よく調べてからスクールを選ぼう
もう二度と失敗しないように。『石橋をたたいてから渡る』よりももっと慎重に、石橋を作っている工事現場に作業員として入って、実際に石橋を作って石橋の構造を理解したうえで渡ってみよう。
それが愛するコーダへの誠意。
AFCのホームページ http://www.afc-dog.jp/には、
「飼い主と一緒に学ぶ家庭犬のしつけ教室です。愛犬の可能性を引き出しましょう」
とあり、実際にどんなスクールなのか知るために1日研修をお願いしたのです。
AFCが里親として飼育されてしている犬や猫のお世話と、「しつけ教室」のアシスタントをする事により、私の犬に対する考え方やドッグトレーナー・インストラクターとしてあるべき姿が見えてきました。
1日スタッフ体験後半
施設に戻ると、責任者の方にインストラクターの先生についてアジリティを見ておいでと言われたのでついて行きました。
那須塩原の清々しい空気。
緑豊かな山の上、小鳥の声が聞こえます。
綺麗に土壌が整備されている広いアジリティグラウンド。
本物を見たのは初めてでした。
グラウンドに、障害物を組み立てる専門のスタッフさんがインストラクター先生の指示したコースを淡々と組み立てていきます。
今からクラスを受講される生徒さんに対して、私をアシスタントとして紹介していただきました。
アジリティって何でしょう?
アジリティって何だろうと言う方に説明しますが、ハードルやトンネル、シーソーなどの障害物をクリアしていく競技で「犬の障害物競争」と言うとわかりやすいかもしれませんね。
「生徒さんが、このコースを考えるのが大変なのよ。犬が怪我をしないようにとか、犬種に合わせたハードルのバーの高さもあるし、飛びやすいハードルの間隔や、Aラインの幅も決まっているしね。」
と、話してくれました。
私はこれまで、ドッグランの中にある遊具のアジリティ位しか見た事が無かったので見るものすべてが目新しく、とても興味深いものでした。
飼い主さんの誘導に合わせて、犬が凄い速さでハードルを越えたり、ジグザグとジャンプをしながら1列に並べられた棒をすり抜けたり、トンネルを躊躇することなく駆け抜けたり、私にとっては信じられない光景です。
犬がラジコンになってしまったみたい。
犬も人も無理をせずに楽しんでステップアップしています。
レッスンの最後はコースのレベルをひとつ下げて、犬に成功を経験させ、たくさん褒めておしまいにすることにより、犬の自信を伸ばしてあげるのも上手くなるコツ。
そうすると犬は「楽しかった!飼い主が喜んでくれた!またやりたいな!」と思うわけだそうです。
生徒さんが退場された後に、アジリティの片付けを手伝いました。
数字の書いてあるコーンを順番に重ねてと言われ、コースを走りながら17個のコーンを拾いました。ハードルを片付け、平均台みたいな所にビニールシートをかけたり、砂袋を運んだりとまるで部活のようです。
トレーニングジムでのパピーレッスン
終わるとインストラクター先生がパピーレッスンを見てみる?と言ってくださいました。
屋内ジムの中に入れて貰えて少し離れたところからトレーニングを見学します。
あまり近くに寄って凝視したり不審な動きをすると、犬の「刺激」になるので存在感を消します。
パピーレッスンは丁度、オスワリ、マッテ、オイデ、フセ、タッテのコマンドと身体の動きを練習する所でした。
自発的な行動を褒めて伸ばす
私が知っているリードで犬をコントロールしようとする「ツケ」「スワレ」「マテ」なんかじゃなく、犬が自発的に動いた事で望ましい行動が出たら褒めてご褒美、できなかったら仕切り直す感じでした。
『脅しや体罰をメインに使って、犬に上下関係を強要し、ご褒美を使わないトレーナー』の教え方と正反対です。
AFCでの1日スタッフ体験は私の価値観を一変させました
1日ではすべて知るなんてできなかったし、もう一度まとまった日にちで研修を受けさせて頂きたいとお願いし、ゴールデンウィークを使ってインストラクターの研修を受けさせて頂くことになりました。
まずは首輪を変えよう。
1日体験から戻った私はコーダの首輪をまずチョークタイプの物からベルトタイプの物に変えました。コーダの”引っ張り癖”だと思っていましたが、私の”リード引き癖”を直すのに時間がかかりました。
上下関係ではなく家族の一員でパートナーです。
犬と人の関係を上下関係で結ぼうとすると、少しでも思い通りにならないことがあれば、リードを引いてショックを与えていたし、強い口調でコラ!とかオイ!などと厳しい口調で怒鳴っていました。
犬と人間は行動も考え方も常識も全く違う別の生き物なのです。
私はリーダーでもなくアルファでもなくコーダの保護者であり、家族で、一生のパートナーです。
どんな理由であっても自分を痛めつけるような上司や先輩や支配者が居たら、相手の事を好きになれるわけがありません。
上司や先輩や支配者だからと言ってオイだのコラだの、後輩や部下に向かって威圧的な口調を使う人を好きになれますか?
そもそも上下関係と言うのもイメージの掴みづらい不確かなものですね。
人は逃げたり誰かに助けを求めたりできますが、犬は飼い主を選べません。
もし愛犬が飼い主の家から逃げることが出来たとしても、犬は野に帰る事はできません。
逃げた犬が行き着く先は・・・
いつからでも遅くない愛犬との絆づくり
もしこれを読んでいる人が自分の犬を愛しているのにも関わらず「しつけのために」直接罰を与えているとしたら今すぐにやめてください。
『人間にとって都合の悪いこと』をしたら、大声でしかりつけたり、大きな音を出して脅したり、チョークタイプやハーフチョークタイプの首輪であっても、それを使ってリードをひいて犬の首を絞めていたり、犬の目をのぞき込んでくどくど説教をしていませんか?
人あたりは良いのに、相手が犬になると、きつい口調で罵ったりしていませんか?
上記は私が全部やめた事です。
「スワレ」は「オスワリ」に変えました。
「マテ」も「マッテ」に変えました。
ささいな事ですが、
「吠える」「かじる」「破壊」「ぬすみ食い」「マウンティング」が常識の犬と一緒に暮らすと決めて、その個性を受け入れたうえで人間の要求を聞いてもらおうとするなら、座ってくれますか?待ってくれますか?言うとおりにしてくれたら報酬を与えると言うのがフェアではないでしょうか。
お給料が無い会社で「仕事しろ」なんて言われても、あなたは喜んで働けますか?
「やってくれたの?ありがとう!はい、1万円!」それは嬉しいですよね。
あれをやると1万円貰えるから、またやろうと、次も喜んでやりますよね。
言葉には感情が乗ってしまうものです。
上品そうな女性がドッグカフェに可愛い愛犬を連れてきて「スワレ!!スーワーレ!!」と、(刺激が多くて家と同じようにできず)いつまでも座らない愛犬に対してドスの効いた声でイライラと指示を出しているのを見ると残念だなぁ、と思ってしまいます。
もしも今から『声の合図』をスワレからオスワリに変えようと思っても、教え方を間違わなければ全然遅くありません。
たとえばそれが「オスワリ」であっても「ABC」であっても、犬にとって言葉は関係ありません。人にとっては、『言葉には感情が乗ってしまう』ので優しい言葉に変えると優しく指示できるかもしれませんね。
何かをお願いされるときは、優しく言われた方が快く引き受けられませんか?
脱線しましたが、次は研修本番の事をお伝えします。
コーダのテイクわん! ~愛犬の可能性③~につづく
▼【連載】コーダのテイクわん!記事紹介
前:コーダのテイクわん!~愛犬の可能性①~
今:コーダのテイクわん!~愛犬の可能性②~
次:コーダのテイクわん!~愛犬の可能性③~
一覧:コーダのテイクわん!