犬の祖先とは
普段は愛らしい犬ですが、そんな犬の祖先はオオカミであることは、ほとんどの方がご存知でしょう。
それでは、そのオオカミの祖先というと果たしてどんな動物を指すのでしょうか?実はオオカミの祖先は『ミアキス』と呼ばれている動物で、今わたしたちが知っているオオカミだったり、犬とは違って、なんとイタチのような姿の動物だったそうです。
ミアキスは、ヨーロッパから北米の森林に生息したといわれており、その後森に残るミアキス、森から草原地帯へ進出するミアキスに分かれました。そして、この森に残ることを決めたミアキスは、猫の祖先といわれています。
草原地帯へ進出したミアキスは、段々とキノディスムスと呼ばれる動物になり、その後トマークトゥスへ進化を遂げました。このトマークトゥスは、現在わたしたちが知っている犬や、オオカミと外見がよく似た姿をしていたそうです。
犬の祖先とオオカミとの関わり
犬とオオカミの祖先は先ほども挙げた『ミアキス』と呼ばれる動物ですが、そのミアキスも住む場所を変え、違う動物になり、進化を遂げることで私たちがよく知る、犬やオオカミの姿とよく似た姿の動物『トマークトゥス』になりました。
草原に進出したことで犬らしさが生まれる
森林から草原に進出したミアキスは、獲物を捕獲しやすいようにスピードだったり、筋肉といった走ることに適した脚を持って集団で狩りを行うようになります。後に、集団行動ですからリーダーが必要となり、リーダーとの主従関係が生まれ、現在の犬らしさが生まれていきました。
後に家畜化、人間と共に生きる
犬の祖先と私たち人間は、もともと氷河期時代に同じ獲物を狙っていたものの、共に狩りをすることによって仕留めやすさも上がるのではと考え、共に行動をするようになったのではと考えられています。
当時は狩猟だったり番犬として、食べ物は人間の残飯を分けていました。
後に、住む場所に合わせて被毛や身体を変えて、現在の犬のように変化をして、狩猟や番犬以外にも牧羊犬、ペットになったのではないかと考えられています。
オオカミとの関わり
荒々しいイメージのオオカミですが、その中にも人懐っこいオオカミもいて、人間と共に生活しやすいオオカミと、その犬の祖先が交配をして繁殖をしたのではないか、という説が一番濃厚といわれています。現在もオオカミと犬は、繁殖すること自体は可能といわれていますし、有り得ないと全否定は難しいでしょう。
犬の祖先からの進化の歴史
遺伝的に見ても犬の起源では、オオカミが犬の祖先といわれています。そんなオオカミの祖先はミアキスと呼ばれる動物で、古代から現代までの犬の進化一覧図を見ても古代の動物というとミアキスが描かれています。
約4000万年前 ミアキス
ミアキスは、イヌ科の全ての動物の祖先であり、クマ科、ネコ科の動物の祖先でもあると考えられています。
約3500万年前 キノディクティス
ミアキスから進化して誕生したキノディクティスですが、爪があったので樹上で生活することも出来て、走ることが得意だったので地上でも暮らすことができた動物です。
約3000万年前 キノディスムス
キノディクティスから進化した動物で、大きさは現在でいうハイエナくらいとされています。キノディスムスの外見は、現在のネコに近いのではと考えられていて、イヌ科・リカオン属の祖先とも考えられています。
約2000万年前 トマークトゥス
キノディスムスとは別系統の動物で、イヌ科動物のほとんどの祖先です。イヌ科動物の祖先というだけあって、大きさも見た目も現在の犬に似ているといわれています。
約700万年前 イヌ科11属の派生
現在はイヌ科に12属いますが、当時はリカオンを除く11属が枝分かれを始めました。その後、イヌ属が更に枝分かれをして7つの種が誕生します。そこからイエイヌと、イエイヌ以外の亜種30種が誕生したといわれています。
このイエイヌというのは、私たちが『犬』と呼んでいる動物で、このイエには家畜化されたという意味が込められており、人間と共生する動物という意味も含まれています。
まとめ
犬の祖先には、オオカミであるという説以外にもいろいろな説がありますが、一定の科学的根拠もあり、オオカミと犬の習性には共通点もあるということで、犬の祖先はオオカミであるということも頷けます。
最古の動物から住む環境が変わり、動物自体も進化していき、人間と共生し、派生したことによって、私達が知る姿の『犬』になりました。真実は当時の彼らしか知ることはできませんが、一定の科学的根拠、そして彼らの習性の共通点から、彼らの祖先について少しではありますが、知ることができたのではないでしょうか。