ペット禁止のマンションで犬を飼育?
ペットを飼育する場合、多くのことを事前に確認する必要があります。犬を飼うだけの収入はあるのか、飼育する環境は整っているのか、一生涯飼育することができるのか、犬を飼う知識を身に付けているのか…など。
今回はその中の「飼育する環境は整っているのか」といった住環境の中から、「ペット禁止のマンションで犬を飼うリスク」について考えてみましょう。
いざ迎え入れてみて「ペット禁止だったため飼えなくなりました」といった理由で捨てられる犬がいる現状もあります。ペット禁止のマンションで犬を飼おうと考えている方、しっかりとそのリスクを知ってください。
ペット禁止のマンションで犬を飼うリスク
ペットの飼育が禁止だとされていても、アパートやマンションで動物を飼う方は後を絶ちません。ペット禁止のマンションで犬を飼った場合、どんなリスクがあるでしょうか。
①退去命令の発生
当たり前のことですが、ペット禁止のマンションで犬を飼うことで部屋の退去命令を出される可能性が高まります。家賃を支払っていれば強制的に退去させられることはないと考えている方もいますが、契約の内容を守っていなけらば退去させられる可能性はあります。また、契約書に明記してあれば拒否することもできません。「見つからなければいいや」と甘く考えていると、突然の退去命令で慌てることになりますので注意が必要です。
②犬の鳴き声による苦情
ペット禁止のマンションで犬を飼育していることが見つかる多くの理由が「犬の鳴き声による騒音」です。どんなに鳴き声が小さい犬だとしても、犬は鳴く動物です。遠吠えをすることもあれば、激しく吠えることもあります。子犬のうちは特に鳴き声を出すことがあるでしょう。犬を飼育している人からしたら気にならないような音でも、他の人からすれば騒音になるのです。騒音は大きな近所迷惑になるため、苦情も増えることになるでしょう。
③犬の臭いによる苦情
鳴き声に続いて問題となるのが、犬の臭いによる問題です。犬の体の臭いはお風呂に入れることで抑えることができるかもしれません。しかし、糞尿は思っている以上に臭いがします。糞尿の臭いで近隣に迷惑をかけることがあるでしょうし、ブラッシングした被毛が近隣に飛んでいくことも考えられます。臭いは環境を脅かす大きな理由となるため、苦情にも繋がりやすくなります。
④動物アレルギーによる問題
動物アレルギーを持っている人は少なくありません。そういう人はペット禁止であるマンションを選んで住んでいる可能性もあります。アレルギーの人からしたら、ペットが近くにいる状態は健康が脅かされる死活問題になります。見つかったら部屋を出ればいいと考えている場合、それだけでは済まない可能性もあります。訴訟に発展する可能性もありますし、その場合は禁止の場所で飼育している人の問題になります。考えている以上のトラブルへと発展する可能背性があることを認識しておきましょう。
⑤住民トラブルへの発展
大きなリスクとして、犬の鳴き声や臭い、動物アレルギーによる苦情が発展し、住民トラブルとなることです。ペットが嫌いだという人もいれば、ペットを飼育したいけれど禁止のため我慢している人もいるでしょう。そういう人たちからしたら、ルールを守らない住民がいることは許しがたいことでしょう。マンションは共同施設でもあり、共有部分もあります。部屋を借りているのは本人だとしても、共同で暮らす施設で自分勝手な行動はトラブルに発展してしまいます。
⑥修繕費の請求
ペットを飼育する場合、どうしても部屋が傷み、臭いも染み付きます。ペット禁止のマンションの場合、入居時に支払った敷金にはペットを飼育する際に発生する傷みは想定されていません。そのため、退去時に想像以上の修繕費を請求される恐れがあります。清掃代にフローリングの修繕や壁紙の張替えは想像以上に高額となります。もちろんペット禁止の場所で飼育した借主に問題があるため、支払いは必須となるでしょう。
まとめ
ペット禁止のマンションで犬を飼育することは「見つからなければいい」「退去すればいい」で済む問題ではありません。また、飼育できなくなったものの、退去もできないとなれば、その犬はどうなるでしょうか。飼育できないからといって、命を捨てるのでしょうか。
犬を飼うことには飼い主としての大きな責任が必要です。犬を飼育する環境は整っているのかをよく考えた上で犬を家族に迎え入れてくださいね。