ペキニーズの平均寿命は13歳前後が目安
ペキニーズの平均寿命は、13歳前後がひとつの目安です。
アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025」では、2023年度のペキニーズの平均寿命は13.2歳でした。この数値は、各年齢の契約頭数と死亡解約の届け出をもとに生命表を作成し、0歳時点の平均余命として算出されたものです。
また、英国で約58万頭の犬を対象に行われた大規模研究では、ペキニーズの寿命中央値は13.3歳でした。中央値とは、寿命の短い順に並べたときに中央に位置する値です。
国内外で算出方法は異なりますが、いずれも13歳台という結果が示されています。ただし、13歳になれば寿命を迎えるという意味ではありません。実際に生きる年数には個体差があり、健康状態や持病などによっても異なります。
ペキニーズの寿命を犬全体と比較
ペキニーズが特に短命な犬種なのかは、調査する地域や対象となった犬によって結果が異なるため、一概にはいえません。
「家庭どうぶつ白書2025」では、2023年度のペキニーズの平均寿命は13.2歳、犬全体では14.1歳でした。この国内のペット保険契約データでは、ペキニーズのほうが0.9歳短い結果となっています。
一方、英国の大規模研究では、ペキニーズの寿命中央値は13.3歳、全犬では12.5歳でした。こちらでは、ペキニーズのほうが0.8歳長い結果です。
このように、国内と英国では犬全体と比較した位置づけが異なります。また、国内データは平均寿命、英国研究は中央値を用いているため、数値をそのまま同じ基準として比較することはできません。
ペキニーズを「短命な犬種」「長寿な犬種」と一律に分類するよりも、平均寿命は13歳前後をひとつの目安として考えるとよいでしょう。
ペキニーズの最高齢・長寿記録
ペキニーズが何歳まで生きる可能性があるのかについては、平均寿命を大きく超えた長寿例も報告されています。
英国のケネルクラブと英国小動物獣医師会(BSAVA)が実施した犬種別健康調査では、死亡したペキニーズ87頭について報告があり、そのなかで最も高齢だった犬は18歳2か月でした。
ただし、18歳2か月はペキニーズの世界最高齢として公式に認定された記録ではありません。あくまで、この調査で報告されたペキニーズのなかで確認された最高年齢です。
そのため、「ペキニーズの最高寿命は18歳2か月」と決まっているわけではありませんが、平均寿命を超えて長く暮らしたペキニーズの一例として参考にできます。
愛犬の将来を考えるときは、最高齢だけを目標にするのではなく、13歳前後という平均寿命を参考にしながら、年齢や健康状態に合わせた生活を続けていくことが大切です。
ペキニーズの年齢を人間年齢に換算した目安
ペキニーズの年齢を人間年齢に置き換える場合、小型犬に用いられる換算方法の一例では、1歳で約15歳、2歳で約24歳と考えます。その後は、犬の1年につき人間のおよそ4年分を加えていくのがひとつの目安です。
この方法で換算すると、ペキニーズの年齢と人間年齢のおおよその対応は次のようになります。
| ペキニーズの年齢 | 人間年齢の目安 |
|---|---|
| 1歳 | 約15歳 |
| 2歳 | 約24歳 |
| 3歳 | 約28歳 |
| 4歳 | 約32歳 |
| 5歳 | 約36歳 |
| 6歳 | 約40歳 |
| 7歳 | 約44歳 |
| 8歳 | 約48歳 |
| 9歳 | 約52歳 |
| 10歳 | 約56歳 |
| 11歳 | 約60歳 |
| 12歳 | 約64歳 |
| 13歳 | 約68歳 |
| 14歳 | 約72歳 |
| 15歳 | 約76歳 |
ただし、これはペキニーズ専用として定められた換算式ではありません。犬の成長や加齢の速度を人間の年齢に置き換えてイメージしやすくするための目安であり、換算方法によって数値が異なる場合もあります。
そのため、人間年齢は「今の愛犬が人にたとえるとどのくらいの年代なのか」を考える際の参考として活用するとよいでしょう。
ペキニーズは10歳前後からシニア期を意識するのが目安
ペキニーズは、10歳前後からシニア期を意識するのがひとつの目安です。ただし、10歳になったら一律にシニア犬になるという明確な区切りがあるわけではありません。
犬では、推定される寿命の最後のおよそ25%をシニア期と考える方法があります。平均寿命が13歳前後のペキニーズに当てはめると、10歳前後がひとつの目安になります。
加齢の進み方には個体差があるため、同じ10歳でも活動量や体力、生活の様子は犬によって異なります。年齢だけで判断するのではなく、普段の様子の変化にも目を向けることが大切です。
年齢を重ねると、以前より長く休むようになったり、動きがゆっくりになったりすることがあります。こうした変化は少しずつ現れることもあるため、日頃から愛犬の状態を把握しておくと変化に気づきやすくなります。
10歳前後を迎えたら「高齢だから」と決めつけるのではなく、愛犬の体力や生活の変化を意識しながら、その時々の状態に合った過ごし方を考えていきましょう。
ペキニーズで注意したい病気
ペキニーズでは、体の特徴や犬種別のデータから、特に注意しておきたい病気があります。代表的なのが、短頭種気道症候群(BOAS)、潰瘍性角膜炎や乾性角結膜炎などの眼疾患、椎間板ヘルニアです。
これらの病気がすべてのペキニーズに起こるわけではありませんが、起こりやすい症状を知っておくことで、普段との違いに気づきやすくなります。
短頭種気道症候群(BOAS)
短頭種気道症候群(BOAS)は、鼻や喉などの空気の通り道が狭くなることで、呼吸に負担がかかる状態の総称です。鼻先が短いペキニーズでは、注意したい健康問題のひとつです。
英国で2026年に公表された複数の短頭犬種を対象とした研究でも、ペキニーズはBOASのリスクが高い犬種群に位置づけられています。
BOASでは、いびきや鼻を鳴らすような呼吸、運動したときの激しい呼吸、息苦しそうな様子などがみられることがあります。ただし、呼吸音だけでBOASかどうかを判断することはできません。
少し動いただけでも呼吸が苦しそうになる、口を開けた激しい呼吸がなかなか治まらないといった変化がある場合は、獣医師に相談しましょう。
歯ぐきや舌が青紫色になる、強い呼吸困難がみられる、倒れるといった状態は緊急性があります。短頭犬種だから呼吸音が大きくても当然と考えず、普段との違いを確認することが大切です。
潰瘍性角膜炎・乾性角結膜炎などの眼疾患
ペキニーズは、目のトラブルにも注意が必要です。国内のペット保険データでは、乾性角結膜炎や潰瘍性角膜炎について、犬全体より高い請求割合とオッズ比が示されています。
「家庭どうぶつ白書2025」の0〜12歳のペキニーズ5,536頭を対象とした集計では、乾性角結膜炎の請求割合は3.1%で、犬全体の0.4%に対するオッズ比は7.89でした。
潰瘍性角膜炎(角膜びらん含む)では、ペキニーズの請求割合は4.3%、犬全体は1.0%で、オッズ比は4.72でした。これらはペット保険契約集団における請求データであり、一般のペキニーズにおける発症率を示すものではありません。
乾性角結膜炎は、涙の量や質の異常によって目の表面が乾燥しやすくなる病気です。目の充血や粘り気のある目やに、目を細めるなどの変化がみられることがあります。
潰瘍性角膜炎では、目の表面にある角膜に傷や潰瘍が生じます。涙が増える、片目を開けにくそうにする、目を痛がる、前足で目をこすろうとするといった様子がみられることがあります。
目の異常は見た目だけでは原因や重症度を判断しにくいため、急に目を開けにくくなった場合や、痛そうな様子が続く場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板の一部が突出するなどして、脊髄や神経を圧迫する病気です。ペキニーズでは、この病気についても犬全体より高い請求割合が報告されています。
「家庭どうぶつ白書2025」の同じ集計では、椎間板ヘルニアの請求割合はペキニーズ6.9%、犬全体1.4%で、オッズ比は5.47でした。こちらも発症率ではなく、ペット保険契約集団における請求データです。
椎間板ヘルニアでは、背中や首を痛がる、動きたがらない、歩き方がふらつく、足に力が入りにくそうになるといった変化がみられることがあります。
症状の程度はさまざまですが、突然立てなくなった、足を動かせなくなったなど、急激な神経症状がみられる場合は早急な受診が必要です。
歩き方や動き方の変化には、椎間板ヘルニア以外の原因が隠れていることもあります。いつもと違う様子が続く場合は、自己判断せず獣医師に相談しましょう。
ペキニーズが長く健康に暮らすためのポイント
ペキニーズが長く健康に暮らすためには、毎日の食事や運動、健康状態をその犬に合わせて管理することが大切です。
特別な方法だけに頼るのではなく、適切な体型を保つこと、暑さに配慮しながら体を動かすこと、普段の様子を継続して確認することを日々の習慣にしましょう。
食事と体重を適切に管理する
食事は、年齢や体格、活動量、健康状態に合った内容と量を基本にします。必要なエネルギー量には個体差があるため、決められた量を与えるだけでなく、体重や体型の変化も確認しましょう。
体型の確認には、肋骨の触れやすさや腰のくびれなどから脂肪のつき方を評価する「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」が役立ちます。
体重だけでは適正な体型か判断しにくいこともあるため、定期的に体重を測りながら、見た目や触ったときの体型も合わせて確認するとよいでしょう。
また、体重が増え続けている場合だけでなく、理由がはっきりしないまま体重や筋肉が減ってきた場合にも注意が必要です。変化が続くときは、食事量を大きく変える前に獣医師へ相談しましょう。
暑さに配慮しながら適度に運動する
ペキニーズは短頭犬種であるため、暑い時期の運動には特に配慮が必要です。気温だけでなく、湿度や日差し、その日の体調や呼吸の様子も確認しながら散歩の時間や運動量を調整しましょう。
暑い日は比較的涼しい時間帯を選び、激しく息をしているときや疲れている様子があるときは、無理に運動を続けないことが大切です。
一方で、運動を極端に控えるのではなく、体調に合わせて無理のない範囲で体を動かすことも健康管理の一つです。年齢や体力によって適した運動量は変わるため、愛犬の様子を見ながら調整しましょう。
日常の健康チェックと定期健診を続ける
毎日の様子を把握しておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。食欲や体重、呼吸の様子、目の状態、歩き方、排泄など、普段の状態を確認しておきましょう。
「いつもより食べる量が少ない」「呼吸の仕方が変わった」「動き方がいつもと違う」など、普段との差を意識することが大切です。
あわせて、定期的に動物病院で健康状態を確認しましょう。必要な診察や検査の内容、受診する間隔は、年齢やこれまでの病歴、現在の健康状態によって異なります。
気になる変化がある場合は、次の健診まで待たずに獣医師へ相談し、愛犬の状態に合った健康管理につなげていきましょう。
まとめ
ペキニーズの寿命には個体差があり、同じ年齢でも体力や健康状態はそれぞれ異なります。平均寿命や人間年齢への換算は、愛犬のライフステージを考えるための目安として活用するとよいでしょう。
年齢を重ねるにつれて、食欲や活動量、呼吸の様子、目の状態、歩き方などに変化が現れることがあります。日頃から普段の状態を知っておくことで、小さな異変にも気づきやすくなります。
また、食事や体重、運動量は、その時々の年齢や体調に合わせて調整することが大切です。気になる変化が続く場合は自己判断で様子を見続けず、必要に応じて動物病院へ相談しましょう。
寿命の数字だけにとらわれるのではなく、愛犬が年齢を重ねても快適に過ごせるよう、日々の状態に合わせた健康管理を続けていくことが大切です。



