インブリード,ラインブリードによる危険性とモラルについて

インブリード,ラインブリードによる危険性とモラルについて

インブリードやラインブリードにより生まれて来た犬は容姿端麗と言われますが、その反面、遺伝性疾病を抱えた犬も少なからずいると言われています。ここではインブリードとラインブリードの危険性とモラルについて考えて行きます。

インブリード,ラインブリードはモラルに欠ける繁殖法

寂しそうな犬

近年、一部の生産者により生産の効率化や小型化などを目的に、インブリード(極近親繁殖)を頻繁に発生させるケースが相次いでいると言われます。
良い所が強調された優れた犬が生まれてくるのは事実ですが、その反面リスクや危険性も高くなります。
それは【感覚障害】や【奇形】で生まれて来る子犬達がいると言う事です。

一方、ラインブリード(系統繁殖)は、その危険性が低いと言われていますが、100%ではありませんので疑問は残ります。

現在JKC(JAPAN KENNEL CLUB)では正当な理由無しでのインブリードは禁止しています。
動物愛護の観点から見ると好ましい行為とは言えません。
合法的な手段と言えども、健康な犬を生産すると言う意味ではモラルに欠ける繁殖法だと思うのですが如何でしょうか?

インブリード、ラインブリードとは

よく似た犬

インブリード

インブリードとは、親子同士や兄弟姉妹同士の極めて血筋の近い犬同士で交配させる「極近親繁殖」の事でクロスブリードとも言います。
この方法で交配させると、体格の小型化,生殖能力の低下,抵抗力の低下などのリスクが付いて回る事になります。

ラインブリード

ラインブリードとは 叔父と姪、叔母と甥、祖父と孫娘の様な親近繁殖を言い、「系統繁殖」とも言われています。
インブリードよりもリスクが少ないため、優秀な遺伝子を受け継がせるための手段として用いられています。
しかし危険性は皆無とは言えません。
この方法は複数の系統の場合が多いので、インブリードに近いケースがあり、厳密な区別は出来ないと言われています。

その他の繁殖法

その他の繁殖法として、体質の強化など目的で行わるアウトブリード(異系繁殖)があります。
アウトブリードは5世代まで遡り、先祖ではない犬同士を交配させる方法です。
アウトブリードで生まれた犬は、全く異なった系統間の繁殖であるため病気に強く健康だと言われています。
この方法はインブリードの危険性を回避できる良い繁殖法と言えるでしょう。

ただし遺伝子がかけ離れているため、どの様なタイプの子が生まれてくるのか分かりません。
しかし、一般家庭で繁殖させるのならアウトブリードで良いのではないでしょうか。

健康な犬を望むのなら純血種に拘らない

純血種の多くはインブリードかラインブリードで生産されています。
しかし、これらの繁殖法で生まれて来る全ての犬が遺伝性疾病を抱えている訳ではありません。
ですから容認派と反対派に考えが二分されるのです。

本当に健康な犬を望むのであれば、純血種に拘らないかアウトブリードを選択する事です。

健康な犬を選ぶには

インブリードを重ねると、骨格や身体が小さくなる,欠歯,遺伝性疾患,内臓疾患,陰睾丸、などの発生率が高くなります。
その様な子を見るのは辛いですよね。

あなたが好きな犬種の子を迎えるのならば、容姿端麗よりも健康な犬を選びたいと思うでしょう。
それにはインブリード、ラインブリード以外で生まれた犬を選ばなければなりません。

ではどうするのか?

JKCの会員ブリーダーから購入する 

 
ペットショップで購入せずにJKCの会員ブリーダーから直接買うのです。
JKCの会員となっているブリーダーの多くは、長年に渡ってその犬種を愛して守り続けている方が登録されています。
購入前にJKCに連絡して、信用できる会員ブリーダーを紹介してもらいましょう。
また購入の際に両親犬から4~5代まで遡り、血統を確認しておくのも良いでしょう。
愛犬と10年以上は生活を共にするのですから、元気で長生きして欲しいと思いますものね。
因みに私の愛犬はこの方法で購入しました。

愛犬

ペットショップで購入するのならショーケースの子犬は買わない

もしペットショップで購入するのなら、ショーケースにいる子犬を買わずに、ショップのスタッフにその主旨を伝え産まれる前に予約しましょう。
そして産まれたら子犬の動画か写真を送ってもらい、気に入ったら正式注文をします。
出来ればブリーダーの犬舎まで出向いて、自分の愛犬となる子犬をチェックする事をお勧めします。
 

まとめ

近年に於いては昔に比べるとインブリードは少なくなっていますが、利益追求のためにインブリードを繰り返す最もモラルに欠けるパピーミル(繁殖屋)がいます。
こういう人達は何でもありですからね。

パピーミル

多くの犬種を1ヶ所に集め、生産工場の様に子犬を次々と繁殖させています。
そのため身体の弱い子や奇形の子が生まれたりするのです。
おまけに繁殖させ過ぎて管理できなくなり、挙げ句の果には飼育放棄で捨てたりします。

可哀相であるし悲し過ぎます。
こんな事は絶対にあってはなりません。

でも悲しいことに、私がこの場を借りて叫んでもどうなるものでもありません。
しかし分かって欲しいのです。
止めて欲しいのです。

これが全国にいらっしゃる愛犬家の切実な願いではないでしょうか。

愛犬家

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