そもそもなぜ犬にチョコレートはダメなの?
犬が食べてはいけない食べ物と聞いて、皆さんが思い浮かぶ物は何でしょうか。1番にチョコレートが思い浮かんだ、という方も多いと思います。しかし、具体的になぜチョコレートを食べてはいけないのか、という理由について知っている人は、意外にも少ないです。
そもそもチョコレートには「テオブロミン」と呼ばれる物質が含まれており、厳密にはこのテオブロミンが犬に有害であり、中毒症状を起こす原因です。
このテオブロミンを摂取してしまうことにより、下痢や嘔吐、興奮状態といった初期症状が見られるようになります。ここですぐに病院へ連れて行くべきなのですが、中には「チョコを食べてしまっていた」と気付いていない飼い主さんもいるため、「風邪なのかな?」程度で済まされてしまうことも珍しくありません。
そのまま中毒症状が進行してしまうと、痙攣を起こしたり、呼吸困難を起こしてしまうため、非常に危険です。最悪の場合、死に至ってしまうこともあるため、チョコレートは食べてはいけないと強く言われているのです。
2月にチョコレート誤飲が急増!
そんな犬にとって非常に危険なチョコレートですが、「普段から気を付けている」という家庭であっても、犬がチョコレートを誤飲してしまうという事故が2月に急増すると言われています。食べてしまうと中毒症状に陥ってしまうため、実は犬にとって危険なシーズンなのです。では、いったいなぜ2月にチョコレートの誤飲が急増するのでしょうか。
チョコレート中毒の保険請求件数
「アニコム侵害保険株式会社」のデータによると、チョコレート中毒の症状による保険金請求件数が最も多い月は、1年間のうち2月だと言うことが判明しています。他の月は平均して15件前後であるのに対し、2月は1ヶ月で44件と圧倒的に多いことが一目でわかります。
普段から特に気を付けているという飼い主さんも非常に多いため、保険金請求件数、つまりチョコレート中毒を起こしてしまい病院で治療してもらった件数は、1年でも215件と多い数ではありません。
しかし、その中の約2割程度が2月に集中して起こるということは、それだけの理由が2月にあると言っても過言ではないでしょう。
バレンタインが大きく影響している
ここで「何が原因で2月にチョコレートの誤飲が急増してしまうのか」という疑問が挙がります。皆さんもお気づきでしょうが、その理由は1年でも盛り上がるイベントの1つである「バレンタインデー」が関係しています。
バレンタインデーには、好きな人や自分の大切な相手に気持ちを伝えるため、チョコレートやチョコレートを使ったお菓子を渡すのが一般的です。
前述したとおり、好きな人だけではなく、友達や家族、あるいは会社でお世話になっている相手に対して送ることも多いため、男女問わず多くの人がたくさんのチョコレートを貰うシーズンです。そのため、家にも多くのチョコレートが持ち帰られ、そのために誤飲してしまう可能性が高まってしまうのです。
注意していたはずが、なぜ?
このように2月はバレンタインデーがあることにより、犬がチョコレートを誤飲してしまういう事故が多発します。しかし、最初にもお話ししたとおり、多くの飼い主さんが気を付けているにも関わらず、なぜここまで誤飲が急増してしまうのでしょうか。
やはり先ほどもお話ししたとおり、家に持ち帰られるチョコレートの量が圧倒的に多くなるため、「少し目を離した隙に…」というちょっとした気持ちの緩みが事故に繋がってしまうケースが非常に多いです。
「宅急便を受け取りに少し離れたら」や「電話を取るために少し目を離したら」といった日常の些細な出来事が原因となってしまうことが多いのです。
必ず愛犬の手が届かない場所へ
「少しの間だから大丈夫だろう」という自信から、愛犬がチョコレートを誤飲してしまう事故に繋がってしまうケースが非常に多いため、例え1分、いえ30秒であっても机の上に置きっ放しにしたまま目を離してしまうという行為は危険です。
ちょっとした隙を突いて、愛犬は好奇心からチョコレートを舐めてしまったり、あるいは口に含んで誤飲してしまうことが考えられます。
ぜひチョコレートを食べ終わっていない場合には、愛犬の目の届かないところだけではなく、愛犬が必ず手が届かないところに置くことを心がけましょう。「揺すれば落ちる」「引っ張れば落ちる」といった場所にも置かないように注意が必要です。
まとめ
このように2月は犬にとって非常に危険な「チョコレートの誤飲」という事故が多発する時期です。バレンタインに貰うチョコは人間にとっては美味しく嬉しいものですが、その後愛犬が間違って食べてしまわないように注意を怠らないようにしましょう。