動物病院が「休診中」だった時の対策と備え
365日24時間対応してくれる病院ももちろんありますが、すべての病院が対応してくれるわけではありません。
夜間や昼休みなど、休診時間がある病院は多くあります。診察時間まで待てる状態であれば問題ありませんが、緊急で受診が必要になる場合のために対策を考えておくことが大切です。
かかりつけの動物病院の診察時間・休診日を把握しておく
意外と知らない飼い主さんも多くいるのが、かかりつけ動物病院の休診日や休診時間です。病院の看板やホームページ、診察券に記載してある動物病院もあるでしょう。
休診時間の対応について聞くのと同様に、診察時間についてわかりづらかった場合は聞いて確認しても良いかもしれません。
休診日以外にも臨時休診がある場合もあるので、病院からのお知らせをこまめに確認したり、受診前に必ず電話をして、休診ではないか確認すると安心でしょう。
休診時間中の連絡先を確認しておく
休診時にどこの病院へ受診すべきか、休診時はどの電話番号に電話すべきか明確なアナウンスがされている動物病院もあります。かかりつけの動物病院ではどのような対応をしているのか、確認しておきましょう。
特に発作や容体の急変が起こり得る持病や治療中の病気があるわんちゃんの飼い主さんは、万が一の時のために、確認しておくことをおすすめします。
受診時に確認しておくと、休診時に提携している救急病院や、休診時の特別ダイヤルなどを教えてもらえる場合もあります。
かかりつけ以外の近隣の動物病院を探しておく
近隣の病院や救急専門の病院などで、対応可能な病院を探しておきましょう。
中にはかかりつけの動物病院が休診時に対応してもらえるように、提携している動物病院がある可能性もあります。
まずは、かかりつけの動物病院で確認したり、病院からのお知らせを細かくチェックしておくと、アナウンスされているかもしれないので気付けるでしょう。
もしわからない場合は、飼い主さんがご自身で近くの病院にて受診可能な病院を見つけておきましょう。何かトラブルが起きたその場で探そうとすると、慌ててしまって、上手に見つけられない場合があります。
あらかじめ、何院か診てもらえそうな病院を探しておいて、その病院の連絡先や診察時間などを把握しておくと安心です。
ご家族とも共有しておくと、お仕事などで飼い主さん本人がいない場合でも、ご家族が慌てずに対処できる可能性が高く、おすすめです。
かかりつけの先生以外の動物病院で診察をうける際に必要なことは?
緊急時に、かかりつけの先生に診てもらうことが一番安心ですが、休診時で緊急性を要する場合には、やむを得ずかかりつけの動物病院以外で受診をする必要が出てくる可能性もあります。
ではどのような準備が必要なのでしょうか。
まずは電話をする
どのような状態でもすぐに受け入れてもらえる動物病院、予約制で診察をしている動物病院など、在籍している獣医師の数や診療施設の規模などによって、診療体制は動物病院によって様々です。
初診であること、受診を希望することにつながった症状、持病の有無など要点をまとめて伝えましょう。
すぐに受診を希望することも同時に伝える必要があります。
症状の変化について細かく記録
緊急時には、いかに手短に要点をまとめて相手に情報を伝えられるかということも大切です。
かかりつけの動物病院であれば、持病や病院にかかったことのある病気がカルテから引き出せますが、初めての病院では、わんちゃんに関する情報が一切ありません。
電話をするに至った経緯として、いつから、どこで、どのような症状が、どのくらいの時間やどのくらいの程度で起こっているのかをまとめて、受診時に伝えましょう。動物病院のスタッフも、緊急度をある程度判断しやすくなると思います。
その後も受診までの間に、どのような変化があったかを細かくまとめておくと、初めての動物病院のスタッフさんともコミュニケーションがとりやすくなる可能性が高いです。
持病や普段飲ませているお薬などはいつでも伝えられるように
前述したように、初めてかかる病院の場合、おうちのわんちゃんのカルテが無く、基礎情報が全くありません。
犬種や年齢、手術歴の有無なども含め、飼い主さんから病院のスタッフさんに伝える必要があります。
持病や普段飲ませているお薬などがある場合は、今起こっている症状と病気の兼ね合いや、治療で使う薬との兼ね合いを考慮する必要がある可能性もあるため、いつでも伝えられるようにしておくことが大切です。
わんちゃん用のノートなどを作って、投薬中のお薬や日頃の検査のデータなどをまとめておくと、わかりやすいかもしれません。
緊急で受診が必要な体調不良・トラブルとはどんな時?
緊急で受診が必要な体調不良やトラブルが起きた場合は、すぐに動物病院につれていく必要があります。
では、どんな時にすぐにでも受診をしなければならないのでしょうか。一般的には速やかな処置や、命にかかわる症状の場合は緊急での受診が必要です。
様子見で診察時間まで待つ場合と、救急時のボーダーがわかりづらく、判断に困るケースもあるでしょう。判断する際の例をいくつか紹介します。
誤飲・誤食
誤飲・誤食で強い中毒症状を起こすものや先が鋭利で、消化器粘膜を傷付けるものなどでない限りは、異物が摂取直後に悪影響を与える可能性は低いです。
内視鏡などがある病院では直後でなくてもある程度対処できる可能性もあるでしょう。
しかし、お薬などで催吐処置を行う場合などは、摂取直後の胃の中に存在している時間までに処置を行わないと、以降は手術が必要になる可能性もあります。
どのような方法で対処をするのか、異物の内容や全身状態などから獣医師が判断することが多いです。行える処置の選択肢を狭めぬよう、早い段階での受診をおすすめします。
意識消失などの命の危険にかかわる変化
心臓の循環の問題や呼吸の異常など、そのまま様子を見ていて、命の危険につながる危険性のある変化もあります。
ずっと口を開けた状態で呼吸をしていたり、呼吸が荒い、呼びかけても反応がないなどの場合はすぐに診てもらえる病院を受診しましょう。
できればかかりつけの動物病院が安心ですが、一分一秒を争う事態である可能性もあるので、すぐに診てもらえるかどうかを電話で確認した上で、近くの動物病院などに受診してください。
かかりつけの動物病院でない場合、状態が把握しづらい可能性もあるので、いつからこのような状態になったのか、どんな持病があるかなどもわかりやすく伝えると、処置や診察がスムーズに進む可能性が高いです。
持病の発作などの緊急な処置が必要な変化
てんかんや心疾患など、発作を起こす可能性が高い病気もあります。持病のわんちゃんも、突然発症するわんちゃんもいるでしょう。
軽度であれば、そのまま様子を見ていて、状態が安定する場合もありますが、重度の場合は速やかな投薬や処置が必要な可能性も高いです。
持病の子であれば、院外で万が一緊急な処置が必要になった場合のために、常備薬などをいただいておくことも、選択肢の一つです。
初めて発作が起きる場合などは、すぐに受診をする必要があるのと、どのような状態に陥ったのかを知らせるために、動画を撮っておくと、獣医師にも状態が伝わりやすいでしょう。
まとめ
休診時間が設定されている病院も多く、その時間に何かトラブルが起こってしまうということは、飼い主さんにとってもその際の対処方法が心配事であることが多いのではないでしょうか。
わんちゃんに異常が起こった場合、様子を見ても問題ない場合は、信頼できるかかりつけの先生に診てもらえて安心できるケースが多いですが、中には緊急度が高く、病院を選ばずに受診をしなければいけないケースもあります。
何かが起こった時に、休診時間かどうかを調べるところから始めるのと、ある程度の病院選択まで行っておいて、連絡などから始めるのとでは受診してもらえるまでの時間にも差が生じます。
健康な状態のときから、万が一の時のために、情報を集めて、対処方法や、受診出来る動物病院や交通手段などもまとめておけると安心です。