犬は贅沢品や趣味と言われる理由
犬は贅沢品だ、趣味だ、と言われるのは犬のことが好きで迎えている人やこれから迎えようとしている人の心を刺してくるでしょう。
しかし、これは決して間違いではない意見であり事実だということは知っていてほしいのです。
次を見てみましょう。
辞書で贅沢品を調べると『生活に直接必要のない高価な品』とあり、趣味は『仕事や職業としてでなく個人の楽しみとして愛好する事柄』と出てきます。
これは犬を迎えるにあたってどちらも当てはまる内容で、犬は生活をするうえで直接必要のない高価な生き物であり、個人が好んで愛しむ事柄です。
犬を迎えるということは犬の生涯を預かるということ
犬を迎えるということはお金がかかります。
それは購入費や迎えるに伴う備品だけの話ではなく、予防や治療のために定期的にかかる食事を含む動物病院への費用、犬との暮らし方におけるドッグトレーナーへの相談、最低でも月に1回はお願いするトリミングの費用、また日常生活で犬が退屈をしてしまわないように工夫をするための費用など多岐にわたります。
そしてそれらの費用は犬が生きている間ずっとかかるものであり、増えることはあっても減ることはありません。
特に病気や怪我によって大きな費用が必要になることも当たり前にあります。
「まさかうちの子が…」と想定していなかったという反応を示す飼い主さんは少なくないですが、決してそれは特別なことでも想定外のことでもないのです。
いつ何時何が起こってもおかしくないようにすることは、すなわち犬の生涯を預かるということであり、それが犬を迎えるということです。
犬を迎えるなら犬にすべてを捧げる覚悟
犬を迎えるのであれば犬にすべてを捧げる覚悟をもつ必要があります。
子犬の時期であれば危険のないよう環境を整え、さらに夜泣きなどに対応することも必要ですし、子犬がゆえに環境の変化などで体調の崩しやすい時期でもあるのですぐに対応できるようにしとかなければなりません。
また、成犬であれば多少落ち着いてはくるものの、子犬の時にどのような関わり方をしていたかが大きく影響する年齢でもあります。
だからこそ子犬の時に適切な対処ができていなかったことで起こっている問題があれば、成犬だからと諦めたりせずに早急にプロに相談しそのための時間とお金を確保しなければなりません。
そしてシニア期になるとやはりさまざまな衰えから体調を崩しやすくなったり、治りも遅くなったりなどの変化も出てきます。
それに対応するためにも十分な時間とお金が必要であり、介護用品の必要性があれば子犬の時以上に費用がかかり介護から睡眠時間が取れないこともあります。
もちろん、旅行やちょっとした留守などもすぐにはできないこともありますし、預けるにしても預け先の確保だけでなくそれに伴う練習などもしたほうがいいです。
このように、犬を迎えることその覚悟を持つということは決して簡単ではありませんし、可愛いや可哀想だけで迎えるものではありません。
まとめ
「犬を迎えることは贅沢であり趣味である」というのは決して間違いでありません。むしろ真実です。
犬を家族として愛している人からするとやや棘を感じるかも知れませんが、犬を迎えるにあたって時間とお金と労力は絶対かかってきます。
そして適正飼育をすること、すなわちQOLと動物福祉の向上は犬を迎えた人間の責務です。
その責務を果たすためには時間も財力もカツカツでは不可能です。
もしも今現在迎えたいとは思うけどそこにかけるべき時間と費用と労力が十分ではないと思われるのであれば、迎えないという選択も愛ではないでしょうか。
迎えるだけ迎えてQOLが低い動物福祉としてもマイナスな飼育をしてしまうのは、その犬の幸福度は確実に下がってしまいます。
それを回避するために迎えないということは、その犬の幸福を守ることにも繋がるはずです。
迎えるからえらい、迎えないから悪いということは決してありません。
犬を守るためのそれぞれができる選択を間違えないようにしましょう。