『もしものとき』のために
なんだか暗いお話だなんて思わないでくださいね。
飼い主さんは大切な家族である愛犬のために、『もしものとき』を考えておく必要があるのかもしれません。
わたしたち飼い主に突然の事故や病気が降りかかり、愛犬を誰かに譲らなければならなくなった場合を考えたことがありますか?あなたの代わりに飼い主として、フードや水、家、獣医ケア、そして愛情を与えてくれる人はいますか?
まず選択肢として思い浮かぶのが、「家族や親せきに譲る」などでしょうか。
『もしものとき』に備えて、家族の一員である大切な愛犬のことをしっかりと考えたおきたいものです。
イギリスの遺言書調査
日本ではまだまだ遺言書を作られている方は少ないかもしれません。
イギリスでは、55歳以上の64%が遺言書を書いているといいます。また年齢に関係なく、18-34歳の24%、35-54歳の32%がすでに作成しています。
遺言書を作成してない理由としては、「それほど財産を持っていない」などが挙げられていますが、以前に比べて遺言書を早く作成する傾向になってきているそうです。
また、実際に遺言書を書いていてもペットに触れず亡くなる飼い主さんが毎年いる中、イギリスでは飼い主の54%が遺言書にペットについて書くという結果がでています。
これは家族の一員として当然のこと、多くの飼い主さんが自身がいなくなった後のペットの福祉について考えているという証です。飼った以上は自分がいなくなっても、ペットに安定した生活環境を与える義務があると考えているのです。
取り決め
ペットは所有物としてみなされます。愛犬に「自分の財産をいくら譲る」ということができません。
そのため、今後愛犬の世話をしてくれる人を探し、事前に了承を得たうえで遺言書に記載し、愛犬にお金を使うように財産を残します。正式な取り決めを行わなくてはならず、犬について昔に口頭で伝えたというのは無効です。遺言書作成は2人の証人の立ち会いの元で行います。
事前にしておくと良いこと
1.緊急のときのために一時的に犬のケアをしてくれる友人や家族を見つけておき、家の鍵、フードやケアの指示、獣医の名前、そして今後ケアしてくれる人についての情報を渡しておく。
2.近所、友達、家族に自分が何匹のペットを飼っているか、ペットの名前、緊急時に犬のケアをしてくれる人の連絡先を知らせておく。
3.万が一事故にあったときのことを考え、財布には犬の緊急ケア先の情報メモを携帯しておく。
など、日頃から近隣や友人と助け合える信頼関係を築いておくことが大切ですね。
世話をしてくれる人が見つからない
家族にも友人にも預けることが出来ない場合もあるかもしれません。
そんなときはRSPCAが味方となります!
RSPCA(動物保護団体)は約200年間動物を保護し、毎年数多くの動物を里親に出している経験を持ちます。
ここでは「“Home for Life” 一生の家 」というサービスを行っており、飼い主さんが事前に申込みをしておくと他界されたときには、RSPCAにより新しい飼い主さんを早急に見つけてくれるのです。
驚くことに“Home for Life”は全て無料であり、犬に必要なワクチンや健康診断なども含まれています。
飼い主に大きな安心を与える素晴らしいサービスではありませんか。
そして申込みをした飼い主さんの遺言書には、RSPCAへの寄付が記載されていることも多く、すべての保護犬に役立ててくれています。
遺言など残していない場合
残念なことに、私たち飼い主が望んでない状況に愛犬が置かれる可能性もあります。環境の保障は全くありません。
このようなことを考えると、愛犬のために準備をしておく必要性を感じませんか?
さいごに
普段の生活をしている中で、あまり考えたことのないお話だったのではないでしょうか?
日本でも犬を含めた遺言書作成の相談やサポートをしてくれるところもあるようです。
いつ自分に何が起こるかなんて分からないものです。大切な愛犬だからこそ、一生幸せに生きてもらうことを考える必要がありますね。