「犬、そして猫が生きる力をくれた」を読んで。

「犬、そして猫が生きる力をくれた」を読んで。

愛犬家のみなさんは、「プリズン・ペット・パートナーシップ」ってきいたことはありますか??これは私達「ヒト」と「動物(犬や猫)」双方にとって、とても良いことだと私は思っています。ご存じの方もそうでない方も、もしよかったら、大塚さんというフォトジャーナリストさんが書いた本「犬、そして猫が生きる力をくれた」を、良かったらこれを機に知ってください。

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「犬、そして猫が生きる力をくれた」とは

みなさんは「大塚敦子」さんという、フォトジャーナリストをご存じですか?
犬や猫の本をいくつか出してらっしゃるので、愛犬家のみなさんならきっとご存じの方も多いと思います。

私が大塚さんを知ったきっかけは、3.11の後に出された、「いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ」でした。
それから大塚さんの書き綴る本に興味を持ち、今回も読ませていただきました。


犬、そして猫が生きる力をくれた――介助犬と人びとの新しい物語 (岩波現代文庫)

この「犬、そして猫が生きる力をくれた」は、一言で言うなら、『受刑者と動物たちのドラマを伝える本』で、「プリズン・ペット・パートナーシップ」という取り組みについて、とてもわかりやすく解説されています。

塀

受刑者、つまり何かしらの罪を犯した方が、あるプログラムによって変わっていく過程が描かれているのですが、その受刑者の中には、大きな罪を犯してしまった方や、心に傷をかかえている方など様々な方がいらっしゃいます。
そして、大半の受刑者は、自分や人が信じられなくなっていたり、心を閉ざしてしまっています。

そんな受刑者達がこの「プリズン・ペット・パートナーシップ」を取り入れることによって、受刑者の心を犬や猫たちが開いていくのですが、これは愛犬とお過ごしでしたら、なるほど!と共感する所がたくさんあると思います。

プリズン・ペット・パートナーシップとは??

檻の中の犬

「プリズン・ペット・パートナーシップ」とは、刑務所の中で、受刑者が介助犬を育てていくというプログラムのこと。
最近よくメディアにとりあげられていますが、実は1982年にアメリカで発案されたものだったそうです!!そんなに前から!?と私は驚きました。

このプログラムで活躍しているのは、捨てられて殺処分される予定だった犬たちや、補助犬や盲導犬などを育てている団体から引き取られた犬達。
そして、その犬たちを受刑者がお世話することによって、傷付いた受刑者の心を癒し、閉じられていた心を開かせ、やりがいを与えるなど、とても大きな効果が得られているそうです。

多くの受刑者たちは、このプログラムによって自信を取り戻し、誰かに必要とされることの喜びを知り、これが社会復帰の一助となっているのです。

捨てられて殺処分されるかもしれなかった犬たちも、こういった形で救われ、生きることができます。
そして、育成された犬たちは、介助犬として刑務所を出て世の中の役に立つ犬として活躍しているそうです。
また、このプログラムのおかげで、出所後の再犯率がゼロになったこともあるほどです!!
受刑者にも犬にも、"どちらにも良い”効果をもたらしているのですね!

私は、ウチの愛犬をセラピー犬にしたいと考えているのですが、その理由は「ヒト」にはできないことを「犬」はできるし、犬だからこそ与えられるものがあると、愛犬と生活をしていて実感したからです。
また、このプログラムで犬たちを世に送りだした受刑者のように、私も自信が持てたり、多くの人と向き合える気がしたからです。

日本でももっと広まって!そして殺処分や捨て犬を減らそう!

柵の前の犬

日本でも、「プリズン・ペット・パートナーシップ」を取り入れた刑務所があるそうですが、海外に比べるとまだまだ。。でも、殺処分が多い日本では、その小さな命たちをこのプログラムを活用することで、犬たちの命を救い、受刑者を癒し自立させながらも、そこで介助犬として育ててもらい、世の中で活躍することができれば、日本における悪循環も少しは解消されるのではないでしょうか?

犬の持つ力は大きいです。
言葉はわからずとも、心は通い、犬は私達人間に寄り添ってくれます。
そんなかけがえのない存在である犬たちを守りながら、受刑者の社会復帰のためにも、もっと日本でも「殺処分0を目指します!」と、ただ大きなテーマとして掲げるだけではなく、実際にできる事の一つとして、ぜひとり入れてほしいと思います。

日本では、認知症の方が生活する施設に犬が定期的に訪れたり一緒に生活することで、生きがいやりがいを感じて、その方たちの中には記憶が戻ったり、認知症の症状が緩和したということがあるそうです。
保護犬達がもっと私達の愛犬のように、人間と生活したり活躍できる存在に、もっとなっていけたらと思います。

最後に

私はこの本を読み進めていくうちに、これは「ヒト」対「ヒト」ではなく、「ヒト」対「動物」だからこそ、受刑者の心や考えを変える事ができたのだと思いました。

受刑者の多くは人を信用することができなくなっていたり、罪を犯した罪悪感と犯罪者に対する世間の偏見などから、心が頑なになっている人もいます。
でも犬たちには偏見なんてなく、純粋にその「人」を見てくれます。
また、犬と暮らしてい方ならお分かりだと思いますが、一緒に生活をしている愛犬はゴハンやお水をあげたり、私たちがお世話をしないと生きてはいけないですよね?
これが、とても重要なんだと私は思います。

最初はただ作業として、愛情などの感情もなく一緒に生活をしたり、お世話や訓練をしていただけなのに、時折犬が見せてくれる笑顔や、シッポを振って待っていてくれる様子を見たらきっと、
『自分を待っていてくれた。自分を必要としてくれている』
『犬はいつでも従順な暖かな存在で、こんな自分に偏見なくなついてきてくれる』
などの感情がうまれてくるのだと思います。

また、犬は心を開く存在としてだけではなく、介助犬にするために一緒に訓練することで、受刑者にもやりがいや生きがいが生まれ、それが自信になっていくのだと思います。
これって、とても素晴らしいと思いませんか?

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 りく

    私も、随分前にテレビで見た番組で、アメリカ刑務所の囚人さんが保健所で、殺処分される雑種犬を聴導犬に訓練してる姿を見て感動しました。アメリカは、こういう事が日本よりも進んでいるんだなぁとおもいました。プリズンペットパートナーシップ是非日本で広まって欲しいです。
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