スペインでは飼い犬の糞を拾わないと罰せられる?
マドリードの新たな取り組み
スペインの首都マドリードではこのたび、路上における飼い犬のふんの始末を怠った飼い主に対し、最高で1500ユーロ(約18万7000円)罰金もしくは合計最大10時間の路上清掃活動を課することが発表されました。
市の声明によると、犬のふんの最も多い2つの地区で試験的に取り締まりが導入されるそうです。
市当局はこれまでにも、犬のふんを入れる袋を無料で数百万枚も配るといった対策を行っていたましたが、路上や公園には未だにあちこちに犬のふんが落ちているのが現状です。
ふんが遺失物?色々あった世界の罰則例
世界のふん対策
前述のスペインだけでなく、世界では放置された犬のふんの問題がなかなか後を絶たず、そこでは様々な罰則や対策が考えだされ講じられています。
今回はそんな世界のふん対策をご紹介したいと思います。
DNAで飼い主特定
スペインではこれまでにも、独創的なふん対策が複数の自治体によりなされてきました。
スペイン北東部のタラゴナ(Tarragona)ではこのたび、DNA鑑定による犬のふんの分析を行い、犬の飼い主を突き止める計画が発表されました。
犬のふんをDNA鑑定して飼い主を突き止め、犬のふんを放置した飼い主に、最高1500ユーロ(約18万円)の罰金、もしくは合計最大10時間の路上清掃活動の義務が課せられるという厳しいものです。
アメリカでは「PooPrints」なる犬のふんからDNAを採取するキットが市販され、シアトル市民の間では犬のふん対策に一役買っているといいます。
「PooPrints」の使用はシアトルだけでなくマイアミ、ダラス、ロスアンゼルスなどの大都市を中心に約1000箇所に拡がりつつあります。
今後、DNA採取による放置された犬のふんの飼い主の特定は、世界中にさらに普及すると見られています。
荷物の中身は?
また、スペインのマドリード郊外にあるブルネテ(Brunete)という街では、2013年に路上に放置された犬のふんを「遺失物」とみなし、箱に入れてボランティアが1時間以内に飼い主の自宅に犬のふんを届ける、という措置を短期間実施しました。
飼い主の住所を特定する方法は、ボランティアが怪しまれないよう飼い主に近づき「かわいいワンちゃんですね」などと話しかけ、犬の種類と名前を聞き出し、登録されたデーターベースから飼い主の身元と住所を割り出したそうです。
人口約1万人のブルネテで、約500人の人がペット登録をしており、ボランティアは犬の名前がわかればすぐに飼い主の住所を割り出すことができます。
147件の郵送を行ったところ、犬のふんの放置は約70%も低下したとのことでした。
地元の市長は「小包を受け取った人から苦情の電話が入ったことは確かだ。恥をかかされたと感じたのだろう」とのコメントを発表しました。
しかしながら、配送途中のニオイ対策はどうだったのか気になるところではありますね。
ウンをつかめ!
そしてこれは罰則ではありませんが、台湾では犬のふんを届けると宝くじがもらえるというユニークなふん対策を試験的に実施し、約1万4000袋が回収され市当局の予想をはるかに上回りました。
自分が飼い主であれば自分の愛犬のふんを、また飼い主でなくとも街で犬のふんを見かけたら届けるだけでくじがもらえ、くじがほしい人は自主的にふんを回収し届けるようになったといいます。
これはなかなか賢いアイデアなのではないでしょうか?
財源の問題はありますが、やはり効果はてきめんなはず。
ちなみに当選金額は1等で約16万円、2等で約5万円、3等で約3万円でした。
まさに文字通り「ウンをつかむ」話しではありますが。
まとめ
たしかに世界には「犬のふんを片付けない」という文化が存在する地域もあります。
ヨーロッパなどの多くの国では、街のいたるところに放置された犬のふんが見られるところも。
ここ日本においては、他の国々と比較するとかなりマシなのではないかと思われます。
しかしながら、やはりときには放置された犬のふんに遭遇することもあります。
自分が踏んでしまうのもあまりうれしいものではありませんが、さらに困るのは自分が飼い犬を連れて散歩している時。
散歩中、愛犬が茂みをゴソゴソ匂いを嗅いでいると思ったら、その鼻先に放置された犬のふんが鎮座しており、思わずゾッとしてリードをグイっと引っ張ってしまったことも。
愛犬のふんを片付けるのは常識であるとともに、愛犬家を自負するなら、愛犬家としてのプライドの問題でもあります。
とにかく飼い主さんには、かわいい愛犬のふんを確実に片付けて頂くことを切に願います。