白内障とは?原因と症状を知ろう
白内障は、犬の目の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。加齢によるものが多いですが、遺伝や糖尿病、外傷などが原因になることもあります。初期はほとんど症状が見られませんが、進行すると以下のような変化が現れます。
- 目が白っぽく見える、光を反射してキラキラする
- 家具や壁にぶつかることが増える
- 段差や暗い場所で歩きづらそうにする
- 散歩中に不安そうな様子を見せる
- 物音や声に対する反応が鈍くなる
白内障は進行性の病気で、放置すると失明に至ることもあります。特に若齢犬や糖尿病の犬では急速に進行するため注意が必要です。早期発見・早期治療が大切なので、上記のような症状が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
動物病院での治療と最新知見
白内障の根本的な治療は手術です。水晶体を取り除き、人工レンズを挿入する方法が一般的です。手術後は炎症(ぶどう膜炎や緑内障など)が起こりやすく、抗炎症薬(ステロイドやNSAIDs)の点眼や内服が必要になります。
ある研究によると、犬の白内障手術後は人間よりも炎症が長引きやすく、3~6か月間の治療が必要な場合もあります。また、術後数か月から数年経過すると、視力が再び低下することがあります。その際、人間ではレーザー治療が主流ですが、犬の場合はレーザー治療が難しく、再手術が必要になるケースもあります。
なお、手術が難しい場合や高齢・全身疾患がある場合は、内科的な対症療法(抗炎症薬やサプリメントなど)で進行を遅らせることも検討されます。
日常生活でできる白内障対策とケア
白内障の進行を完全に止めることは難しいですが、日常生活でできる対策やケアも大切です。
- 定期的な健康診断:早期発見のために、年1~2回は動物病院で目の健康チェックを受けましょう。
- 生活環境の工夫:家具の配置を変えない、段差や障害物を減らす、滑りにくいマットを敷くなど、愛犬が安心して歩ける環境を整えましょう。
- 食事とサプリメント:抗酸化成分(ビタミンCE、ルテインなど)を含む食事やサプリメントは、目の健康維持に役立つ可能性があります。ただし、必ず獣医師に相談してから与えましょう。
- ストレスを減らす:視力が落ちると不安やストレスが増えるため、優しく声をかける、散歩コースを固定するなど、安心できる日常を心がけましょう。
- 症状の記録:見え方の変化や行動の変化を日記やスマホで記録し、診察時に獣医師に伝えると、より適切な治療につながります。
まとめ
白内障は愛犬の生活の質を大きく左右する病気です。早期発見と適切な治療・ケアで、できるだけ長く快適な毎日を過ごせるようサポートしましょう。気になる症状があれば、早めに動物病院へ相談をしてくださいね。