どうして、誤飲、誤食をするの?
しっかりご飯を与えていて、栄養も足りているはずなのに、なぜ、犬は誤飲、誤食をするのでしょう?また、どんな時に犬は誤飲、誤食をしているのでしょう?誤飲誤食の問題行動に対処するために、なぜ、そんな問題行動が出るのかを考えてみましょう。
散歩中の拾い食い
散歩の途中で、突然犬が足を止めて、地面をクンクン…と匂い出した。それに気がついた次の瞬間、「パク!」と何かを口に入れた、という経験をされた方は多いと思います。
生きた虫やカエルなどなら体に害はありませんが、悪意を持って道に置かれた毒餌などを
口にしてしまったら、命を落としてしまうこともあり得ます。
まして、夏など気温の高い日は、日が落ちてから散歩に出かける人も多いでしょう。
街灯のない道の上に、異物が落ちていて、飼い主さんがその異物に気がつく前に、犬が拾い食いをしてしまったら、何を誤食したのか確認することすら出来ません。
散歩中の拾い食いは、飼い主の私たちからすれば、とても危険なことだと思わなければいけません。
そもそも、人間からすれば、道に落ちている、何か全くわからないモノを口に入れるなんて、理解できないことですよね。けれども、犬にとって、散歩中に拾い食いをするのは、ごく自然な行動で、問題行動ではないのです。
本来、犬は狩りをし、他の動物を捕食していた生き物です。
何か興味のあるものを見つけたら、捕まえ、匂いを嗅ぎ、危険なものとは判断しないで、食べてしまう…と一連の行動は、犬としてはとても自然な行動です。
つまり、餌もきちんと食べていて、家の中ではなにも問題行動がないのであれば、散歩中の誤飲、誤食は犬の本能による衝動が原因と考えられます。
室内でのゴミ漁り
我が家のめいぷるは、食欲旺盛なアメリカン・コッカー・スパニエル。
めいぷるの前に飼っていた犬も同じアメリカン・コッカー・スパニエルでした。
どのコも非常に食いしん坊で…と言えば、可愛らしい感じがするのですが、非常に
食べ物に対する執着が強いコ達で、全員がゴミ箱漁りの経験者です。
生ゴミをむさぼり食べて、食べすぎで吐いたり、下痢をしたり…と言ったことも一度だけありましたし、彼女達は生ゴミが入っているゴミ箱だけを漁るのではなく、紙ゴミしか入っていないようなゴミ箱でも油断をすれば漁っていました。
実は、これも問題行動ではありません。
コッカースパニエルは、食いしん坊な上に、好奇心旺盛な犬種なので、家の中にあるゴミ箱は、「いろいろなニオイがして、興味がそそられるもの」なので、漁らずにはいられないのです。
つまり、散歩中の拾い食い同様、このゴミ箱漁りも本能による衝動から来る行動と言えます。
食糞
犬は人間と違って、糞を「汚い」と思っていないので、仔犬の時は特にお腹が空いたり、
退屈だったりすると、自分の糞を食べてしまうコがいます。
命に関わる誤飲、誤食ではありませんが、一緒に暮らす上で、衛生的に問題ないとは言えません。
誤飲、誤食をやめさせる4つの方法
誤飲や誤食が本能から来る行動だとしても、犬は賢く、自分の欲求を制御する自制心もあります。また、飼い主さんが誤食や誤飲をしないように気配りをし、さらに散歩中や生活の中で誤飲誤食をしないようにトレーニングをすれば、拾い食いやゴミ箱漁りを止めさせることが出来ます。
「拾い食いをしなかったら、褒められた!」と犬に覚えさせる
散歩中、犬が興味を持ちそうなモノが落ちていたら、しっかりとリードを短めに持ち、
その「興味を持ちそうなモノ」に届かないギリギリの距離を保った場所で立ち止まります。
犬は頑張ってその「興味をもちそうなモノ」を咥えようとしますが、届きません。
「ダメ」と声で制止し、犬が諦めたり、飼い主であるあなたの顔を見上げた時、
「拾い食いしなかったねえ、偉いねえ」とポジティブな声と表情で褒めて、オヤツを与えます。
これを繰り返すことで、「落ちているものを食べなかったら褒めて貰える」「飼い主さんが喜ぶ」「褒めて貰える」と犬は学習します。
この方法は、ごみ箱漁りを止めさせる時にも効果的です。
家の中でも、床にわざと食べ物を落として、それを食べようとする犬を飼い主さんが「マテ」と制します。そうして、犬が自分の欲求より、飼い主さんの指示を待つようにトレーニングすることもできます。
なかなか、「落ちているものを食べなかったら、ご褒美がもらえる」と関連付けて覚えてくれるまで時間はかかりますが、根気よく続けましょう。
地面や床に食べ物が落ちていてもすぐに口に入れず、指示を仰ぐように飼い主さんの顔を見たり、食べ物を無視出来れば、カンペキです。
拾い食いが出来ないようなツールを使う
散歩に行く時に口輪を装着する方法です。
安易は方法ではありますが、もっとも手っ取り早く、拾い食いによる誤飲、誤食を防ぐことが出来ます。
拾い食いするモノが落ちていない散歩コースを選ぶ
普段、犬と散歩するコースを犬目線で歩いてみましょう。
コンビニなどの近くは、道の端の植え込みなどに食べ残しやゴミが捨てられていることが多く、また、公園などもお弁当の食べ残しなどがそのまま落ちていることもあります。
また、住宅街や集合住宅のゴミの集積地近くだと、生ごみが落ちてそのまま放置されている場所もあります。
そういった場所はなるべく避けて、散歩コースを選びましょう。
もしくは、あるいは生ごみなどが落ちていそうな場所を通る時は、拾い食いさせないように、リードを短めに持ったり、犬の行動に注意を払いましょう。
拾い食い、ごみ漁りが出来ないように、家の中の環境を整える
- 床の上に食べこぼし、食べかすなどを放置しない。
- ボタン電池、たばこ、ガムなどは、犬が届かない場所に置くか、蓋つきの容器に保管する。
- ごみ箱は、犬が蓋を開けられないように重しを置く。
犬の知能は、人間の子供の3~4歳ぐらいだと言われています。
犬と一緒に暮らすということは、体の大きさに関わらず、まだ幼稚園ぐらいの幼い子供と
一緒に暮らすということと同じです。
それを踏まえて、口に入れてはいけないものは、犬の目に触れず、触れない場所に保管するようにしましょう。
まとめ
犬が散歩中に拾い食いをしたり、家の中のごみ箱を漁るのは本能ですが、誤飲、誤食による事故を躾やトレーニングによって防ぐことは、飼い主の責任です。「本能だから仕方ないよね」と言ってしまえば、飼い主としての責任を放棄していることになり、愛犬の命を守ることはできません。誤飲、誤食をすること自体は問題行動ではないとは言え、事故を防ぐためにはトレーニングが必要です。愛犬を危険に晒さないように気を配り、愛犬としっかりと向き合って、根気よくトレーニングをすれば、あなたの愛犬とあなたの間には、さらに強い信頼関係が築けるでしょう。
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30代 女性 ちこママ