みなさんのワンちゃんはお留守番の間はどこにいますか?「ハウスに閉じ込めておくのはかわいそう」ということで、お留守番中もお部屋で自由にしている場合は、ちょっと注意が必要です。
というのも、動物病院には、留守番中に起きた事故で来院されるワンちゃんも結構いるのです。
そこで今回は、留守中の事故で多く見られるケースをご紹介し、さらに事故を防ぐ方法についてご提案させていただきます。
落下事故
「仕事から帰ってきたら、ワンちゃんが片足をあげたまま、地面に着かなくなっていたんです」
こう言って来院されるケースが多いのですが、そのほとんどが「骨折」してしまっているのです。
おそらく留守中にソファやいすに昇って、そこから飛び降りた際に骨折したのでしょう。あるいは骨が弱いワンちゃんの場合、フローリングを全力で走り回り、その際に変な転び方をしてしまうと、それだけで骨折してしまうこともあります。
特にポメラニアンやトイプードルさんといった、骨が細いワンちゃんの場合、いくら体は小さくても、それ以上に骨が細いため思った以上に腕の骨には負担がかかりますので、注意が必要です。
誤飲
「テーブルの上においてあった食べ物が床に散らかってたんです。おかずを包んでいたビニールが見つからないんです。」
ワンちゃんは、人間の想像以上のことをします。普段はおとなしいワンちゃんでも、留守中にはテーブルに飛び乗ったり、美味しいものがある場所を知っていたら、何とかそこからゲットしようと必死になっていたります。
まだドッグフードやワンちゃん用のおやつを盗み食いしただけならいいのですが、中にはチョコレート菓子やネギ類を含んだ人間のおかずなどを盗み食いするケースもあります。
さらには食材を詰めていた袋や縛っていたヒモなどの異物を食べてしまうこともありますので、基本的にお出かけする際には食材は厳重に管理してください。
なんとなく元気がない
「仕事から帰ってきたら、いつもは飛びついてくるのに、今日はじっとして動かないんです」
実はこういったことで来院されるケースもかなりあります。
しかし、お部屋の中にフリーでいたので、いろんな原因が考えられますし、ましてやワンちゃん本人から教えてもらうわけにもいかず、動物病院でも原因を調べるのに一苦労するケースです。
やはり上記のような誤飲など、飼い主様が盗み食いに気付かない場合もありますし、あるいは留守番中に走り回って椎間板ヘルニアの軽度な状態になっているかもしれませんし、あるいは問題なかったり。。。
原因はさまざまなので、やはりお留守番後にちょっとでも体調がおかしければ注意は必要です。
ハウス環境の整備とハウストレーニングを
上記のような事故を防ぐために、ぜひみなさんに取組んでいただきたいのが、ワンちゃんのハウス環境の整備とハウストレーニングです。
お留守番の間、ハウスにいれば盗み食いや落下事故はまず起こりませんし、留守番後になにか異常があっても、環境的な要因を絞り込むことができますので、より的確な診断につながります。
よく「ハウスでのお留守番はかわいそう」とおっしゃる方もいますが、実は留守番中、ワンちゃんは不安でいっぱいの状態で過ごします。
ですので、お家の中をあちこちパトロールしたりして、その中でいろんな盗み食いや落下事故などが起こっているのです。
ワンちゃんは本来、穴蔵のような狭い空間で落ち着いて休めるという性質があります。ですので、ハウスの中にはトイレやお水、食事の他にぜひ”屋根付きのベッド”を備えてください。
もちろん、ただ屋根付きベッドをおいても、なかなかそこで休んでくれません。やはりそれに慣れていくのにトレーニングは必要です。
ですが屋根付きベッドで休めるようになると、そこがワンちゃんにとっての一番の「安全地帯」になりますので、お留守番中も安心して休むことができます。
最後に
「ハウスはかわいそう」というのは人間の勝手な思い込み。
ぜひワンちゃんの本来の性質を大切にしてあげて、その上でお留守番トレーニングに取組んでいただければと思います。