パピヨンの平均寿命は何歳?健康で長生きしてもらう秘訣と飼い主ができること

パピヨンの平均寿命は何歳?健康で長生きしてもらう秘訣と飼い主ができること

パピヨンの平均寿命は?長生きの秘訣や注意すべき病気、シニア期のケア方法など、愛犬の健康維持に役立つ情報を解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

パピヨンの平均寿命はどのくらい?

首を傾げるパピヨン

結論から述べると、パピヨンの平均寿命は13歳から15歳程度です。これは犬全体の平均寿命と比較しても長い傾向にあり、パピヨンは長寿な犬種であると言えます。

愛情深いケアと健康管理によって、平均寿命をさらに超えて健やかに過ごすことも十分に可能です。

小型犬の平均寿命とパピヨンの比較

一般的に、小型犬は大型犬よりも長生きする傾向があります。

トイ・プードルやチワワといった他の人気小型犬種も平均寿命が13歳から15歳程度であり、パピヨンの寿命はこれらの犬種と同水準です。適切な飼育環境が寿命に大きく影響するため、日々のケアが非常に重要となります。

中には20歳を超える長寿の記録を持つパピヨンも存在し、いかに飼い主のきめ細やかな配慮が大切であるかを示しています。

パピヨンは何歳まで生きる?最長寿命はどのぐらい?

犬全体のギネス世界記録としては29歳を超える記録がありますが、パピヨン単独での公式なギネス記録は確認が難しいのが現状です。

しかし、SNSやブリーダーの報告などでは20歳を超えたという話は珍しくなく、個体の生命力と飼い主の献身的なケアが長寿につながっていることがうかがえます。

避妊・去勢手術による寿命への影響

避妊・去勢手術は、特定の病気のリスクを大幅に減らすことで、結果的に寿命を延ばす効果が期待できます。

メスの場合、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍といった命に関わる病気の予防につながります。オスでは、精巣腫瘍や前立腺肥大、会陰ヘルニアなどのリスクを低減できます。

これらの手術は心身への負担も考慮し、獣医師とよく相談した上で、適切な時期に行うことが推奨されます。

パピヨンの寿命を人間の年齢に換算すると?

花畑にいるパピヨン

パピヨンの成長スピードは人間と大きく異なり、特に最初の1年で急速に大人になります。愛犬が今、人間の年齢でどの段階にいるのかを把握することは、適切なケアを行う上で非常に重要です。

パピヨンの年齢を人間に換算した年齢表

犬の年齢は単純に「人間の年齢×7」というわけではありません。特に小型犬は最初の2年で急激に成長し、その後は緩やかに歳を重ねていきます。以下は、パピヨンのような小型犬の年齢を人間の年齢に換算した際の一般的な目安です。

パピヨンの年齢
人間の年齢に換算(目安)
6ヶ月 10歳
1歳 15歳
2歳 24歳
3歳 28歳
5歳 36歳
7歳 44歳
10歳 56歳
13歳 68歳
15歳 76歳
18歳 88歳

この表からもわかるように、7歳を迎える頃には人間でいうと40代半ばとなり、シニア期への備えを始める大切な時期であることがわかります。

成長期・成犬期・シニア期は何歳から?

パピヨンのライフステージは、大きく「成長期」「成犬期」「高齢期(シニア期)」の3つに分けられます。

成長期(~1歳頃)

生まれてから1歳頃までが成長期にあたります。この時期は骨格や筋肉、内臓などが急速に発達する非常に重要な期間です。

心と体の基礎を作るため、栄養バランスの取れた子犬用のフードを与え、社会性を身につけるためのしつけや経験を積ませることが大切です。

成犬期(1歳~7歳頃)

1歳を過ぎると心身ともに成熟した成犬期に入ります。最も活発で、体力も充実している時期です。適切な運動とバランスの取れた食事で健康的な体型を維持し、肥満を防ぐことが将来の健康につながります。定期的な健康診断を開始し、健康状態を把握しておくことも重要です。

高齢期(8歳頃~)

一般的に8歳頃からが高齢期、いわゆるシニア期とされます。徐々に身体機能の衰えが見え始め、様々な病気のリスクが高まる時期です。

活動量の低下に合わせて食事内容を見直したり、散歩のペースを調整したりするなど、愛犬の変化に合わせたケアが必要になります。

パピヨンがかかりやすい病気と寿命への影響

飼い主の手を舐めるパピヨン

パピヨンは比較的丈夫な犬種ですが、特定の病気にかかりやすい傾向があります。これらの病気は、早期発見と適切な治療が寿命や生活の質(QOL)を維持する上で欠かせません。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿の骨(膝蓋骨)が正常な位置からずれてしまう病気で、特にパピヨンのような小型犬に多く見られます。専門用語では「パテラ」とも呼ばれます。

症状としては、歩行中に後ろ足を不自然に持ち上げたり、スキップするようなしぐさが見られます。軽度であれば日常生活に支障は少ないですが、重症化すると痛みで歩行が困難になり、外科手術が必要になることもあります。

関節への負担が生活の質を大きく低下させるため、滑りやすい床材を避けるなどの環境整備が重要です。

歯周病

歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌が原因で歯肉や歯を支える組織に炎症が起こる病気です。小型犬は顎が小さく歯が密集しているため、特に歯周病になりやすい傾向があります。口臭が強くなる、歯茎が赤く腫れるといった症状から始まり、進行すると歯が抜け落ちることもあります。

さらに、歯周病菌が血管を通って全身に広がり、心臓病や腎臓病といった命に関わる病気を引き起こす可能性もあるため、日々の歯磨きによる予防が極めて重要です。

心臓病

パピヨンでは、特に高齢になると「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓病が多く見られます。これは心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁という弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。

初期段階ではほとんど症状がありませんが、進行すると運動を嫌がる、咳が出る、呼吸が苦しそうになるといったサインが現れます。

この病気は完治が難しく、生涯にわたる投薬治療が必要となることが多く、寿命に直接的な影響を与えます。

呼吸器疾患

「気管虚脱」は、呼吸の通り道である気管が潰れてしまい、呼吸がしづらくなる病気です。パピヨンのような小型犬種で発症しやすいとされています。

興奮した時や運動後に「ガーガー」「ゼーゼー」といったアヒルの鳴き声のような乾いた咳をするのが特徴的な症状です。

重症化すると呼吸困難に陥る危険性があり、気温や湿度の管理、肥満の防止、首輪ではなくハーネス(胴輪)を使用するといった配慮が求められます。

眼疾患

パピヨンは遺伝的に「進行性網膜萎縮症(PRA)」という眼の病気を発症することがあります。これは、眼の奥にある網膜という光を感じる組織が徐々に機能しなくなる病気で、初期には夜間や暗い場所で見えにくくなる「夜盲」の症状が現れます。

病気はゆっくりと進行し、最終的には失明に至ることが多いですが、痛みを伴うことはありません。視力が低下しても、家具の配置を変えないなどの工夫で、犬は嗅覚や聴覚を頼りに生活することが可能です。

アレルギー症状

食物やハウスダスト、花粉などが原因で「アレルギー性皮膚炎」を発症することがあります。体を頻繁にかく、皮膚が赤くなる、脱毛するといった症状が見られます。

絶えずかゆみが続くことは犬にとって大きなストレスとなり、生活の質を著しく低下させます。原因となるアレルゲンを特定し、食事療法や生活環境の改善、適切な投薬で症状をコントロールすることが大切です。

パピヨンを長生きさせる秘訣

走っている2匹のパピヨン

パピヨンの健やかな長寿のためには、日々の生活における飼い主のきめ細やかな配慮が不可欠です。年齢や体調に合わせたケアを継続することが、愛犬との幸せな時間を延ばす鍵となります。

年齢ごとにフードを選び直す

食事は健康の基本です。パピヨンのライフステージに応じてフードを切り替えることが重要です。

成長期には体の基礎を作るための高タンパク・高カロリーな子犬用フードを、成犬期には健康維持のための栄養バランスの取れた成犬用フードを選びましょう。

そして、活動量が落ちてくるシニア期には、肥満を防ぎ内臓への負担を減らすために、低カロリーで消化しやすいシニア用フードが適しています。

定期的な散歩・運動を習慣化する

パピヨンは活発で遊び好きな犬種ですが、その華奢な骨格から関節に負担がかかりやすい側面もあります。毎日の散歩は、肥満防止やストレス解消、社会性を育む上で欠かせません。

ただし、長時間の激しい運動は避け、年齢や体調に合わせて距離や時間を調整しましょう。室内でも知育トイなどを使って、頭と体を動かす遊びを取り入れることが心身の健康維持につながります。

歯磨きを習慣化する

歯周病は万病のもとと言われるほど、全身の健康に影響を及ぼします。若いうちから歯磨きの習慣をつけ、歯垢が歯石に変わる前に除去することが最も効果的な予防策です。

最初は口周りを触られることに慣れさせ、徐々に歯ブラシを使っていくなど、ステップを踏んで進めましょう。どうしても歯磨きが難しい場合は、デンタルガムや液体歯磨きなどを補助的に活用し、定期的に動物病院で歯のチェックを受けることが大切です。

犬が過ごしやすい生活環境を整える

パピヨンが安心して過ごせる環境を整えることも長寿の秘訣です。特に、フローリングなどの滑りやすい床は、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアのリスクを高めます。

カーペットや滑り止めマットを敷くなどの対策を講じましょう。また、夏場の熱中症や冬場の寒さ対策として、エアコンで室温を一定に保つことも重要です。

愛犬が落ち着ける自分だけのスペース(クレートやベッド)を用意してあげることも、ストレス軽減につながります。

定期的に健康診断を受けさせる

言葉を話せない犬の病気は、飼い主が気づいたときには進行しているケースも少なくありません。病気の早期発見・早期治療のためには、定期的な健康診断が極めて重要です。

特に症状が出にくいシニア期に入ったら、半年に一度は動物病院で血液検査やレントゲン検査などを含めた総合的なチェックを受けることを強く推奨します。これにより、目に見えない内臓の異常や心臓病などを初期段階で発見できる可能性が高まります。

シニア期のパピヨンに見られる老化のサイン

眠そうなパピヨン

愛犬がシニア期に入ると、心身に様々な変化が現れ始めます。これらの老化のサインにいち早く気づき、適切に対応してあげることが、シニア期のパピヨンの生活の質を保つ上で大切です。

睡眠時間が長くなる

若い頃に比べて活動量が減り、一日の大半を寝て過ごすようになります。これは体力の低下に伴う自然な変化ですが、ぐったりして元気がない状態が続く場合は、病気が隠れている可能性もあるため注意深く観察しましょう。

視力や聴力が衰える

視力や聴力が徐々に低下してきます。物にぶつかることが増えたり、名前を呼んでも反応が鈍くなったりします。

聴力が衰えると不安を感じやすくなるため、近づくときは床を軽く踏み鳴らして振動で知らせたり、体に触れる前に声で合図をしたりするなどの配慮が必要です。

毛並みの変化や白髪が増える

毛並みのツヤがなくなったり、色が薄くなったり、口周りや目の周りに白髪が増えたりします。新陳代謝の低下による自然な老化現象の一つです。定期的なブラッシングで血行を促進し、皮膚の健康を保つよう心がけましょう。

食欲や食べ方の変化

代謝が落ちることで食が細くなったり、逆におねだりが増えたりすることがあります。また、歯や顎の力が弱まることで、硬いドライフードを食べにくそうにすることもあります。

食事量の変化や食べ方の様子をよく観察し、必要であればフードの種類を見直しましょう。

運動能力や筋力の低下

散歩のペースがゆっくりになったり、短い距離で満足したりするようになります。また、筋力の低下により、ソファへの上り下りや階段といった段差を嫌がるようになります。無理に運動させることはせず、愛犬のペースに合わせた散歩を心がけることが大切です。

トイレの失敗や粗相の増加

足腰の筋力低下や、トイレの場所まで我慢できなくなること、あるいは認知機能の低下など、様々な理由でトイレを失敗することが増えてきます。

叱ることはせず、トイレの場所を寝床の近くに移動させたり、トイレシートの範囲を広くしたりするなどの対策を取りましょう。

パピヨンがシニア期を迎えた際のケア方法

横になるシニアのパピヨン

シニア期に入ったパピヨンには、これまで以上にきめ細やかなケアが求められます。愛犬の変化を受け入れ、穏やかで快適な毎日を過ごせるようサポートしてあげましょう。

食欲の低下に合わせてフードを選び直す

シニア期には、消化しやすく、低カロリーで高品質なタンパク質を含むシニア用フードへの切り替えが推奨されます。肥満は心臓や関節に大きな負担をかけるため、体重管理は非常に重要です。

また、関節の健康をサポートするグルコサミンやコンドロイチン、脳の健康維持に役立つDHAなどの成分が配合されたフードを選ぶのも良いでしょう。食欲が落ちた場合は、フードを少し温めて香りを立たせたり、ウェットフードをトッピングしたりする工夫も有効です。

散歩や運動量を調整する

高齢になっても、適度な運動は筋力の維持や気分のリフレッシュ、認知症の予防に役立ちます。ただし、若い頃と同じペースは禁物です。

散歩の時間は短くし、その分回数を増やすなど、愛犬の体力に合わせたプランを立てましょう。その日の体調や天候によっては、無理に外に出ず、室内で軽い遊びをするだけでも十分です。大切なのは、運動を「継続」することです。

日頃から脳に適度な刺激を与え「認知症」を予防する

犬も高齢になると認知症を発症することがあります。昼夜逆転や徘徊などの症状が見られますが、日頃から脳に適度な刺激を与えることで予防が期待できます。

新しい散歩コースを歩いて嗅覚を刺激したり、簡単なコマンド(おすわり、まてなど)を思い出させたり、知育トイを使っておやつ探しゲームをしたりするなどが効果的です。

飼い主が積極的に話しかけ、スキンシップを図ることも、愛犬の安心感と脳の活性化につながります。

介護が必要になった際の環境の整え方

寝たきりになったり、歩行が困難になったりした場合に備え、住環境を整えておくことが大切です。滑りやすい床にはマットを敷き、段差にはスロープを設置して転倒を防ぎましょう。

寝たきりになると同じ場所に圧力がかかり続けて「床ずれ(褥瘡)」ができやすくなるため、体圧を分散できる介護用マットを用意し、2〜3時間おきに寝返りを打たせてあげる(体位変換)必要があります。

また、食事や排泄の補助がしやすいように、ケージやベッドの周りを整理しておくことも重要です。

まとめ

笑顔で見上げるパピヨン

パピヨンは、その愛らしい姿と賢さで私たちに多くの喜びを与えてくれる家族の一員です。平均寿命は13歳から15歳と比較的長寿ですが、その犬生を健やかに全うするためには、飼い主による日々のケアが欠かせません。

膝蓋骨脱臼や歯周病、心臓病といったかかりやすい病気への理解を深め、年齢に合わせた食事や運動、そして何よりも大切な定期的な健康診断を心がけることが、病気の予防や早期発見につながります。

やがて訪れるシニア期には、老化のサインを見逃さず、食事や住環境を見直すことで、愛犬の生活の質を高く保つことができます。

この記事で解説した知識が、皆様と愛するパピヨンとの、一日でも長く、そしてかけがえのない幸せな時間を築くための一助となれば幸いです。

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