犬が膝に乗るのは信頼の証?

犬が膝に乗ってくるのは、「飼い主を下に見ている」わけではありません。
かつては、犬の行動を上下関係で説明するトレーナーも多く、「膝に乗るのは飼い主を座布団代わりにしている証拠」とされていました。
しかし、近年の動物行動学の研究では、犬に厳格な上下関係は存在しないことが明らかになっています。
犬が膝に乗るのは、むしろ飼い主への信頼や愛情の表れであることが多いのです。
犬は安心できる場所や人を選び、近くにいたいと思うもの。
膝に乗る行為は、飼い主との絆を感じているからこそ起こる自然な行動です。
このような行動を無理に否定せず、犬の気持ちを受け止めることが大切です。
犬が膝に乗る行動をどう受け止める?

犬が膝に乗ってきたとき、どのように対応するのが良いのでしょうか?
まず、犬の行動の背景を理解することが重要です。
犬は心地よい場所や安心できる人を求めて膝に乗ることが多く、これは飼い主との信頼関係が築けているサインでもあります。
例えば、寒いときやリラックスしたいとき、飼い主の温もりや匂いを感じたくて膝に乗ることも、よくありますよね。
この行動を「問題行動」と捉えて無理に下ろしたり、厳しく叱ったりするのは、関係をマイナスにしてしまいます。
代わりに、犬が落ち着いて乗っているなら、そのまま穏やかな時間を共有しましょう。
もし膝に乗るタイミングが不都合なら、優しく下ろし、別の場所でリラックスできる環境を整えてあげると良いでしょう。
犬に指示や許可は本当に必要?

一部のしつけ理論では、犬が膝に乗る前に「指示に従わせる」ことや「許可を与える」ことが推奨されることがあります。
例えば、「お座り」などの指示に従ったら膝に乗せるご褒美を与える、という方法です。
しかし、このようなアプローチは必要ありません。
犬が膝に乗るのは、飼い主とのコミュニケーションや愛情表現の一環。
過度にルールを設けると、犬の自然な行動を制限し、ストレスを与える可能性もあります。
犬がリラックスして膝に乗ってくるなら、その気持ちを尊重し、特別な指示や許可なしで受け入れてあげましょう。
ただし、膝に乗る頻度やタイミングが気になる場合は、犬が落ち着ける別のスペースを用意するなど、工夫するのもひとつですよ。
まとめ

犬が膝に乗るのは、飼い主への愛情や信頼の表れであり、問題行動ではありません。
かつての上下関係に基づく考え方は、現代の研究で否定されつつあります。
犬が膝に乗ってきたら、その気持ちを受け止め、穏やかな時間を共有しましょう。



