ヨークシャー・テリアとは
- 犬種名:ヨークシャー・テリア(Yorkshire Terrier)
- 愛称:ヨーキー
- 原産国:イギリス
- 大きさ:小型犬
- 体高:17.8~20.3cm程度
- 体重:3.2kgまで
- 被毛:長毛、シングルコート
- 毛色:ダーク・スチール・ブルー&タン
- 性格:勇敢、活発、好奇心旺盛、愛情深い、独立心がある
- 寿命:13~16歳程度
ヨークシャー・テリアは、イギリスを原産国とする小型の愛玩犬です。ジャパンケネルクラブでは第3グループの「テリア」に分類されています。
英語では「Yorkshire Terrier」と表記され、日本では「ヨーキー」という愛称でも広く親しまれています。「ヨーキー」は別の犬種や種類を指す名称ではなく、ヨークシャー・テリアを短く呼んだものです。
現在は家庭犬として世界各地で飼育されていますが、もともとはイギリスでネズミなどの小害獣を捕らえるために活躍していたテリアの一種です。
その後、家庭犬やショードッグとしても親しまれるようになり、現在のヨークシャー・テリアへと発展しました。
小さな体と華やかな姿から愛玩犬としての印象が強い一方、ルーツにはテリアとして働いてきた背景があります。
外見や暮らし方だけでなく、こうした犬種本来の成り立ちを知っておくことも、ヨークシャー・テリアを理解するうえで大切です。
ヨークシャー・テリアの性格
ヨークシャー・テリアは、勇敢で活発、好奇心旺盛な性格の犬種です。小さな体ながら物おじしにくく、周囲の変化にも敏感に反応する傾向があります。
飼い主や家族には深い愛情を示し、そばで過ごすことを好む個体も多く見られます。一方で、テリアらしい独立心や負けん気を見せることもあり、自分の意思をはっきり示す場面もあります。
見慣れない人や物音に警戒して吠えることもありますが、性格には大きな個体差があります。生まれ持った気質だけでなく、育った環境や子犬期の経験などによっても行動の傾向は変わります。
甘えん坊な一面を持つ個体もいるため、家族とのコミュニケーションを楽しみながら暮らせる犬種です。子どもやほかの動物と暮らす場合は、それぞれの性格や相性を見ながら無理のない距離感を保つことが大切です。
ヨークシャー・テリアの特徴
ヨークシャー・テリアは、コンパクトでバランスの取れた体つきと、小さなV字形の立ち耳を持つ犬種です。頭部から胴体にかけて長い被毛がまっすぐ垂れ、左右に分かれる優雅な姿が印象的です。
華奢に見えますが、全体は引き締まっており、姿勢には活き活きとした印象があります。体の小ささだけでなく、成長に伴って被毛の色合いが変化していく点も、ヨークシャー・テリアならではの特徴です。
ヨークシャー・テリアの大きさ
ヨークシャー・テリアは小型の犬種で、成犬の体重は3.2kgまでとされています。体高について明確な数値は定められていませんが、一般的には17.8~20.3cm程度がひとつの目安です。
非常にコンパクトな体格ですが、個体によっては3.2kgを超えて成長することもあります。
犬種としての基準を超えたからといって直ちに肥満とは限らず、実際に適正な体重かどうかは骨格や体つき、脂肪のつき方なども含めて判断する必要があります。
「極小ヨーキー」や「ティーカップヨーキー」といった呼び方を見かけることもありますが、正式なサイズ区分ではありません。成長後の大きさには個体差があるため、こうした呼び名だけで将来の体格を判断することはできません。
また、極端に小さい子犬では低血糖などに注意が必要になる場合があります。迎える際は体の小ささだけを重視せず、成長状態や健康状態も確認することが大切です。
ヨークシャー・テリアの被毛タイプ
ヨークシャー・テリアの被毛は、細く滑らかで、絹糸のような光沢を持つのが特徴です。ウェーブの強い毛ではなく、体の両側へまっすぐ垂れるように伸びていきます。
長く伸ばすと床に届くほどになる長毛種ですが、家庭犬では生活しやすい長さにカットしていることも多くあります。そのため、見た目が短毛であっても、本来の被毛が短い犬種というわけではありません。
一般的にアンダーコートを持たない被毛で、換毛期に大量の下毛が抜ける犬種ではありません。ただし、まったく毛が抜けないわけではなく、細い毛は絡まりやすいため、毛玉やもつれが生じやすい点には注意が必要です。
ヨークシャー・テリアの毛色の種類
ヨークシャー・テリアの基本的な毛色は、背中を中心としたダーク・スチール・ブルーと、頭部や胸、脚などに見られる鮮やかなタンの組み合わせです。
ダーク・スチール・ブルーは、明るいシルバー・ブルーとは異なる深い青みを帯びた色合いを指します。
子犬の時期はブラック&タンを基調とした暗い毛色で生まれることが多く、成長するにつれて背中の黒い被毛がスチール・ブルーへ、頭部や脚のタンはより鮮やかな色合いへと変化していきます。
毛色が変わる時期や色の濃さには個体差があり、成犬になるまで徐々に変化していくこともあります。
ただし、犬種本来の毛色としてはダーク・スチール・ブルーとタンが基本で、ブラックやシルバー・ブルーなどを単なる色の濃淡として同じ扱いにするものではありません。
また、広範囲に白が入る毛色は本来の毛色とは異なります。毛色だけで性格や健康状態が決まるわけではないため、見た目の珍しさだけで判断しないことも大切です。
ヨークシャー・テリアの歴史
ヨークシャー・テリアが姿を現したのは、19世紀半ばの1850年代頃とされています。イギリス北部のヨークシャー地方周辺で生まれ、現在の犬種へと発展していきました。
作出には古いブラック・アンド・タン・テリアを基礎として、マルチーズやスカイ・テリアなど複数の犬種が関わったとされています。交配を重ねながら、現在につながるヨークシャー・テリアの姿が形作られていきました。
当初から現在と同じ犬種名で呼ばれていたわけではなく、「ヨークシャー・テリア」という名称が正式に認められたのは1870年です。誕生した地域にちなんだ名称が定着し、ひとつの犬種として確立されていきました。
その後はイギリス国内だけでなく各国へ広まり、ヨークシャー・テリアという犬種が広く知られるようになりました。19世紀に誕生してから現在まで長く親しまれ続けている犬種のひとつです。
ヨークシャー・テリアの価格相場
ヨークシャー・テリアの子犬を迎える場合、販売価格は20万円から40万円前後をひとつの目安として考えるとよいでしょう。
実際の価格は幅があり、血統、月齢、性別、体格、販売地域などによって変わります。直近の大手ブリーダー仲介サイトでは、成約時の平均価格が約23万円となっています。
相場より高い、または安いからといって、それだけで子犬の良し悪しを判断することはできません。
価格だけを見るのではなく、健康状態や育った環境、親犬の情報、販売者から受けられる説明やサポートなどもあわせて確認することが大切です。
また、迎える際には子犬そのものの費用だけでなく、ケージやトイレ用品、食器などの飼育用品、健康診断やワクチンなどにかかる初期費用も必要になります。
予算を考える際は、購入時に必要な費用と、迎えた後に継続してかかる費用を分けて考えておきましょう。
ヨークシャー・テリアのブリーダーを探す方法
ヨークシャー・テリアのブリーダーを探す場合は、まず犬種名と地域を指定して検索できるブリーダー紹介サイトなどを利用すると探しやすくなります。
複数のブリーダーを比較し、ヨークシャー・テリアの繁殖経験や飼育環境、子犬や親犬についてどの程度詳しく説明しているかを確認しましょう。
気になるブリーダーが見つかったら、子犬だけでなく、可能であれば親犬の健康状態や性格、飼育されている環境も確認します。
膝蓋骨や眼などに関する健康検査・評価の有無、これまでのワクチン接種や健康管理について質問しておくと安心です。
実際に見学する際は、犬たちが清潔な環境で生活しているか、子犬の体調や様子について丁寧な説明があるかも確認しましょう。
質問に十分答えない、健康状態について説明しない、見学や検討の時間を与えず契約を急がせるといった場合は、慎重に判断する必要があります。
「必ず極小サイズになる」「成犬になっても絶対に1kg台」といった、成長後の体格を断定する説明にも注意が必要です。子犬の将来の大きさには個体差があるため、体の小ささだけではなく、健康状態や育成方針を重視して選びましょう。
ヨークシャー・テリアの飼い方
ヨークシャー・テリアと暮らす際は、小さな体に負担をかけにくい室内環境を整えることが大切です。
フローリングなどの滑りやすい床にはマットやラグを敷き、高いソファやベッドからの飛び降り、階段からの転落などにも注意しましょう。
体が小さいため、足元に入り込んだ際の踏みつけや、床に落ちた小物の誤飲にも注意が必要です。特に子犬のうちは生活範囲を確認し、危険なものを届かない場所へ片付けておきましょう。
食事は年齢や体重、活動量に合った総合栄養食を基本とします。特に幼い子犬では長時間の空腹を避け、月齢や体格に応じて食事を複数回に分けるなどの配慮も必要です。
ヨークシャー・テリアの運動量
ヨークシャー・テリアは小型犬ですが、心身の健康を保つためには毎日の運動が必要です。
散歩は1日1~2回、1回15~30分程度をひとつの目安とし、年齢や体力、気温、体調に合わせて調整しましょう。短めの散歩を1日2回行うことは、適度な運動と気分転換につながります。
散歩だけでなく、室内でのおもちゃ遊びや、匂いを探す遊びなどを取り入れるのもおすすめです。体を動かすだけでなく、頭を使う遊びも組み合わせることで、日々の刺激を増やせます。
ただし、体が小さいため無理に長距離を歩かせたり、高い場所から何度もジャンプさせたりする必要はありません。愛犬の歩き方や疲れ具合を見ながら、その日の運動量を調整してください。
ヨークシャー・テリアのしつけ方
ヨークシャー・テリアのしつけは、子犬の頃から家族のルールを統一し、できた行動を褒めながら覚えさせていくことが基本です。トイレ、呼び戻し、待て、噛んではいけないものなど、日常生活で必要なことから少しずつ教えていきましょう。
人やほかの犬、生活音、車の音、動物病院など、さまざまな刺激にも無理のない範囲で慣れさせていきます。経験を重ねることで、初めての状況に対する過度な恐怖や警戒につながりにくくなります。
吠えたときに毎回要求をかなえたり、家族によって対応を変えたりすると、望ましくない行動が定着することがあります。大声で叱るのではなく、家族で対応をそろえ、落ち着いて行動できたときに褒めることを意識しましょう。
留守番も最初から長時間行わせるのではなく、短い時間から少しずつ慣れさせます。ひとりで落ち着いて過ごせる環境を用意し、愛犬の様子を見ながら徐々に時間を延ばしていくことが大切です。
ヨークシャー・テリアのケア方法
ヨークシャー・テリアの長く細い被毛は絡まりやすいため、長く伸ばしている場合は毎日のブラッシングが基本です。
短くカットしている場合でも、定期的に毛のもつれや皮膚の状態を確認しましょう。長い被毛では毎日のブラッシングが推奨されています。
特に耳の後ろ、脇の下、内股などは毛が絡まりやすい場所です。毛玉を無理に引っ張らず、毛先から少しずつほぐすように手入れしてください。口まわりの汚れや目やに、涙の量、目元の赤み、耳の汚れなども日常的に確認しておきましょう。
家庭で短いスタイルを維持する場合は、毛の伸び方や希望する長さに応じて定期的なトリミングを行います。
カットを必要とする場合は、6~8週間程度がひとつの目安とされていますが、被毛の長さや生活スタイルによって適切な間隔は変わります。
また、小型犬は口の中が狭く歯垢がたまりやすいため、被毛だけでなく口腔ケアも習慣にすることが大切です。子犬の頃から口元に触れられることに慣らし、できるだけ日常的に歯磨きを行えるようにしておきましょう。
ヨークシャー・テリアの寿命と病気
ヨークシャー・テリアの寿命は、13~16歳程度がひとつの目安です。比較的長寿な犬種ですが、年齢を重ねるにつれて歯や関節、気管などにトラブルがみられることがあります。
健康を維持するためには、体重の変化や歩き方、咳、食欲、排泄の様子などを日頃から確認し、気になる変化があれば早めに動物病院へ相談することが大切です。定期的な健康診断も、病気の早期発見につながります。
ヨークシャー・テリアのかかりやすい病気
ヨークシャー・テリアでは、膝蓋骨脱臼やレッグ・カルベ・ペルテス病、気管虚脱、門脈体循環シャント、歯周病などに注意が必要です。犬種として注意したい病気であっても、すべての個体が発症するわけではありません。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿にあたる膝蓋骨が本来の位置から外れる関節疾患です。
小型犬で多く、ヨークシャー・テリアでも注意が必要です。スキップするように歩く、後ろ足を上げるなどの様子がみられた場合は受診しましょう。
発症を確実に防ぐ方法はありませんが、滑りにくい床にする、高い場所からの飛び降りを避ける、適正体重を保つことは膝への負担を減らすうえで役立ちます。
レッグ・カルベ・ペルテス病
レッグ・カルベ・ペルテス病は、大腿骨頭への血流が障害され、骨組織が壊死する病気です。
若齢の小型犬でみられ、後ろ足をかばう、歩きたがらない、触られるのを嫌がるなどの症状が現れることがあります。早期に受診し、痛みの管理や、状態に応じた外科治療を検討します。
気管虚脱
気管虚脱は、空気の通り道である気管がつぶれて狭くなり、呼吸に支障をきたす病気です。「ガーガー」と聞こえる咳や呼吸のしづらさがみられることがあります。
首への圧迫や肥満、暑さなどで症状が悪化することがあるため、生活環境にも配慮しましょう。呼吸困難や舌が青紫色になるチアノーゼがみられた場合は、速やかな受診が必要です。
門脈体循環シャント
門脈体循環シャントは、本来肝臓へ流れるはずの血液が異常な血管を通り、肝臓を十分に経由せず全身へ流れてしまう病気です。
ヨークシャー・テリアでは先天性の肝外シャントに注意が必要で、発育不良、食後のふらつき、嘔吐、よだれ、けいれんなどがみられることがあります。
血液検査で異常が疑われた場合は、画像検査などを組み合わせて診断し、内科管理や手術が検討されます。
歯周病
歯周病は、歯垢や歯石の蓄積によって歯ぐきなどの歯を支える組織に炎症が起こる病気です。口臭、歯ぐきの赤みや出血、食べにくそうな様子などがみられます。進行すると歯を失うこともあるため、日頃の歯磨きと定期的な口腔チェックが予防の基本です。
低血糖症
低血糖症は、血液中のブドウ糖が不足し、元気消失、ふらつき、震え、けいれんなどを起こす状態です。特に生後数ヶ月の小さな子犬では、長時間の空腹や体調不良などをきっかけに起こることがあります。
ぐったりするなどの異変がみられた場合は速やかに動物病院へ相談し、子犬期は月齢や体格に応じて食事を複数回に分け、長時間の空腹を避けましょう。
まとめ
ヨークシャー・テリアは、小さな体に活発さと愛情深さを備えた魅力的な犬種です。絹糸のように細く美しい被毛や、成長とともに変化する毛色も大きな特徴で、「ヨーキー」の愛称でも親しまれています。
一方で、毎日の適度な運動や被毛・歯のお手入れ、子犬期からの社会化やしつけなど、日々の丁寧な管理が欠かせません。体が小さいため、滑りやすい床や高い場所からの飛び降りなどにも配慮する必要があります。
また、膝蓋骨脱臼や気管虚脱、レッグ・カルベ・ペルテス病、門脈体循環シャント、歯周病など、注意したい病気について知っておくことも大切です。
見た目の可愛らしさだけでなく、性格や必要なケア、健康面まで理解したうえで迎えることで、ヨークシャー・テリアとの暮らしをより安心して楽しめるでしょう。



