犬との散歩は年を取ってもアクティブに過ごすためのキーになる!
犬と暮らし始めて運動不足が解消され、体調が良くなったとか体重が減ったなど、健康面へのポジティブな影響を感じる人は多いと思います。
この度、犬と暮らしている人は、家にこもりがちになるシニア期になっても活発に動く傾向が強いというリサーチ結果が発表されました。
犬好きにとっては「ほらね!」とニンマリしたくなるようなこのリサーチの内容をご紹介します。
リサーチの概要
このリサーチはイギリスのイーストアングリア大学とケンブリッジ大学の共同で実施されました。イギリスのノーフォーク郡に住んでいる3000人以上のシニアの方々を対象に聞き取りと測定調査をした大規模なものです。
1日のうち、散歩などのアクティビティに費やす時間、家で座っている時間などの質問事項に答えてもらって統計を取りました。さらに、リサーチの参加者たちに7日間にわたって小型の電子機器を装着してもらい、身体の活動レベルを測定記録しました。
質問事項の中に「犬を飼っていますか?」というものがあり「はい」と答えた人々には、はっきりとした傾向が現れたのでした。
注目すべきリサーチ結果は?
犬を飼っている人々の活動レベルは、当初予想されていたよりも活発なものでした。犬を飼っていない人に比べて、1日平均30分活動的な時間が長く、静かに座っている時間が全体的に短いことがわかりました。
また、雨降りや寒い日など天候の悪い日にはシニアの人々の活動レベルは目立って低くなるのですが、犬を飼っている人たちはそんな悪天候の日でも、活動レベルがあまり変わらないこともわかったそうです。
適度に身体を動かすことのメリットは年齢が高くなればより重要になりますが、一般的には年をとると身体を動かす機会は減少していきます。
このリサーチを行ったドクターは高齢者の健康増進のための身体活動プログラムの研究をしているのですが、犬との散歩が大きな助けになることが、これほど明確になったことに驚いたそうです。
研究チームでは「犬との散歩が高齢者の身体活動に良い影響があるからと言って、誰にでも犬を飼いましょうと勧めるわけにはいきません。けれども何かしら犬に関わるアクティビティを勧めていく工夫をしたいと思います。」と述べています。
考えられる案は、アニマルシェルターや保護団体でのお散歩ボランティアなどでしょうか。犬と歩くということに加えて、人との交流が増えるという点でもシニアの方には良さそうですしね。
まとめ
イギリスの大学によるシニアの方の身体活動に関するリサーチで、犬と暮らしている人は身体的に活発で、悪天候の日でも活動レベルが変わらないことが明らかになりました。
犬との暮らしが、子供から大人まで様々な年齢で健康面に良い影響があるという研究は今までにも発表されていますが、年を取っても犬と暮らすことのメリットが明確になったことに嬉しくなりますね。
適度な運動は身体面だけでなく、脳や精神にも良い影響があることはよく知られています。愛犬との散歩がそのサポートになると思うと、足取りもさらに軽くなりそうな気がします。
けれども高齢の方が様々な理由で愛犬を手放さなくてはならないこともあるという問題も軽視できませんし、犬と暮らすことは散歩以外の負担もたくさんありますので、誰でも安易に犬を飼いましょうと言うわけにはいきません。
そんな面から総合的に考えると、シニアの方の体力やいろいろな条件に合わせて保護犬の預かりボランティアやお散歩ボランティアに参加していただくというのは、なかなか良い解決法ではないでしょうか。
このリサーチを行ったイギリスや、アメリカなどではボランティアに参加する垣根が低いこともあって、シニアの方も気軽に保護施設などのボランティアをされています。日本でも「私の健康のため、犬たちの健康のため、win-winになるボランティア」という気軽なボランティアが広まればいいなあと思います。
《参考》https://www.sciencedaily.com/releases/2017/07/170724211648.htm