犬の疥癬(かいせん)とは
疥癬(かいせん)とは、顕微鏡で覗いて分かるくらいに小さい「ヒゼンダニ」というダニが皮膚にもぐりこむことによって引き起こされる皮膚病です。
皮膚に発疹(ブツブツ)や激しいかゆみが生じます。感染して2~6週間程で症状が出始めます。
ヒゼンダニは、犬だけでなく猫、ウサギ、ハムスター、フェレットなどのペットにも寄生します。
主な感染ルートは、すでに感染している犬との接触。ブラシなど間接的な接触からでも感染することがあります。
人にも寄生し、腕などに皮膚炎を起こすことがあります。感染している犬と知らずに接触することでうつってしまうので注意が必要です。
犬の疥癬の主な症状
とにかく痒い!!愛犬が異常にかきかきボリボリしていたら要注意です!!
その他の症状として、脱毛、赤み、フケ、ポツポツとかさぶたが出来るなどの症状がでます。
ヒゼンダニは、特に毛が少なく柔らかい場所(耳、お腹、顔など)がもぐりこみやすい為、そのような箇所には症状が出やすいようです。
ひどくなってくると全身の毛が抜け、かさぶたで体が覆われその下に更にヒゼンダニが繁殖してしまいます。
ちなみに、ダニといえば、私たち人間のおふとんは、日干ししてダニの繁殖を防いだりしますよね?なので日光の力ですべて死滅しそうなイメージがありますが、ヒセンダニの場合、日光に当たって犬の体温が高くなると逆に、活動が活発になります。
つまり、日の光で退治しようにも、更にかゆみが増すということだそうです。これはやっかいな事だ。。。
かゆみからくるストレスで食欲がなくなり栄養状態が悪くなってしまうため、若い犬や老犬は重い症状になることもあります。
犬の疥癬の原因
すでに感染している犬との接触、ブラシやバリカンなどを共用することで感染します。感染には季節、年齢、犬種は関係ありません。
犬に寄生したメスのダニは皮膚にトンネルを深く掘って、そこで卵を産みます。
この時、角質の下へ潜り込むので角質がはがれてフケになるんですね。
3~8日後、卵は幼虫になりその後成虫へと成長し、メスであれば再びトンネルを掘って産卵します。この繰り返しですからどんどん数が増えていきます。
書いていてかゆくなってきました。。。
オスは角質の下にもぐるだけだそうです。
かゆみの原因はメスがトンネルを掘るため。皮膚の下でもぞもぞしてたらかゆいですよね。そしてダニの分泌物に過剰に反応してしまう一種のアレルギー反応です。
犬の疥癬の予防と対策
おうちをこまめに掃除したり、部屋中を消毒するなどすることで繁殖を抑えることができます。
多頭飼いの場合、感染してしまった犬と接触しないよう感染した犬を隔離するなどして感染を防ぎましょう。
犬小屋、ケージ、リードやブラシなど接触するものは全て消毒し、タオルやマットなどは熱湯で洗濯しましょう。50℃以上でダニが死ぬため、50℃以上のお湯に10分間つけておくと効果的です。
梅雨から夏場にかけてのジメジメした時期はダニが最も好む季節なので特に注意が必要です。犬の抵抗力が弱るとダニを引きつけやすいため、日頃から体調管理、衛生管理に気をつけましょう。
犬の疥癬の治療方法
まずはダニを見つけることから始まります。
角質層に入りこんでいるので発見するには皮膚を削らなければなりません。採取した場所にダニが居なければ何か所か削り取ります。かわいそうですが。。。
それでも見つからなければ症状の似ている皮膚炎と間違えて診断してしまうこともあるそうですよ。ほんとやっかいだ!
ダニや卵が見つかれば治療開始!
皮膚炎を起こしている場所の毛を刈ります。そうする事で皮膚炎を起こしている場所が把握でき治療の効果が上がるそうです。
そしてダニを殺すための外用薬、薬浴、抗生物質、ダニを殺す薬などで治療をすすめます。週一回の間隔で薬用シャンプーを症状が出なくなるまで使用する事も効果的です。
治療を進めると症状が軽減しますが、自分の判断で治療をやめないこと!
角質層のトンネルに卵が残っているのに治療を止めてしまうと。。。孵化して成虫になってカイカイが復活です。
完全に死滅するまで根気よーく治療することが大切です。
▼犬の病気を症状や病名から調べる▼
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識
ユーザーのコメント
30代 女性 ひなた
30代 女性 ゆり0404
20代 女性 まい
30代 女性 マミゾウ
疥癬は人へも移るので、知らずに犬と接触してしまうと腕に湿疹が出たりなどします。わんちゃんがいつもより体を気にしたり掻いたりしていたら安易に考えずまず病院で見てもらった方がわんちゃんも飼い主の方も辛い思いをするのが減る可能性もあります。
20代 女性 ムネッピ
20代 女性 ストロベリー
犬は疥癬が寄生した部分を掻いたり噛んだりし、そのために皮膚に掻き傷や脱毛が起こります。
さらにそこに細菌の感染が加わると、皮膚の状態はもっと悪くなってしまいます。
私は以前動物病院に勤めていましたが、経験上、疥癬は、狭い場所で多頭飼いをしているようなケースで感染することが多いようです。
あまり飼育管理がよくない犬の繁殖所やブリーダーにいる子犬の親達は感染していることがとても多く、そしてそこで生まれた子犬達にも感染が広がります。
子犬を買った際、身体に強い痒みがみられたりした場合は動物病院に早めに連れていき一度診てもらいましょう。
40代 女性 おん
かゆいのは人間だってがまんできません。それを犬に強いるのはとてもかわいそうです。
以前知り合いの犬がツメダニをつけてたようで、一家そろって刺されて、家じゅう消毒で大変だったと聞きました。もちろん犬は鬼の形相で暴れ狂っていたそうです。
この記事にあるヒゼンダニというのは、フロントラインやレボリューションのような滴下タイプの薬剤で予防や駆除はできないのでしょうか。と気になって調べたら効果があるようでひと安心しました。
愛犬がこんな強いかゆみに襲われたら、駆除に時間がかかったら、と思うと心配で仕方ありません。欠かさず毎月薬剤を滴下して予防をしないと!と改めて強く思いました。
20代 女性 梨花
女性 ゴン吉
うちでは愛犬のハウスやベッド、日頃からよくいる場所にもスプレーしています。注意する点はヒバ油を濃くし過ぎないことです。効果があるからと濃くすると逆効果です。
自然のものなので安心感もあります。ぜひ一度お試しを。
30代 男性 キンちゃん
週に2回皮膚病で有名な獣医さんに診てもらい、耳の内側を削って皮膚を採取しての検査、薬浴、飲み薬の繰り返し。
犬も私もすっかり滅入ってしまいました。
完治はしましたが、その後皮膚に対して敏感になる私と、病院を嫌う犬。トリマーさんにすら耳を触らせてくれなくなり口輪をさせる日々。
本当に可哀想な事してしまいました。
なのできちんとノミダニ予防や、書類を提出しないと入れないドッグランなど、飼い主も気をつけなければと思い知らされる事になりました。
その犬はもう亡くなってしまいましたが、今の犬にもその時のような思いはさせないように気をつけています。
女性 Mimi
なってしまうかやこの病気の症状などを知らなかったので、記事を読んで良かったで
す。ダニに関しては、本当に怖いですよね。ダニが引き起こす病気や症状に関して、
犬を飼っている者として必ず頭に入れておかないといけないと思っています。我が家
もダニが怖いので、いつも綺麗にできるようフローリングに変えてしまいました。