️冬でも、実は寄生虫予防をすることが理想的とされている
冬のノミ・ダニ予防:寒さに強い寄生虫に注意
冬の寒い時期でも、実は、ノミやダニは完全に活動を休止するわけではありません。特に、暖房が効いた室内や湿度の高い場所では、寄生虫が生き延び、活動を再開することがあります。
このことから、冬季でも予防薬を使用することが推奨されているのです。
また、冬に旅行に行くことを予定している場合、旅行先の地域によってはノミやダニが年間を通して活動していることがあります。そのため、予防薬を継続して使用することが重要です。
冬季のノミ・ダニ予防には、経口薬と塗り薬の2種類があります。塗り薬は、犬の肩甲骨の間や背中などの犬が自分で舐められない部分に塗布することで、皮膚から薬剤が吸収されます。
それぞれにメリットとデメリットがあり、例えば経口薬は犬がきちんと飲み込んだかを確認する必要がありますが、投与しやすいことが特徴です。
おやつタイプのものもあり、ご褒美の一環として与えられることも嬉しいポイントです。
一方、塗り薬は食べ物に敏感な犬や胃腸が弱い犬には特に適していますが、薬が乾くまで他のペットや人に触れられないよう注意すること、塗った後1日以内のシャンプーは避けることなどが必要となります。
日本では、一般的にノミやダニの活動が活発になる春から秋にかけて、特に夏をメインとした予防が行われることが多いです。
しかしながら、上記のような理由から、強固な感染対策としては通年予防が理想的とされているのです。ただし、犬のライフスタイルや住んでいる地域に応じて柔軟に対応することも大切です。
寒冷地で室内で過ごすことがほとんどな場合や、寄生虫の少ない地域に住む犬であれば、冬の間に予防を省略することもあります。しかし、旅行や外出が多い場合は、冬でも予防を続ける方が安心です。
また、犬におけるダニ予防は、私たち人間の健康を守る上でも非常に重要です。マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、発熱や消化器症状を引き起こし、重症化すると死亡することもある危険な病気です。
少し前ですが、日本でも確認されてニュースになりました。マダニは犬に吸血し、SFTSウイルスを保有することがあり、犬が感染源となって人間にも感染のリスクをもたらすことがあります。
犬がマダニに刺されないように、定期的なダニ駆除剤の使用が推奨されています。
冬のフィラリア予防:蚊の活動が少なくても油断は禁物
フィラリアは蚊を媒介として感染する寄生虫ですが、冬季でも油断はできません。特に、日本の温暖な地域では、冬でも蚊が活動しているため、フィラリア感染のリスクは依然として存在します。
フィラリア予防薬を毎月投与することが非常に重要で、1回でも投与を忘れたり、遅れたりすることで、感染する危険性が高まります。この点は、世界的なガイドラインにも明記されています。
フィラリアに感染した場合、治療が非常に難航することが多く、長期間の治療を必要とする場合があります。
治療には手術や強力な薬剤が必要になることが多く、これらは犬の健康に多大な負担をかけるだけでなく、飼い主にとっても経済的な負担が大きくなることが多いです。
感染を防ぐためには、予防が最も効果的な方法であることから、フィラリア予防薬の投与を怠らず、毎月しっかりと実施することがとても重要です。予防は治療よりもはるかに安価で、愛犬の健康を守るための最も賢明な選択肢と考えられます。
アメリカの食品医薬品局(FDA)は、フィラリア予防薬を通年投与することを強く推奨しています。
これは、蚊が活動していないと思われがちな冬の季節でも、蚊による感染リスクが完全に排除されるわけではないからです。
特にフィラリアが広がりやすい地域では、年間を通して予防薬を使用することが、最も効果的なフィラリア感染対策となります。
また、フィラリアの感染リスクは地域差があり、たとえば発生率が低い地域に住んでいる犬であれば、ミルベマイシンなどの予防薬を通年投与することが推奨されます。
しかし、蚊が活発に活動する地域では、予防薬に加えて環境から蚊を駆除する対策とともに、蚊に対する忌避効果や殺虫効果がある外用薬の併用が推奨されます。
️まとめ
冬のノミ・ダニ予防とフィラリア予防は、寒い季節でも油断せずに行うことが重要です。
特に暖房の効いた室内や湿度の高い場所では寄生虫が生き延びるため、予防薬を使用し続けることが推奨されます。
また、フィラリア予防も蚊の活動が少ない冬でも継続的に行い、定期的な投与を忘れないようにしましょう。
愛犬に予防薬を定期的に投与することで、寄生虫感染を確実に防ぐことができ、犬も飼い主も安心して冬を過ごせます。
治療が難航し、長期間にわたる治療が必要になる前に、早期の予防を実施しましょう。