動物病院で言われる「少し様子をみましょう」の意味
動物病院で診察の結果「少し様子をみましょう」と言われたことはありますか?この「様子をみる」とは「放っておく」とは異なります。「様子をみる」ということはお家での経過観察や、来院のたびに病状を確認していくという意味で使われています。「経過を見ていき、病状の変化に合わせて柔軟に対応していきましょう」ということです。
どのような理由で「様子をみる」という判断になったのか、どうなったら受診すべきなのかは、その時診察を担当した獣医師に確認するのが一番確実です。
セカンドオピニオンについて
経過観察という結果に納得がいかない場合は、セカンドオピニオンを検討してもいいでしょう。セカンドオピニオンを受けたいと思った時に「それまでの獣医師に申し訳ない」とおっしゃる方がいます。ですが、セカンドオピニオンとは「別の獣医師の意見を聞くこと」であって「転院」とは異なります。セカンドオピニオンは飼い主が納得して診療方針を決めるための方法で、決して申し訳なく思うようなことではありません。
「様子をみる」ケースごとの目安
獣医師から「様子をみましょう」と言われた場合、どの程度みていて良いのか判断に困るところです。その場で担当医に確認するのが確実ですが、ここではいくつか目安を例に挙げていきます。
出来物ができた場合
出来物ができた場合、それが悪性であればすぐに手術などの処置を勧められます。これが良性であった場合や、確定診断がついていない場合は「様子をみる」指示がでる場合があります。
良性の出来物の場合、出来物の大きさや形の変化を観察し、生活に支障が出るような大きさになった場合は切除になる場合もあります。特に目の近く・関節の近く、皮が張っているところは出来物が大きくなることで生活に支障がでることがあります。
確定診断がついていない場合は、出来物がある程度の大きさになった場合に再検査となる場合があります。長い間大きさの変化がない場合は良性の可能性が高いのですが、検査で確定診断をつけておくとより安心です。
下痢が続いている場合
下痢・軟便の場合も「薬を飲みながら様子をみましょう」と言われることがよくあります。この場合、薬を飲み始めてすぐに下痢・軟便が止まり、薬を止めた後も症状がなければ、そのまま体調も落ち着いていくでしょう。
お薬を飲み切っても下痢・軟便が続いている場合は、動物病院を受診しましょう。膵炎や腫瘍が隠れている場合もあります。
膝のお皿が外れる(膝蓋骨脱臼)
愛犬が足を引きずっている時に、膝蓋骨脱臼と診断され、様子を見る指示が出ることがあります。膝蓋骨脱臼は、ほぼ無症状の場合もあれば、完全に足がつけなくなる程の重症であれば手術を進められる場合もあります。
「様子をみる」よう指示されるのは軽症の場合で、日常的にはほぼ無症状であったり、時々足を引きずる程度の場合が多いです。様子を見ている間は、これ以上悪化させないために、足元が滑らないような工夫や、ひざの負担を減らす工夫をしましょう。足を引きずっていることが増えてきた場合は、動物病院を受診しましょう。
まとめ
動物病院で「様子をみましょう」と言われたときの目安について考えてみました。
「様子をみましょう」と言われる場合は、すぐに処置が必要ではないが、今後悪化する可能性があります。「様子をみる」というのは「放っておくこと」とは違います。
お家での様子をよく観察し、変化があった場合は動物病院に行きましょう。ただし、お薬を投薬しているにも関わらず、症状に変化がない場合は早めに動物病院を受診した方がいいでしょう。