【獣医師監修】ペキニーズは抜け毛が多い?換毛期や抜け毛対策・お手入れ方法を解説

【獣医師監修】ペキニーズは抜け毛が多い?換毛期や抜け毛対策・お手入れ方法を解説

ペキニーズは日常的に抜け毛があり、特に換毛期には普段より毛が増えやすくなります。ダブルコートとの関係や抜け毛が増える時期、ブラッシング・シャンプー・カットなどのお手入れ方法を解説。通常の換毛と注意したい脱毛の違いや、動物病院へ相談したいサインについても紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ペキニーズは日常的に抜け毛がある犬種

床の上のブラシと抜け毛の塊を見つめるペキニーズ

ペキニーズは、年間を通してある程度の抜け毛が見られる犬種です。換毛期以外でも毛は少しずつ生え変わるため、床や衣類、家具などに抜けた毛が付くことがあります。

ただし、犬種ごとの抜け毛量を同じ条件で比較し、「ペキニーズは特に抜け毛が多い」と順位付けできる公的な基準があるわけではありません。

実際の抜け毛の量には個体差があり、年齢や健康状態、生活環境などによっても変わります。そのため、すべてのペキニーズで同じ量の毛が抜けるとは限りません。

ペキニーズを迎える際は、まったく毛が抜けない犬種ではなく、日常的に抜け毛が見られることを知っておくとよいでしょう。

ペキニーズのダブルコートと抜け毛の関係

地面に伏せているペキニーズ

ペキニーズは、性質の異なる2層の被毛を持つダブルコートの犬種です。外側には比較的長く粗い上毛(オーバーコート)があり、その内側には厚く柔らかな下毛(アンダーコート)が生えています。

上毛は皮膚を外部の刺激から守る役割を持ち、下毛は体温を保つために役立つ被毛です。特に下毛は生え変わりに伴って抜けるため、ペキニーズの抜け毛を理解するうえで重要な部分になります。

また、ペキニーズは耳や尾、脚などに長い飾り毛があります。抜けた下毛がこうした長い被毛の内側に残ることもあり、実際に抜けている毛の量以上に被毛が密に見える場合もあります。

ただし、ダブルコートであることだけを理由に、ほかの犬種より必ず抜け毛が多いとはいえません。抜け毛の量には個体差がありますが、ペキニーズでは上毛と下毛の両方を持つ被毛構造を理解しておくことが、抜け毛の特徴を把握するうえで役立ちます。

ペキニーズの換毛期と抜け毛が増えやすい時期

野花が咲く原っぱに座っているペキニーズ

ペキニーズは季節の変化に伴って被毛が生え変わり、普段より抜け毛が増える時期があります。このように被毛がまとまって生え変わる時期を「換毛期」と呼びます。

一般的には、冬の被毛から暖かい時期の被毛へ移り変わる春と、寒い季節に向けて被毛が変わる秋に、抜け毛が増えやすい傾向があります。

特にダブルコートの内側にある下毛(アンダーコート)は、季節に応じて生え変わるため、換毛期には普段よりまとまって抜けることがあります。

ただし、ペキニーズの換毛が必ず年2回だけ起こるわけではなく、毎年決まった月に同じ量の毛が抜けるとも限りません。換毛の時期や抜け毛の量には個体差があるため、春・秋はひとつの目安として考えるとよいでしょう。

ペキニーズの抜け毛対策と被毛のお手入れ

頭に泡をのせてタオルに包まれているペキニーズ

ペキニーズの抜け毛対策では、毛の生え変わりを止めるのではなく、抜けた毛をこまめに取り除き、被毛を清潔に保つことが基本です。

長く密な被毛の中に抜け毛が残ると、周囲の毛と絡んでもつれや毛玉につながることがあります。ブラッシングを中心に、必要に応じてシャンプーやトリミングを取り入れながら管理しましょう。

ブラッシングで抜け毛を取り除く

ペキニーズのブラッシングは、週に数回程度をひとつの目安に行います。毛の抜け方やもつれ具合によって必要な頻度は変わるため、被毛の状態を確認しながら調整しましょう。

ブラッシングには、抜けた毛を取り除くだけでなく、長い被毛のもつれや毛玉を防ぐ役割もあります。耳の後ろや脇、脚まわりなど、毛が擦れたり絡んだりしやすい部分も丁寧に確認します。

毛がもつれている場合は、無理に引っ張らず、少しずつやさしくほぐすことが大切です。広範囲に毛玉ができているなど、自宅で安全に処理するのが難しい場合は、トリマーに相談しましょう。

シャンプーとドライで被毛を清潔に保つ

シャンプーは、被毛や皮膚の汚れを落とすとともに、浮いている抜け毛を取り除きやすくするお手入れのひとつです。

頻度は一律に決めるのではなく、汚れやにおい、皮膚や被毛の状態に応じて調整します。必要以上に頻繁に洗うと皮膚の乾燥や刺激につながることがあるため、状態に合わせて行いましょう。

ペキニーズは被毛が長く密なため、洗った後は表面だけでなく、被毛の内側まで十分に乾かすことも大切です。湿った状態が残らないよう、毛をかき分けながら確認します。

皮膚の治療などで薬用シャンプーを使用している場合は、使用する製品や頻度について獣医師の指示に従ってください。

カットをしても抜け毛はなくならない

ペキニーズの被毛を短くカットしても、毛の生え変わりそのものが止まるわけではありません。そのため、カット後も抜け毛は見られ、ブラッシングなどのお手入れは必要です。

毛を短くすると日常のお手入れがしやすくなる場合はありますが、抜け毛をなくす方法とは異なります。カットをする場合も、被毛や皮膚の状態に合わせて長さを決めることが大切です。

また、抜け毛対策だけを目的に、ダブルコートを皮膚が見えるほど極端に短く剃ることは避けたほうがよいでしょう。

治療上の処置や、自宅で安全にほぐせない重度の毛玉などを除き、大幅に短くする場合はトリマーなどに相談すると安心です。

抜け毛が急に増えたときに確認したいこと

獣医師に触診されているペキニーズ

ペキニーズは換毛によって一時的に抜け毛が増えることがありますが、普段とは明らかに違う抜け方をしている場合は、被毛だけでなく皮膚の状態も確認しましょう。

たとえば、地肌がはっきり見えるほど毛が薄くなっている、特定の場所だけ毛が抜けている、薄毛の範囲が徐々に広がっているといった変化は、通常の換毛だけでは説明できないことがあります。

また、抜け毛とともに赤み、かゆみ、フケ、かさぶた、皮膚のべたつきなどが見られる場合にも注意が必要です。犬の脱毛には皮膚の炎症や感染症、寄生虫、ホルモンの異常など、さまざまな原因が関係することがあります。

見た目だけで原因を判断するのは難しいため、「換毛期だから」と決めつけないことが大切です。抜け毛の増加が続く場合や、部分的な脱毛、皮膚の異常が見られる場合は、獣医師に相談しましょう。

まとめ

ブラッシング中のペキニーズ

ペキニーズと暮らすうえでは、抜け毛を完全になくそうとするのではなく、日頃から被毛の状態を確認しながら付き合っていくことが大切です。

こまめなお手入れを続けることで、抜けた毛を取り除きやすくなるだけでなく、もつれや毛玉などの被毛トラブルにも気づきやすくなります。愛犬の毛量や抜け方に合わせて、無理のない範囲で続けていきましょう。

また、普段の抜け毛の状態を把握しておくことは、いつもと違う変化に気づくためにも役立ちます。毛が急に薄くなる、部分的に抜ける、皮膚に異常が見られるなどの変化がある場合は、早めに獣医師へ相談してください。

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