも誰も判別できせんでした。

(下記もAさんから提供された失踪してしまった愛犬の写真です。)

顔アップ

飼い主として

Aさんは、もし、自分の愛犬であった場合、関西にいるその犬を何が何でも連れ戻したいと考えていたわけではありません。

何が犬にとって一番いいのか…自分の気持ちよりも、その犬にとって一番良い方法を選ぶと。

再び、遠い山口まで連れて帰る体力がもう残っていなければ、大変、申し訳ないが里親さんにそのままお願いして、その犬にかかっている現在の医療費をすべて自分が負担する覚悟があると言われました。

その思いを聞いたからこそ、その犬がAさんの愛犬なのかどうかはっきりとしてあげたいと筆者を含む誰もが思ったはず…

それは、Aさんにとっても、そして里親さんにとっても、そしてその犬にとっても、良い結果を出せるはず…

Aさんは、実際に確認するために、山口県から関西のその犬のところまで会いに行くことも本気で考えていました。

実際会えば、判るかもしれない…いや、判るはずである…そうAさんも信じていたのですが、写真と情報だけでは確信が持てることはありませんでした。

でも、その保護犬に行われたある医療処置によって、真実はやがて明らかとなりました。

手術

子宮

その犬には、乳腺腫瘍がありました。

それを除去する手術が行われ、子宮がある事が判りました。

その際、子宮も摘出されました。

その事ではっきりしたのです。

Aさんの愛犬は、すでに避妊手術をされていた過去がありました。

だから、Aさんの愛犬だとしたら、子宮があるはずがないのです。

それで今回の確認作業は終了しました。

下記の写真は、治療中の保護犬です。

治療中の保護犬 ボランティアさん提供の写真

保健所に収容されていた時と見比べると、見違える程綺麗になっています。
こうして綺麗になった保護犬は、確かにAさんの犬と似ています。
でも、この犬にはまだ子宮があったということで、明らかに違うということが、やっと判ったのです。

犬が失踪した場合

今回の事でもわかるように、犬が失踪した場合、飼い主さんがやらなければならないことは

  • 管轄の警察に届ける
  • 管轄の保健所(動物愛護管理センター)に届ける

それは飼い主さんがやらなければならい最低限の事なのです。

それをしたからといって安心してはいけません。

以下、かるさんからのメッセージです

『迷子の場合、管轄の保健所&警察に届ける方も増えてはきました。

しかし、それに付け加えてやっていただきたい事があります。
それは管轄だけでなく周辺の保健所&警察に全部届けを出してもらいたいという事です。
少し前に100kmほど離れた場所で保護された犬もいました。
また30kmほど離れた場所で見つかった猫もいました。

やはり最低限、県内すべてに届けてほしいです。』

白い収容犬

最終的に守れるのは、飼い主さんだけ

更に、筆者からも飼い主さんにお願いしたい事は、

いなくなった場所を含めて、周辺地区の保健所(動物愛護管理センター)に収容犬を数日おき、あるいは最低限でも1週間に1度は必ずチェックすること。

もし、保健所(動物愛護管理センター)に収容された場合は、命の期限が付けられてしまいます。短い所では、1週間しかそれはありません。飼い主さんが気が付かなければ、せっかく保護され収容されたとしても、期限内に名乗り出なければ殺処分されてしまう可能性もあるんです。

また今回のケースのように運よく譲渡されたとしても、それが遠方だった場合、中々実際に会って確認するわけにはいきません。

それと、今回のケースでよくわかったのですが、保健所(動物愛護管理センター)の職員さんには守秘義務があります。譲渡された犬が、はっきりと自分の愛犬だと確信が持てなければ、里親さんの個人情報を教えるわけにはいかないのです。

今回のAさんのように、確信が持てない場合は、教えてはもらえません。

でも、果たしてどれだけの人が、長い間放浪して疲れ果て、衰弱して毛の色も変わるほど変貌している収容犬が自分の愛犬だという確信が持てるでしょうか?

殺処分されてからではもちろん手遅れなのですが、今回のように譲渡されてから、もしかしたら自分の犬だったのかも?というのでも、すでに遅いのです。

茶色の収容犬

迷い犬の情報求む

Aさんの愛犬はまだ見つかっていません。

Aさんは、愛犬がまだ生きていると信じて探し続けています。

Aさんの愛犬の写真

もし、何かAさんの愛犬に関する情報がございましたら、筆者が窓口となりますので、下記ツイッターアカント(@kptgg178)のメッセージにてご連絡願います。
https://twitter.com/kptgg178

あるいは、山口県の動物ボランティア団体”ディ・アンク”のフェイスブックページにてメッセージをお願いします。
https://www.facebook.com/diankshimonoseki/

最後に

愛犬が失踪してしまったら、失踪届を警察と保健所に届けることは最低限やらなけらならないことですが、それ以外にも、自分の目で保健所の収容犬情報や、迷い犬の掲示板の確認、いなくなった周辺のスーパーやペットショップ、動物病院などの掲示板に「迷い犬を保護しています」というお知らせが貼っていないかどうかの確認など、飼い主さんがやらなければならないことは山ほどあります。

いつか帰ってくるだろう、という人も実際多いです。

でも、飼い主さんだけが愛犬を守れるという自覚をちゃんと持って、本気で探してほしいです。大切な家族の一員でもあり、1つの尊い命なんですから…

※尚、この記事及び写真、ツイッターに関しては、Aさん及びかるさん、ボランティア団体ディアンク、他関係者の承諾を得て行っています。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    10代 男性 匿名

    できれば犬を飼うときにマイクロチップを装着しておいた方が助かるリスクが上がります。
  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    迷い犬の大半が、首輪をつけていても迷子札や鑑札が装着されてなかったりしている様な気がします。
    また愛犬が首輪を失くした場合の事を考えマイクロチップも必要だと思います。
    愛護センターでは、マイクロチップの有無の確認をするのでしょうか?
  • 投稿者

    女性 サクラ

    保健所で収容された犬猫に関しては、マイクロチップの有無の確認は一番最初にするはずです。ただ、確認とれるのは日本で入れられて登録されたものだけで、海外のもの(日本入国時のために海外で入れられたマイクロチップ)は、確認不可みたいです。マイクロチップは入れるだけではだめです。登録をしなければ飼い主さんの情報は見れないシステムのようです。
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