「愛犬が蜂に刺された!」考えただけでもヒヤッとする事態ですが、実際に蜂に刺されてしまうワンちゃんは多くいます。蜂に刺されてしまうと、人間同様にアレルギー反応が起こり、最悪の場合は死に至る可能性もあるのだそうです。
今回は愛犬がスズメバチに刺された時の対処法をご紹介します。いざという時に対応できるように、事前に対処方法を知っておくことが大切です。
秋は特にスズメバチの注意が必要
蜂は9月から10月頃に繁殖期を迎えます。そんな繁殖期の蜂は縄張り意識が強くなることで、普段よりも攻撃的になります。そのため秋には蜂による被害が増加するのだそう。散歩中はもちろん、家の中や庭先でも蜂に刺される可能性はあります。
人間の場合、蜂がいれば刺激しないように行動をすると思いますが、犬の場合はどうでしょうか。人間ほど蜂に対する警戒心はなく、むしろ捕まえよう、追いかけようとして、容易に近づいてしまう可能性は十分にあります。また、犬の場合、捕まえたら口の中に入れてしまうこともあります。そうなると口の中を刺されてしまい、顔全体が腫れあがるといったことも起こります。それ以外にも草むらや地面にいる蜂を踏んでしまうことで足先を刺されることも考えられます。
犬がスズメバチに刺された時の症状
犬が蜂に刺された場合、痛みで患部を「舐める」「引っかく」といった行動が見られます。さらに頭部を刺された場合は「頭を激しく振る」こともあるでしょう。人間が見ていない間に刺されることがほとんどだと思います。愛犬がこれらの動きをしていた場合、蜂に刺された可能性を考えてください。
また、蜂の毒液が犬の体内に入ることで患部の炎症が進むと、大きく腫れあがります。見た目での変化が表れた場合は蜂に刺されていることが分かると思いますので、なるべく早く動物病院へ連れていきましょう。
犬のアナフィラキシーショックに要注意
蜂に刺されると人間はもちろん、犬も強い炎症を起こします。炎症だけで済めばまだいいのですが(それでも腫れて痛みを伴います)、場合によっては「アナフィラキシーショック」と呼ばれるショック状態、つまり「アレルギー反応」を起こしてしまいます。このアナフィラキシーショックは、蜂に刺されること以外にも、ワクチンや特定の食品によって引き起こされることもあり、最悪の場合は死に至ります。
このアナフィラキシーショックを起こすと、以下のような症状が見られます。
- 呼吸困難
- 血圧の低下
- 意識がなくなる
- 心停止
非常に危険な状態になることがお分かりではないでしょうか。蜂に刺されたかどうかが分からなくとも、愛犬にこれらの症状が出た場合は、早急に動物病院を受診してください。
犬が刺された時の対処法
ハチに刺されると、アナフラキシーは15分以内に起こりますが、翌日や長い場合は10日ほどたってから全身状態があらわれることもあります。実際に愛犬が蜂に刺されてしまった場合、以下のような対処をしてあげましょう。
針を抜く
ミツバチの場合、刺されると毒嚢と呼ばれる毒の入ったものを針と一緒に体に残します。この針を放置してしまうと、毒嚢から毒液が体内に入ってしまうため、できるだけ早めに抜いてあげる必要があります。
ピンセットや毛抜きを使って針を抜く、もしくはヘラなどを使って針を弾き飛ばすこともできます。毒嚢をつぶしてしまう可能性があるため、指でつまんで取り除くことは推奨されていません。犬が暴れたり、患部を触れない可能性があるため、そういった時は無理に家で抜かずに、動物病院へ連れて行くようにしましょう。
なお、スズメバチの場合は針が残らないため、針を取り除くといったことはできません。
毒を絞りだす
ミツバチの場合は針を抜いた後、スズメバチの場合はそのまま、患部を流水で流して毒を絞り出します。この時、出てきた毒に直接手を触れたり、人間が口で吸いだすことはしないようにしてください。
患部を冷やす
蜂に刺された痛みと腫れは冷やすことで軽減することができます。毒を絞り出した後は、患部を冷やしてあげましょう。
これらの対処法は家庭で行う応急的な対処方法です。蜂に刺されたことが分かっている場合は、必ず動物病院へ連れていくようにしてくださいね。
まとめ
犬や猫が一番刺されるのが足先なのだそうです。執拗に足を舐めているようなことがあれば、蜂などによる虫刺されや怪我を疑うようにしましょう。飼い主さんが見ている前で刺された場合は、至急対処をして動物病院へすぐに連れて行くようにしてあげてくださいね。愛犬を守るためにも、普段からあらゆる場合の対処法を学んでおきましょう。