【獣医が解説】暑い夏を乗り越えるには?楽しみ方や乗り越え方

【獣医が解説】暑い夏を乗り越えるには?楽しみ方や乗り越え方

日本の夏は湿度も高く、近年では温暖化の影響もあって年々気温も上昇している傾向があります。お散歩やお外での楽しみが毎日のルーティーンになっているわんちゃんたちには制限も大きかったり、わんちゃんにも飼い主さんにとっても苦手な季節になっていることが多いのではないでしょうか。そんな暑い夏を乗り越えるにはどうしたら良いのでしょうか。

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記事の提供

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

夏がやってきた!わんちゃんにとっては何が苦手?

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日本の夏は湿度が高く、飼い主さんにとってもつらい季節であることが多いのではないでしょうか。

わんちゃんも夏の暑さが苦手な犬種の子も多くいます。

では夏のどんなところが苦手な場合が多いのでしょうか。

湿度の高さ

日本の良いところでもありますが、四季があり6月を過ぎると梅雨もあったり、ジメジメとした気候が特徴的です。

この湿度の高さにより、高温多湿で過ごしずらく感じたり、短頭種と呼ばれるマズルの短い子たちはずっとサウナの中にいるような息苦しさを感じることが多いこと、細菌繁殖も活発になるため、皮膚トラブルなどの細菌の増殖が関連するトラブルが起きやすくなる傾向があります。

気温の高さ

熱帯地方ほどの高温にならないとはいえ、最近では温暖化による気候変化で都心でも平均気温が30度を超える日も増えています。

本来、寒い地域が原産の犬種などは高温で過ごすことに慣れておらず、熱中症へのなりやすさなど注意しなければならない点が多いです。

また、被毛の豊富な犬種なども気温が高いと被毛の中で体温が上がってしまい、体温調節のしづらさなどから体調不良になるなどのトラブルが起こることもあります。

普段できることができなくなるストレス

暑さにより、わんちゃん自身がばててしまい、活動的でなくなったり食欲不振が起こったりする場合があります。

飼い主さんも気温変化で行動を制限したりすることから、わんちゃんが楽しみにしていることが制限されたり、日常的に行っていたお散歩やお出かけができなくなることからストレスを感じて体調不良につながるケースなども多いです。

夏を乗り越えるために…どんなことができる?

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ではわんちゃんたちにとっても飼い主さんにとってもストレスに感じやすい夏を、健康的に乗り越えるために、どんな対策がとれるでしょうか。

わんちゃんたちの夏の苦手な点と飼い主さんたちの苦手とする点と若干異なっていて、飼い主さんたちは気を付けているつもりでも、実はわんちゃんたちにとってもう少し工夫が必要な場合もあります。

挙げたような配慮はできていますか?

室温の調整

まずは快適に過ごせる室温であることが大切です。

ここでよく勘違いしやすいポイントが一点あります。

お部屋を涼しくすることと室温を下げることはイコールではありません。

扇風機などで通気を良くしてお部屋を涼しくしても室温は下がりにくいため、室温が高いのであればクーラーなどで室温をしっかり下げてあげることは大切です。

室温を各所で一定にするために冷風を循環させるために、併せてシーリングファンなどを使用してあげることをおすすめします。

体調管理の徹底

暑さなどで体力が落ちると、免疫力が低下したり下痢や嘔吐などの消化器症状などが見られるようになる場合があります。

心臓病などの持病がある場合、悪化する可能性もあります。

おうちのわんちゃんの小さな変化にも気付けるよう、体調管理を徹底できると安心です。

気付いたら徐々に食欲不振が起こっていたということや、初期症状として形はあるもののいつもよりも軟便になったなどの症状が見られる場合があります。

日常的に変化が生じていないか観察をする習慣をつけられると良いでしょう。

食欲不振の際はときにはおいしいごはんも

どんな時もいつものごはんを与えなければならないと思いがちですが、そんなことはありません。

夏バテで食欲不振が起こっている場合、少しおいしいごはんを与えることで食欲増進につなげてあげるということも選択肢の一つです。

消化に良いものや、わんちゃんが食べても良いものであるということが大前提ですが、最近ではわんちゃん用の少し豪華なレトルトのごはんなども市販されているため、試してみても良いでしょう。

持病があってかかりつけの先生から食事制限を指示されているわんちゃんは、どんなものであれば食べても良いのかということも確認しておくと安心です。

美味しいごはんを食べてもらうことのデメリットとして、一度おいしいものを食べると今後普段のごはんを食べるときに、もっと美味しいごはんを求めたり、普段のごはんを食べないというしつけの面での大変さが見られる可能性があることが挙げられます。

夏の楽しみ方

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わんちゃんたちにとっても飼い主さんにとっても過ごしにくい夏を楽しく乗り切るためにどんなことができるでしょうか。

振り返った時に、涼しいお部屋の中で一緒にごろごろしていたという思いでももちろん良いですが、他にも暑い夏ならではの楽しみ方もあります。

水遊び

お水が苦手かどうかということはわんちゃんの個体差もありますが、浅瀬やあまりごつごつした岩場でない場所であれば、安全に遊べる可能性が高いのが川や海、湖などでの水遊びです。わんちゃんと飼い主さんが一緒にできるレクリエーションを企画している場所や、おうちの近くで適した場所があるようであれば一緒に行ってみるなどしても良いでしょう。

ただし、怖がるようであれば無理強いしないことや、水場でのトラブルをよく考えたうえで場所選びや遊び方を考えること、わんちゃん用の救命ウェアなどもあるため、万が一の時のために常備しておくことなど、トラブルに発展しないような飼い主さんの配慮も必要です。

特に大型犬のわんちゃんやお水が好きなわんちゃんなどは暑さを忘れて楽しめる遊びになるでしょう。

水辺でなくてもお庭でのプール遊びでも充分な満足ができると思います。

お外で遊ぶ場合は、気温や湿度などを観察し、日陰を上手に利用するなどの配慮をして、熱中症には気を付けてあげてくださいね。

室内での知育遊び

わんちゃんはストレス発散のために、外にお散歩に出ないと思いがちですが、必ずしもお散歩だけが発散方法ではありません。

飼い主さんとしっかりと信頼関係を築けていれば、室内で一緒に工夫をして遊ぶだけでも充分な満足が得られます。

広さに限りのある室内では、思い切り体を動かした遊びは難しいですが、頭を使った知育遊びはおすすめです。

おやつが大好きな子であれば、おやつが工夫しないと食べられないような知育玩具の使用や、わんちゃんの優れた嗅覚を利用したノーズワークという遊びも最近では注目されているため、涼しいお部屋の中で一緒に遊んであげるということも楽しい時間になるでしょう。

体感温度を下げるための冷たいごはんやおやつ

暑い夏だからこそ、人間のように冷たいごはんやおやつをあげて涼を感じてもらうこともおすすめです。

冷たいジュレ状のごはんや、凍らせただし汁の氷をかき氷状にしてドッグフードにトッピングしてあげるなどが試しやすい方法と言えるでしょう。

ただし、大量に与えることでお腹がびっくりしてしまい、下痢や嘔吐などの消化器症状につながることもあります。

与える場合、少量を目安に与えることをおすすめします。

まとめ

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飼い主さんたち人間にとってはたくさんのイベントがあって楽しい夏ですが、わんちゃんとの思い出は避暑のためにお家の中で過ごすことや、暑さによって体調を崩した思い出になりがちなのが日本の夏です。

なぜわんちゃんたちは夏が苦手なのか、その苦手を乗り越えるために何をしたらいいか、そしてどんなことなら楽しめるかということを考えることで、新しい夏の過ごし方ができるかもしれません。

四季を通じて、それぞれの季節に合わせた楽しみ方を一緒にできると、たくさんの思い出が増痩せるのではないかと思います。

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