犬の留守番は24時間以上でも可能?その際の注意点や事前の対策とは

犬の留守番は24時間以上でも可能?その際の注意点や事前の対策とは

どうしても外せない予定が入ってしまい、愛犬を連れていくこともかなわない場合など長時間の留守番をさせることになってしまったら?犬だけでの長時間や1日以上の留守番は推奨されていません。その理由と、どうしても長時間家を空けることになってしまった場合にはどうするとよいのかを解説していきたいと思います。

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

犬だけで24時間以上の留守番はできる?

首を傾げるコーギー

犬だけで1日以上の留守番をさせることはおすすめはできません。普段から留守番に慣れている犬なら、ごはんや水、トイレなども環境を整えることでいつもより多少長くなることは可能ですが、丸1日などの長時間が難しいでしょう。

犬のストレスはもちろんのこと、排泄物によって室内が衛生的に保たれないことや、犬の誤飲事故や体調の変化があっても長時間そのままになってしまうことなどたくさんのリスクが考えられるからです。

では、どの程度の時間であれば留守番が可能なのでしょうか?留守番させるときの注意点や事前準備にはどんなことが必要なのかを解説します。

犬の留守番は最長12時間程度が限界

元来犬は群れで生活をする動物です。いつもは飼い主や家族と一緒にいるのに、長時間の留守番でひとりで過ごすことになってしまったら、大きな不安を感じてしまいます。留守番に慣れていないと、精神的に不安定になり粗相をしてしまったり破壊活動を起こしてしまったりする可能性もあります。

一般的には犬の性格やトレーニング次第で留守番は6~8時間程度が可能と言われています。また、どんなに留守番に慣れている健康な犬でも、12時間程度が限界ともされています。その理由としては、排泄は我慢できる限界が12時間程度であり、また食事も調整しながら食べることができない犬にとっては、長時間の空腹も体調不良の原因になるからです。

排泄を我慢しすぎると膀胱炎など泌尿器系の病気の原因にもなります。家の中でしっかりとトイレができるなら心配も少ないですが、外でしか排泄ができない犬の場合は特に注意が必要です。

どうしても留守番が必要な場合は、短時間からトレーニングを初めて、少しずつ留守番に慣れてもらうようにしましょう。

犬によって可能な留守番時間は異なる

犬の性格やトレーニングの状況、多頭飼いの場合などによっても留守番ができる時間は異なります。さらに、子犬や病気の犬、老犬などは体調や精神面でも不安定になることも少なくないため、留守番は極力避けましょう。

生後2か月程度の子犬なら、空腹時間が長くなると低血糖症になってしまう恐れがあるため、食事も1日に4~5回に分けて与える必要があります。また、6が月未満の子犬や、病気の犬や老犬などもできる限り留守番させないのが望ましいですが、どうしても留守番させる場合は、1時間以内にとどめるようにしましょう。

ペットシッターやペットホテルに預ける場合

家での留守番だけでなく、ペットホテルやペットシッターにお願いする場合もあるでしょう。ごはんやトイレ、散歩の心配がないので少し安心できそうですが、犬の性格などによっては難しかったり、慣れるまでに時間がかかることで、犬にストレスがかかることもあります。

ペットホテルに預けたり、ペットシッターをお願いする場合も、短時間など少しずつ見てもらう時間や預ける時間を長くするなどして徐々に慣れさせるようにしていきましょう。

犬だけで24時間以上の留守番をさせる時のポイント

リビングのコーギー

犬に長時間の留守番はおすすめできませんが、どうしても外せない理由や急用で1日程度の留守番が必要になってしまう場合もあるかもしれません。

そういった場合に、愛犬の健康や安全のためにやっておくべきことを紹介します。

安全を確保する

留守番中の事故やケガを防ぐためには、ケージやサークルなど愛犬が安心して過ごすスペースや、誤飲などの危険があるものは片付けることが大切です。

犬が過ごす場所は柵などを用意し、ベッドや水、トイレなども準備するなど、落ち着ける場所を作りましょう。また、感電などの危険があるコンセントなどは犬が噛めないようにカバーを付けるなどしっかり対策することも大切。

どんなに快適なスペースを作っても、長時間閉じ込めてしまえばストレスを感じてしまいます。犬の性格や留守番に慣れているかによっても異なりますが、なるべく早く帰宅するようにしましょう。

気温など考慮し快適に過ごせる居場所を作っておく

いつも過ごしている慣れたケージやサークルの中であっても、長時間の留守番はストレスを感じてしまうはずです。少しでもストレスが軽減されるよう、快適に過ごせる居場所を用意しておく必要があります。そのためには帰宅するまでの温度も考慮することが大事です。

犬種にもよりますが、犬が快適な温度は22~24℃、湿度50%程度が良いとされています。夏は直接日が入らないような場所や、エアコンの風も直接当たることのない風通しが良い場所に設置すると良いでしょう。

昼間と夜の気温差が激しい季節なども出かける時の温度だけでなく、帰宅するまで快適に過ごせる温度に調整することが大切です。また、窓際などは外の音が気になってしまう可能性もあるので、愛犬が落ち着ける静かな場所で留守番できるようにしましょう。

ケージやサークルには、飼い主の匂いがついたものや、お気に入りのおもちゃなども用意しておくと良いでしょう。但し誤飲してしまう可能性のあるおもちゃは危険なので置いておかないようにしましょう。

自動給餌器にフードを準備しておく

犬は自分で調節してごはんを食べることができないため、長時間の留守番の時には自動給餌器を準備するのも良いでしょう。

自動給餌器は、決まった時間になると自動的に餌が出てくるだけではなく、飼い主の声を録音したり、ライブカメラでペットの様子を確認できるものや、給水ボトルを設置できるものなど様々な機能のものがあります。

ドライフードだけでなくウェットフードもセットできるタイプなど、留守番の状況や愛犬に合ったタイプの物を探してみましょう。

水を置く場所を増やしいつもより多めに用意する

夏だけでなく、乾燥しやすい冬なども水分不足には注意が必要です。留守番中は、ひっくり返してしまうことなどもあるため、2か所以上用意しておくと良いでしょう。

水分不足は健康な犬にとっても、ストレスだけでなく尿道結石などの病気の原因にもなるなど良いことがありません長時間の留守番の際には、いくつかの場所にお水を用意しておくことで、よだれなどで汚れたお水を飲みたがらない場合や、間違えて倒してしまった場合などにも対応ができます。

給水ボトルを使っているお家でも、それとは別に用意しえおくと良いでしょう。

留守番前にたっぷり散歩し遊ばせてあげる

どうしても長時間の留守番をさせる場合は、外出前にお散歩や一緒に遊んであげましょう。体を動かして疲れることで留守番中もお昼寝や静かに休んでいる時間が増えるので退屈な時間や寂しい時間も軽減されるはずです。

ただし、留守番の前に散歩や遊びをいつもしてしまうと、散歩や遊びの後と留守番が結びついてしまって不安になってしまうこともあります。出かける前だけでなく、帰宅後や日頃から運動や遊びの時間を設けるなど不安にさせないような工夫をしてあげましょう。

犬を24時間以上留守番させるための事前対策

出かけるカップルと犬

愛犬に24時間以上の留守番をないことが望ましいですが、絶対にないとは言い切れないのが現状でしょう。

急に長時間の留守番が必要になってから慌てないように、前もって準備や対策をしっかりと行いましょう。

犬の留守番・社会化トレーニングを行っておく

普段からやっておくと良いことやトレーニングは、以下の通りです。

  • 少しずつ短い時間から留守番時間を長くしてみる

最初は30分、1時間、2時間、と少しずつ留守番の時間を長くしてみましょう。

  • 飼い主と離れる時間を作る

留守にしていなくても、飼い主と離れている時間を作って、愛犬がひとりでいる時間に慣れるようにしましょう。

  • 飼い主以外の人にも慣れさせる時間を持つ

友人などに遊びに来てもらったり、お世話してもらったり散歩に行ったりなど少しずつ他の人間にも慣れてもらうようにしましょう。

  • フォーマットトレーニングを行う

アイコンタクト、お座り、待てなどができるようにトレーニングをすることによって、リラックス効果や行動の抑制効果など様々な効果があります。

基本のトレーニングを行うと、鳴いても飼い主は戻ってこないと理解するようになり、無駄吠えの軽減などにも効果があります。

  • トイレトレーニング

家の中など留守番する場所でもトイレができるようにしておくと安心です。

  • 外出前はあまりかかわらないようにする

外出前に散歩など思いっきりしてあげる必要性はありますが、出かける直前まで目を見て話しかけたり、抱きしめたり構ってしまうことで、犬は大きな不安を抱えてしまうようになります。

帰宅時も、飼い主の帰宅で喜んで興奮している状態が冷めて落ち着いてから、スキンシップをとるように心がけましょう。

  • 留守番中のいたずらを叱らない

留守番に不慣れな場合、破壊行動をしてしまったり、粗相をしてしまったりすることがあるでしょう。その時に叱ってしまうと、かまってくれたと勘違いして同じことを繰り返すようになります。

1泊2日を任せられるペットシッターを見つける

健康で家に人が来ることに慣れている犬なら、24~48時間程度の留守番であれば、ペットホテルなどに預けて環境が変わってしまうよりも、自宅までお世話に来てくれるペットシッターなどのサービスを利用する方が犬の負担は少ない可能性があります。

環境が変わるとストレスを感じてしまう犬もいるので、愛犬の性格を見てペットシッターの方が合っているなら、まずは短時間の留守番から利用して様子をみて判断してみてください。

3日以上の留守番は預け先を確保する

2泊3日やそれ以上の時間を犬だけで留守番するようなことになる場合は、ペットシッターだと不慮の事故や体調不良などがあった場合にすぐ対応することができない可能性があります。

3日以上の留守番になる場合は、可能な限り近くでお世話や様子を見たりしてくれる人がいる預け先を事前に確保しておきましょう。知人や家族に頼れる方は少しずつ慣れてもらう時間を作り、難しい場合はペットホテルやかかりつけの動物病院などを利用しましょう。

信頼できるペットホテルを選ぶポイントは、

  • 口コミを事前にチェックする
  • ホテルの様子を見学させてくれる
  • 混合ワクチンの証明書の提示を求めてくる
  • 清潔感がある
  • 店員さんの対応がしっかりしている
  • 病気や災害時などの緊急時の対応がある

などが挙げられます。動物病院に併設されているペットホテルや、預けている間に専属のドッグトレーナーがトレーニングなどをしてくれる保育園などもあるので、愛犬に合わせてどこ検討し実際に見学や相談などもしてみましょう。

どこに預けるにしても突然長時間預けるのではなく、短時間の留守番からお願いしてみるなどして様子をみながら慣れさせていくようにしましょう。

まとめ

伏せる犬と時計

基本的には長時間のお留守番を犬のみでさせることはおすすめできません。ただし、留守番をさせることが絶対にないと言いきるのは難しいのが現状ですよね。そのためには、日頃から留守番に慣れてもらうことや環境など準備が大切です。

愛犬が可愛くてついついべったりと構ってしまいがちになると思いますが、万が一長時間の留守番が必要になった場合なども考え、日頃からひとりになる時間を作るなど、愛犬と適度な距離感を保つことを意識することも大切です。

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