家の中にある危険
どんなに気をつけていても私達飼い主が気がつかない所に危険が潜んでいる事があります。私が動物看護師として勤めていて経験した出来事です。
サークルによる事故
夜間で勤めていた時にあった出来事です。
と電話がありました。すぐに連れてきてもらいましたが、電話の通りぐったりとして動きません。プードルとヨーキーのミックスの男の子。まだ生後4カ月の子犬です。
すぐに処置をし、その後飼い主さんにお話を聞きました。すると、その子がいたのは屋根がなく、あまり高さもないサークルでした。どのような経緯で首を吊る状態になってしまったのかは、誰もいない状況だったので判りません。
ただ暴れたような跡があったので、何かの拍子に首輪が引っかかりパニックになって暴れてひどくなってしまったと考えられます。首のところが異常に腫れて真っ赤になっていました。数時間後に意識を取り戻しましたが、かなり危険な状態でした。
発見したのが早かった事や、まだ1歳にも満たない小型犬の子犬で体重が軽かった事が助かった要因でした。もし飼い主さんの帰る時間が遅かったら助かってはいませんでした。
誤食による事故
飼い主さんがいない留守番中は、犬にとって普段出来ない事をしてしまう絶好のイタズラチャンスです。
夜間救急で最も多い診療は"誤食"でした。
- 「チョコを食べてしまった」
- 「玉ねぎを食べてしまった」
- 「タバコを食べてしまった」
など、思いもよらない物を犬は口にしてしまいます。普段飼い主さんがいればしないような事でも、留守番中は犬も叱る人がいない事は分かっています。
誤飲の理由として多かったのは"ゴミ箱を漁って食べてしまう事"でした。
腐った物を食べて軽い嘔吐下痢をするぐらいならいいのですが、大きな物を食べて腸に詰まり、腸閉塞を起こしてしまうと危険な状態になります。処置が遅ければ亡くなる可能性も高く注意が必要です。
実際に、桃の種やトウモロコシの芯やリンゴなどの芯の部分を飲み込んでしまい手術や内視鏡で取り除く事がよくありました。
誤食の中でも、一番厄介だったのは鳥の骨です。折れてしまうと胃を傷つけ、ひどい場合だと胃に穴が開いてしまいます。
人とは違い、犬は食べていいものと食べてはいけないものがわかりません。美味しい匂いがすれば食べてしまいます。留守にする場合は注意が必要です。
また、遊んでいるうちにボールを飲み込んでしまったり、ぬいぐるみのワタを取り出し食べてしまったりと安全なはずのおもちゃでさえも危険な事が起こる可能性があります。好奇心が旺盛な若い時には、飼い主さんはおもちゃで遊んでいる愛犬から目を離さないで下さい。
最後に
どんなに安全なおもちゃやサークルでも、ちょっとした油断から愛犬にとって危険なものになる事があります。特に子犬や好奇心旺盛な子は注意が必要です。どんなに大きくなっても中身は小さな子供と一緒です。大人が見ていないと子供は危険な事を平気でしてしまいます。家の中にある危険から守るには
- 長時間の留守番は控える。
- 飛び越えない大きさのサークルを選ぶ。
- 部屋にいる時には首輪を外しておく。
- 犬が届かない所にゴミ箱を置くか、蓋つきのものを選びしっかりしめる事。
愛犬を危険から守れるのは私達飼い主だけです。