犬の誤飲の4つのパターン
お急ぎの場合、パターン別で該当箇所へ飛んで下さい。
- 緊急度(高)→呼吸が出来ない場合、①へ
- 緊急度(中)→呼吸がある、中毒性のあるものを誤飲した場合、②と③へ
- 緊急度(低)→中毒性がなく小さいものを誤飲した場合、④へ
では、命の危険がある緊急性の高いものから見ていきましょう。
犬の誤飲パターン①「喉につまらせて呼吸困難を起こしている場合」
対処法
- 異物を取り出す
- すぐに動物病院へ運ぶ
呼吸困難の場合、動物病院に運んでいる間に呼吸が止まり命を落とす危険があるので、まずは応急処置を行いましょう。異物が取り出せそうな場合は引っ張り出して、呼吸を確保します。具体的なやり方の手順は以下です。
異物を取り出す方法その(1)
- 犬を保定する(2人いれば1人が保定し、もうひとりが取り出す)
- 口を開け、舌を引き出す
- ライトなどで喉を照らし、異物を見つける
- ピンセットなどで異物を引っ張り出す
異物を取り出す方法その(2)
ピンセットや手で取り出せない場合、犬を逆さに吊るすと異物が口から出てくる場合もあります。また、犬と人間は体の構造が違うので、犬の背中を叩いても効果はありません。背骨を傷つけることもあるので止めましょう。
異物がすぐに確認できない(喉の奥や食道にある)時や、自分で出来ない場合はすぐに近くの動物病院へ運びましょう。また、この場合は噛まれる危険性もあるので無理はしないようにしてください。
犬の誤飲パターン②異物を飲み込んだか呼吸は出来る場合
対処法
- なるべく早く動物病院へ運ぶ
呼吸は出来て元気そうだか、大きなビニール片やゴムボールの欠片など胃や腸で詰まってしまいそうなものを誤飲した場合、できるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。また、爪楊枝や竹串などの尖ったものが刺さっている場合も、犬は吐き出せないのですぐに動物病院で取ってもらいましょう。
受診する際、以下を正確に獣医師に伝えられるようにしておきましょう。
- いつ飲み込んだか(時間)
- 何を飲み込んだか(大きさや素材)
処置の例として、レントゲン検査などの画像診断で異物の位置を確認し、内視鏡を使って取り出します。内視鏡でも取り切れない場合や、胃や腸へ入ってしまっている場合は切開手術で異物を取り出します。
また診療料金の目安を以下にまとめました。
- レントゲン検査:約4000円〜
- 内視鏡検査:約15000円〜
- 胃の切開手術:約38000円〜
- 腸の切開手術:約38000円〜
- 全身麻酔:約10000円〜
- 入院費用:約3000〜5000円
切開手術になってしまった場合、全身麻酔や検査費用、入院費用を含めて10万円程必要になってくるようです。いざという時に十分な医療を受けさせてあげるために、貯金やペット保険などで備えておきましょう。
《参照》 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)診療料金実態調査(平成27年度)」より
犬の誤飲パターン③中毒性のあるものを飲み込んだ場合
対処法
以下のものを大量に飲み込んだ場合、犬にとって毒性の強いものがあるので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
- たまねぎ
- チョコレート
- タバコ
- ぶどう
- アボカド
- 人間の薬
- 洗剤
食いしん坊のワンちゃんの場合、誤って人間の食べ物を飲み込んでしまうこともあるでしょう。これらを沢山食べたり飲み込んでしまった場合、飲み込んで時間が経っていないときは「吐かせる」処置が行われます。注射で嘔吐を促す薬を入れて吐かせ、胃洗浄などの処置をします。
誤飲の発見が遅れてしまった場合、毒性により命の危険に関わる場合もあるので普段からよく愛犬の行動を観察しておきましょう。いつ誤飲したか分からない場合は、発見次第すぐに動物病院に連れていきましょう。
軽く舐めた程度ならば問題ない場合もありますが、自分の勝手な判断で対応せずに、わからない時はかならず動物病院に問い合わせましょう。
犬の誤飲パターン④毒性もなくごく小さな異物の場合
- ティッシュなどの紙類
- ビーズ類(少量)
- ゴキブリ団子(少量)
これらのものを少量飲み込んでしまった場合は、2〜3日でうんちといっしょに排出される場合が多いです。排出された場合、特に健康への影響もないのでしばらく様子を見て、心配なことがあれば、もしくは下痢や嘔吐がある場合はかかりつけの動物病院に連絡しましょう。
犬の誤飲の予防方法
- ゴミ箱にロックできる蓋をする
- 犬の届く範囲に誤飲するものを置かない
- 人間の食べ物を与えない
などを心がけるようにましょう。ゴミ箱などから拾い食いしてしまうワンちゃんの場合、ゴミ箱やキッチンの三角コーナーなどを物理的に開けられないようにするのが効果的です。あとは、基本的に人間の食べ物を与えないようにすれば、タマネギやアボカドなど間違って与えてしまいそうなものを誤飲する可能性を低くできるでしょう。
犬の誤飲についてのまとめ
我が家の愛犬も以前、チーズケーキに付いていたビニールを誤飲してしまったことがあります。誰かが食べた後のゴミを机の上に置いたままにしてしまったようです。愛犬はチーズの匂いが大好きで、その匂いの付いたビニールを食べてしまうことは容易に想像できたと思います。大事には至らず運が良かったですが、とても反省させられました。
飼い主側のちょっとの想像力や気遣いで、犬の誤飲は防ぐことができるでしょう。愛犬が苦しまないように誤飲を未然に防ぐことはもちろん、急な出費を防ぐためにも毎日緊張感をもって身の回りのものを管理できるようになりましょう!