『動物実験』反対! ~動物愛護国イギリスわんこ事情~ 

『動物実験』反対! ~動物愛護国イギリスわんこ事情~ 

普段私たちの使う化粧品や薬品に動物が犠牲になっていることを考えたことがありますか?最近では動物愛護の観点から、動物実験の廃止について聞く機会も増えてきました。今回はイギリスにおける『化粧品の動物実験』の考え方や規則についてお話します。

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日常の生活で化粧品やシャンプーを購入する際に『動物実験』という言葉が頭をよぎる人は少ないのではないでしょうか?ここでは『化粧品の動物実験』についてお話します。

動物実験とは

白い花と犬

動物実験とは薬品や化粧品などの人間に及ぼす影響を調べるために、動物を使用して皮膚への刺激性の試験や毒性試験の化学物質の実験を行うことです。

犠牲になる動物たち

普段使っている化粧品や日焼け止め、ヘアケア製品などに犠牲になる動物たちがいることをご存じですか。魚やうさぎ、豚やハムスター、鳥、猫、猿などです。また、そこには日頃から私たちに癒しを与えてくれている犬も含まれています。
化学物質の毒性や皮膚にアレルギーが起こるかを測るために炎症させる過程で動物たちは痛みを伴い、その後破棄されることも稀ではありません。研究や調査のために命ある動物たちが犠牲にされているのです。

イギリスと他の国の状況

散歩中振りかえる犬

1998年、イギリス政府により化粧品とその原料の動物実験が禁止されました。
2013年、EUにて動物実験、また動物実験がされた化粧品の販売の禁止が決定しました。
続いて韓国、ニュージーランド、インドでの禁止。今年にオーストラリア、2019年に台湾が禁止を検討しています。
しかし、日本を含む多くの国では化粧品の動物実験禁止の法律がなく、今も世界で80%の国が動物実験を行っているのです。

動物愛護の先駆け BODYSHOP

ボディショップ

イギリスブランドで自然派化粧品のお店『ボディショップ』をご存じでしょうか。
1976年にイギリス、ブライトンの町で自然派化粧品のお店を開店以来、66ヶ国に3000店舗22,000人の雇用者を持つ大企業です。同時に化粧品の動物実験反対の先駆けのブランドとして知られています。動物実験は一切しません!
例えば、化粧品で使用されるブラシは一般的にリスやヤギが使用されることが多いのですが、ボディショップでは高品質の人口毛を代用、また動物実験が要求される国や市場では製品を販売していません。すべてにおいて『動物実験反対』なのです。
これらはイギリスが動物愛護国だからという理由だけではありません。化学物質の実験に動物を使わなくても代用が出来るものがあるため、動物を使う必要性がないと考えています。

ショップ内

現在 世界での動物実験廃止を目指し、国連総会で動物実験禁止の決議案を要求するために800万人の署名活動「FOREVER AGAINST ANIMAL TESTING」をしています。
実際にボディショップの従業員さん達にお話しを伺ったところ、ひとりひとりが動物実験禁止についての知識、そしてしっかりとした意見があることに芯の通った強さが感じられました。

クルーエルティ フリー インターナショナル Cruelty Free International(CFI)

ケージで眠る犬

1898年に創立された動物実験の廃止を求める団体です。
長い年月をかけ2013年には、ボディショップと共にEUでの動物実験の完全廃止を導きましたが、その他にも様々な活動を行っています。
その中のひとつとして、日本の教育相に対し大学や獣医科大学の教育目的での犬の利用を禁止するよう訴えています。
獣医学のカリキュラムの一部として犬を実習に使用することはイギリス、アメリカやカナダを含む世界の多くの大学や獣医科大学では既に廃止されています。現在、日本で行われている動物の利用を「非倫理的で時代遅れ」であるとし、教育で犬を使わない、殺さない代案があることを指摘したのです。
実際に日本では、毎年数百匹の犬が教育材料とされているといいます。
CFIのウェブサイトには、該当大学名と身動きの出来ない犬たちのビデオが載せられており、その映像からも酷い環境に置かれていることが分かります。
このような状況をどのように受け止めますか。

シンボルマーク

商品のパッケージ

最近は製品の開発から製造、完成までの全ての段階において動物実験を行わなくても素晴らしい、信頼できる化粧品が沢山あります。
『ボディショップ 』の他にもイギリスで創設されたアロマや自然化粧品で有名な『ニールズヤードレメディーズ NEAL'S YARD REMEDIES』、石鹸で有名な『ラッシュ LUSH』のパッケージには、CCIC(消費者情報連合)により100%動物実験してない証、リーピングバニー(Leaping Bunny)の認定マークが付けられています。

代案として

通常、動物実験は製品の安全性を考えたうえで実施されています。
以前は毒性試験に動物実験(イン・ヴィヴォ in vivo)という方法を使う考えでした。現在は代案として細菌や人皮膚の培養細胞などを利用した試験 (イン・ヴィトロ in vitro)が使われるようになり、また過去のデータの使用や毒性を予測するコンピューター技術を使った方法(イン・シリコ in sillico)も取り入れられるようになりました。

動物実験が必須の国

公園を散歩中の犬の後ろ姿

中国では海外からの輸入化粧品販売には、動物実験が義務化されています。
このため中国に市場展開をしている化粧品会社は、動物実験を廃止にしたと公言をしても中国は除外ということになります。しかし多くの国の禁止を背景に近年は中国でも反対の声が高まってきており、今後が期待されています。

さいごに 

芝生で笑っている犬

このような事実を受け止めるのはとても辛いことです。
実際わたしたち消費者は何も考えずに購入、使用していることが多いかもしれません。
私も現実を知らなかった一人ですので、偉そうなことは言える身分ではありません。しかしこのような問題を知った今、動物実験を行う会社を支持するかは私たち一人一人の行動で決まるのではないでしょうか。動物実験をいまだに行っている企業に声が届けば世界で廃止されるのも夢ではないと思いませんか。

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