「うちの子に保湿って本当に必要?」獣医師が教える、意外と知らない犬のスキンケア入門

「うちの子に保湿って本当に必要?」獣医師が教える、意外と知らない犬のスキンケア入門

犬にも人と同じように「保湿」が必要なの?と疑問に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。実は犬の皮膚は人よりデリケートです。獣医師が犬のスキンケアと保湿の本当の必要性をわかりやすく解説します。

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記事の提供

東京大学動物医療センター内科研修過程修了。一般診療と皮膚科専門診療を行い、国内・国外での学会発表と論文執筆も行う。現在は製薬会社の学術担当を務めながら、犬猫について科学的に正しい情報発信を行っている。Syneos Health Commercial 所属MSL、サーカス動物病院 学術、アニー動物病院 非常勤獣医師。

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東京大学動物医療センター内科研修過程修了。一般診療と皮膚科専門診療を行い、国内・国外での学会発表と論文執筆も行う。現在は製薬会社の学術担当を務めながら、犬猫について科学的に正しい情報発信を行っている。Syneos Health Commercial 所属MSL、サーカス動物病院 学術、アニー動物病院 非常勤獣医師。

犬の皮膚は人よりもずっと繊細

飼い主の足の上でお腹をなでられている犬

私たち人間は、乾燥が気になると化粧水や乳液を使って肌を保湿します。それでは、犬の場合も人間と同じように「保湿」が必要なのでしょうか?

まず知ってほしいのは、犬の皮膚は人間よりずっと薄く、刺激に弱いということです。実は、人の皮膚対して、犬の皮膚はわずか2~3分の1の厚さしかありません。そのため外部環境の影響を受けやすく、乾燥や炎症を起こしやすいのです。

さらに、犬の皮膚はpH(酸性・アルカリ性のバランス)が人間とは異なります。そのため、人用のスキンケア製品を使うとバリア機能を壊してしまう恐れがあります。この点を理解していないと、「保湿のつもりが逆効果」になることもあるのです。

犬の乾燥のサインは、フケの増加、毛のパサつき、かゆがる仕草、被毛のツヤの低下などとして現れます。こうした症状があっても「冬だから仕方ない」と見過ごされがちですが、実は体の中や環境に原因が潜んでいることもあるのです。

犬に本当に保湿が必要なのはどんなとき?

後ろ足で体を掻いている犬

実は、すべての犬に一律で保湿ケアが必要というわけではありません。健康な犬であれば、自分の皮脂腺から分泌される油分が自然に皮膚を守ってくれます。しかし、以下のようなケースでは、獣医師の指導のもとで保湿ケアを取り入れることが推奨されます。

まず代表的なのが「アトピー性皮膚炎」などの皮膚疾患がある犬です。これらの犬は皮膚バリアが弱く、水分を保持する力が低いために、乾燥やかゆみを悪化させやすい状態にあります。保湿剤を使用することで炎症の悪化・再発を防ぎ、時には薬の使用量を減らせることもあるのです。

次に「シャンプーの頻度が多い犬」。月に何度もシャンプーすると、皮膚に必要な油分まで洗い流してしまい、乾燥が進みます。しかしながら、生活環境や諸事情から頻繁なシャンプーが必要になる子もいらっしゃると思います。この場合は、低刺激の犬用シャンプーに加え、入浴後には保湿剤を塗布するのが効果的です。

ただし、保湿は「万能な予防策」ではありません。食事の栄養バランス、アレルギー、寄生虫、ホルモン異常など、乾燥の背景には多様な原因が隠れている可能性があるため、まずは動物病院で根本的な原因を確認することが大切です。

犬のための正しいスキンケア習慣

フードが入った食器のそばで伏せる犬

では実際に、犬に適したスキンケア習慣とはどのようなものでしょうか。

まず基本となるのは、実は保湿剤ではなく「食事」です。オメガ3やオメガ6脂肪酸といった必須脂肪酸を含むバランスの良い食事は、皮膚や被毛を健やかに保つ役割を果たします。

次に「定期的なブラッシング」。これは単に毛を整えるだけでなく、マッサージ効果から皮膚の血流を良くし、皮脂を全体に行き渡らせる効果があります。犬種によって適したブラシの種類や頻度が異なるため、かかりつけの獣医師やトリマーに相談すると安心です。

保湿剤を使う場合は、基本的に犬専用に作られたものを選びましょう。スプレータイプやジェル、ローションなど様々な形がありますが、いずれも「舐めても安全」であることが重要です。人間用のハンドクリームや化粧水を使うと、中毒や皮膚トラブルの原因になります。特に犬はグルーミングの習性で体を舐めるため、安全性の確認が不可欠です。

肉球のケアも忘れてはいけません。冬場の乾燥やアスファルトの熱でひび割れやすいため、犬用のバームやワセリンで保護するのがおすすめです。散歩後に足を洗ったあと、軽く塗布してあげるだけで十分です。

最後に大切なのは「獣医師との相談」です。保湿剤の種類や頻度は犬の状態によって変わるため、独断で始めるのではなく、かかりつけの病院で指導を受けることが理想的です。特に皮膚炎や脱毛が見られる場合、まずは病気の有無を調べ、必要に応じて治療と並行して保湿を行うようにしましょう。

まとめ

正面を見つめて座る犬と保湿クリームを持つ人の手

犬の保湿はすべての子に必要ではありませんが、皮膚疾患や環境次第で有効なケアとなります。大切なのは原因を見極め、犬専用の安全な方法で継続すること。迷ったら獣医師に相談しましょう。

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