犬だけで24時間以上の留守番はできる?
犬だけで1日以上の留守番時間を過ごさせることは、おすすめはできません。
普段から留守番に慣れている犬で、ごはんや水、トイレなどもきちんと準備し犬もそれを理解しているようであれば多少の留守番時間を過ごすことはできるかもしれませんが長時間に及ぶ留守番は難しいと言えます。
犬のストレスや、排泄物によって室内が衛生的に保たれないこと、更には犬の誤飲事故や体調の変化があっても長時間そのままになってしまうことなどリスクが多くあるからです。
ではどの程度の時間であれば留守番が可能なのか?留守番させるときの注意点や事前準備にはどんなことがあるのか?など以下に記載していきたいと思います。
犬の留守番は最長12時間程度が限界
元来犬は群れで生活をする動物です。いつもは飼い主などと一緒にいるのに、突然長時間まわりに誰もおらず孤独な留守番時間を過ごすことになってしまったら不安を感じてしまうはずです。
いつも人と一緒に過ごしている犬が突然長時間の留守番をすることになった場合は、精神的に不安定になりパニックになって、粗相をしてしまったり破壊活動を起こしてしまったりすることもあり得ます。
上記のようなことから一般的には6~8時間程度の留守番であれば犬の性格や慣れ具合、トレーニング次第では可能と言われており、どんなに健康的な犬であっても留守番は12時間程度が限界とも言われています。
その理由としては、犬は猫と違いごはんの量を調節しながら食べることができないということと、排泄は我慢できる限界が12時間程度と言われているからです。
排泄を我慢しすぎると膀胱炎など泌尿器系の病気の要因の一つになってしまいます。何らかのきっかけでウイルスや菌が侵入した時に、長時間膀胱内にその尿をため込んでしまうことで膀胱炎に進行してしまいます。
家の中でのトイレに慣れている場合はそういった心配はあまりないかもしれませんが、外でしか排泄ができない犬の場合は特に注意が必要です。
どちらにしても留守番が必要な場合はまずは短時間からで、自宅での留守番を慣らしていくようにしてみてください。
犬によって可能な留守番時間は異なる
それぞれの犬の性格やトレーニングの状況、1頭だけではなく多頭飼いだった場合などによっても留守番の可能時間は異なってきます。
そして子犬や病気の犬、保護犬などについては体や精神的に不安定になっている状況なので長時間の留守番をさせることは特に控えましょう。
生後2ヵ月程度の子犬はまだ産まれたばかりであり、しつけなどもまだされておらず本能でしか行動ができない時期です。そして1日に4~5回ごはんをあげる必要があります。
子犬の場合は空腹時間が長くなると低血糖症になってしまう恐れがあります。
6が月未満の子犬や、病気・保護したばかりの犬などはできる限り留守番はさせない方向で、するとしても1時間以内にとどめるようにしましょう。
ペットシッターやペットホテルの活用について
家での留守番だけでなく、ペットホテルやペットシッターを活用して留守番をさせるということもあると思います。
確かにごはんやトイレ、散歩の心配などが必要なくなるので少し安心できそうですが、そういった場合も犬の性格次第では難しい場合や、慣れるまでに時間がかかり犬に対して相当なストレスがかかってこともあります。
ペットホテル、ペットシッターを活用する場合も、短時間からのお願いができるところもありますので、少しずつ見てもらう時間や預ける時間を長くするなどして徐々に慣れさせるようにしていきましょう。
犬だけで24時間以上の留守番をさせる時のポイント
犬に長時間の留守番はおすすめできないと書いてきましたが、それでもどうしても外せない理由や急用で24時間程度の留守番が必要になってしまう場合もあるかもしれません。
そういった場合に、飼い主の方が大切な飼い犬の健康や安全のためにやっておくべきことをまとめていきたいと思います。
安全を確保する
留守番中、犬にケガや事故がおきないようにするためには飼い犬が過ごすスペースには余計なものは置いておき、危険がありそうな場所へは入れないようにしておく必要があります。
犬がいたずらしやすいコンセントなどのコード類は隠したり、片付けたりしておきましょう。コンセントのコードを噛んでしまうと、感電してしまったりして非常に危険です。
可能であれば柵などを用意し、その中には余計なものはおかずに飼い犬が快適に自由に過ごせるように、ベッドや水、トイレなども準備しておくなどしましょう。
長時間散歩もできず狭いスペースに閉じ込められることはストレスになる可能性が高いので、犬の性格や留守番の慣れ具合、家のスペースなどの問題も考慮して安全面が保たれる場所を用意してあげてください。
気温など考慮し快適に過ごせる居場所を作っておく
いつも過ごしている慣れたケージや柵の中であれば、そこまでストレスなく安心できる場所になりえますがそれでも長時間となるとやはりストレスも感じてしまうはずです。
少しでもストレスが軽減されるよう、快適に過ごせる居場所を用意しておく必要があります。そのためには帰宅するまでの気温も考慮することが大事です。
犬によっても多少の差異はありますが、22~24度で湿度は50%程度が快適と感じるようです。直射日光が当たらないようにそしてエアコンの風も直接当たらないような場所で、風通しが良い場所に居場所をセッティングしてあげると良いでしょう。
冬など昼間と夜の気温差が激しいので出かける時の気温だけではなく、帰宅するまでの気温も考慮してあげるようにしてください。
窓際だと外の音が気になってストレスになってしまう可能性もあるので、犬が落ち着いて過ごせる場所で留守番ができるようにしてあげてください。
飼い主の匂いがついたタオルケットのようなものや、お気に入りのペット用のおもちゃなども用意しておくと良いでしょう。但し誤飲してしまうような可能性のあるおもちゃは危険なので置いておかないようにしましょう。
自動給餌器にフードを準備しておく
冒頭でもお伝えした通り、犬は自分で調節してごはんを食べることができません。
そういったことを考えると、長時間の留守番の時には自動給餌器を用意しておく必要があります。
自動給餌器は決まった時間になると自動的に餌が出てくるだけではなく、飼い主の声を録音しておいたりライブカメラでペットの様子を確認できるものがあったり、給水ボトルを設置できるものなど様々な機能のものがあります。
ドライフードだけでなくウェットフードもセットできるタイプのものや、サイズによってセットできるごはんの量も違うのでぜひ、ご自身の状況や飼い犬に合ったタイプの物を探してみてくださいね。
水を置く場所を増やしいつもより多めに用意する
夏だけでなく、暖房をつけていて乾燥しやすい冬なども水分不足には注意が必要です。
お水を交換したりすることが留守中だとできないので、いつもより多めに水を用意しておきましょう。
水分不足は健康な犬にとっても、飲みたい時に飲めないストレスやおしっこが濃くなって尿道結石になってしまう可能性が高まるなど良い事はありません。
いつもは1皿しか用意していない場合でも、長時間の留守番の際には飲み水を2皿以上、いくつかの場所に設置して用意しておくことをお勧めします。
飲んでお水が足りなくなる場合だけでなく、自身のよだれで汚れたお水を飲みたがらないことや、間違えて倒してしまった場合のことも考えると最低でも2皿以上は用意しておきましょう。
給水ボトルを使っているお家でも、それとは別にお皿でも用意しておくと安心です。
留守番前にたっぷり散歩し遊ばせてあげる
長時間飼い主さんと離れ寂しい思いをさせてしまうので、外出前には少しでもストレス発散をさせるべくたっぷりのお散歩や遊んで運動などをしてあげましょう。
体を動かして疲れておくと、留守番中もお昼寝や静かに休んでいる時間も増えるので退屈な時間や寂しい時間も軽減されるはずです。
但し留守番の前にいつも運動や遊ぶということが頻繁にあると、その運動や遊びが留守番と結びついてしまって不安になってしまうこともあります。
その場合には留守前だけでなく、帰ってきた後や常日頃から運動や遊びの時間を設けるなど不安にさせないような工夫をしてあげる必要があります。
犬を24時間以上留守番させるための事前対策
将来、飼い犬に24時間以上の留守番をさせなくてはいけないという状況は、ない方が良いですが、誰しも絶対にないとは言えないかと思います。
急に長時間の留守番が必要になって慌てないようにそして飼い犬にできる限りストレスをかけないようにする為に、飼い主が今から前もって準備・対策しておけることをまとめたいと思います。
犬の留守番・社会化トレーニングを行っておく
普段からやっておくと良いことやトレーニングは以下です。
- 少しずつ短い時間から留守番時間を長くしてみる
最初は30分、1時間、2時間、と少しずつ不在にする時間を長くしてみましょう。
- 飼い主と離れる時間をつくる
留守にしていなくても、飼い主と離れている時間を作ってお互いにひとりでいる時間があることに慣れるようにしましょう。
- 飼い主以外の人にも慣れさせる交流時間を持つ
飼い主以外の人に遊びに来てもらったり、お世話してもらったり、散歩に行ったりなど少しずつでもよいので他の人間にも慣れてもらうようにしましょう。
- フォーマットトレーニングを行う
アイコンタクト、お座り、待て、ができるようにトレーニングすることによって、リラックス効果や行動の抑制効果など様々な効果があります。
このトレーニングを行うと、鳴いても飼い主は戻ってこないと理解するようになり、無駄吠えの軽減などにも効果があります。
- トイレトレーニング
外だけではなく家の中など留守番する場所でもトイレができるようにしておくと安心です。
- 外出前はあまりかかわらないようにする
外出前に散歩など思いっきりしてあげる必要性はありますが、外出の直前まで目を見て話しかけたり、抱きしめたりとべったりと犬と過ごすと、今度は外出するときに大きな不安を抱えてしまうようになります。
帰宅時も、飼い主の帰宅で喜んで興奮している状態が冷めたのを見計らって、スキンシップをとるように心がけましょう。
- 留守番中のいたずらを叱らない
留守番に不慣れな場合、破壊行動をしてしまったり、粗相をしてしまったりすることがあります。その時に叱ってしまうと、かまってくれたと勘違いして同じことを繰り返すようになります。
1泊2日を任せられるペットシッターを見つける
健康な犬で、家に人が来ることに慣れているような犬の場合は、24~48時間程度の留守番であれば、ホテルなどに預けて環境が変わってしまうよりも自宅までお世話に来てくれるサービスを利用する方が犬の負担は少ない可能性が高いです。
環境が変わるとストレスを感じてしまう犬もいるので、飼い犬の性格を見てペットシッターの方が合っていそうであればまずは短時間の留守番から利用して大丈夫そうか様子をみて判断してみてください。
3日以上の留守番は預け先を確保する
1泊2日程度ではなく2泊3日やそれ以上の時間を犬だけで留守番するようなことになる場合は、ペットシッターだと不慮の事故や体調不良などがあった場合にすぐ対応することができない可能性があります。
3日以上の留守番になる場合は、可能な限り近くでお世話や様子を見たりしてくれる人がいる預け先を事前に確保しておきましょう。
知人や家族に頼れる方は少しずつ慣れてもらう時間をとってもらうようにしつつ、そういう方が近くにいない場合はペットホテル、動物病院、犬の保育園などもあります。
信頼できるペットホテルを選ぶポイントとしては、以下です。
- 口コミを事前にチェックする
- ホテルの様子を見学させてくれる
- 混合ワクチンの証明書の提示を求めてくる
- 清潔感がある
- 店員さんの対応がしっかりしている
- 病気や災害時などの緊急時の対応がある
動物病院に併設されているペットホテルや、預けている間に専属のドッグトレーナーが犬の面倒を見てくれしつけトレーニングなどをしてくれる犬の保育園などもあるので飼い犬に合わせてどこがよさそうか検討し実際に見学や相談などもしてみましょう。
どこに預けるにしても突然長時間預けるのではなく、短時間の留守番からお願いしてみるなどして様子をみながら慣れさせていくようにしましょう。
▼「犬の留守番時間の基本」を知りたい方はこちら
まとめ
今まで犬の留守番について書いてきましたが、基本的には長時間のお留守番を犬のみでさせることはしないようにしましょう。
但し留守番をさせることが絶対にない、とはいえないと思うのでその為の準備は今からきちんとしておきましょう。
飼い犬が可愛くてついついべったりと構ってしまいがちになると思いますが、万が一留守番を長時間させる可能性や、分離不安症になってしまう可能性のことも考えてもかわいがるときは目いっぱいかわいがって、そして適度な距離感を保つことを意識することも必要そうですね。