駄犬とは?
駄犬(だけん)とはダメな犬、困った犬の事を言います。
ですが本来は、「どこにでもいるような普通の犬」「雑種」「雑犬」といった意味で使われていました。現代では上記のような言葉として捉えられることが大半のようです。
実際にどんな犬が駄犬に当てはまるかというと、困った犬の場合『散歩の時に飼い主さんのリードをグイグイと引っ張ったり、おっとりし過ぎていて番犬としては役割を果たさなかったりするような犬』などが、例として挙げられます。
しかしダメ犬と言われても、それは飼い主さんから見れば「呆れながらも可愛い。」という意味が、多分に含まれて使用されることも多いようです。例えば日本には卑下も自慢の内という、実際はとても謙遜しながらも本当はとても誇りに思っているという意味の言葉があり、そんな感じかもしれません。
ちなみに最近、愛犬の画像付きのコメントを投稿できる掲示板に「ごすずん」という言葉が使われることがあるそうですが、これは、ご主人(ごしゅじん)→ごすじん→ごすずんという風に変化した造語らしく、ダメ犬だけれど愛らしい駄犬の画像に添えたりして使用するようです。例えば、「いい天気ですね、ごすずん」といった使い方です。
つまり駄犬とは言われていますが、とても飼い主さんの愛情が溢れた言葉であると言えるでしょう。
駄犬の本来の意味
では本来の駄犬の意味はどんなものなのでしょうか。それにはまず「駄」という漢字の由来を考えてみると分かりやすいでしょう。この漢字は元々は馬という字が含まれているように、荷物を運ぶ馬や馬の背に乗せた荷物、またはその荷物の量を1駄という風に数えるという意味を持っていました。
この馬は荷物用には使用されるけれども、軍馬などとしては働くことができないので、意味合いとしては「それほど価値が高くなく、一般的にいる様な」という解釈になります。同じ漢字を使った言葉には駄洒落、下駄、駄菓子などがあります。つまり、『普通にある珍しくない物』といった感じです。
駄犬の由来は?
駄という漢字のついたもので「駄目」という漢字がありますが、これは元々、囲碁に由来している言葉だそうです。囲碁は元々、白い石と黒い石を碁盤に置いて戦う物ですが、この碁盤にはどちらにも属さない場所があるそうなのです。
ですからそこに碁石を置くことは無意味であるだけではなく、禁止事項でもあったことから、駄目という言葉には「よくないこと」「愚かなこと」というような意味が付随したと考えられます。
それが日本の言葉の歴史上いつなのかは、はっきりとしていませんが、このような元々の「一般的にある、よく見るもの」という意味合いがいつからか、「駄目なもの、出来の良くないこと、もしくはそのような行為をすること」という認知のされ方が一般的になりました。そして結果的に、駄犬という言葉も「駄目な様子や行為」という意味が強くなっていったと、考えられます。
ですから、駄犬とは本来、「ダメな犬」という意味ではなく、雑種やよく見る犬など「比較的、一般的にいそうなありふれた犬」というニュアンスになります。
駄犬に関するまとめ
いかがでしたか?駄犬とは元々は「駄目な犬」ではなく、「ありふれたよく見る犬」というような意味合いだったようです。しかしながら言葉は時代と共に変化していくものですから、「ごすずん」という造語の例にあるように本来の意味が違うニュアンスの意味として浸透していくということもあるのです。ですから駄犬は現代では「駄目だけれど可愛い犬」という意味で用いてもそれはそれで正しい使い方であるとも言えるでしょう。
ユーザーのコメント
女性 コロ
まとめ部分にもありますが、確かに可愛い犬という意味はわかりますね。
女性 ゴン吉
「駄犬」も「うちの駄犬が、」など謙遜の一種として使われる単語なんでしょうね。可愛いからこそ使える単語なのかもしれません。
女性 Yaiko
女性 ししゃも