〇〇〇〇が増加?
近年、日本各地に続々とドッグラン施設がオープンしています。施設数が増えるのは嬉しいことですが、残念なことにドッグランにまつわるトラブルも増加しています。
ここからは実際にあった例を元にお話を進めてまいりますが、読む前に知っておきたい法律をひとつ。それがこちらです。「???」と感じられるかもしれませんが、この法律を踏まえつつご一緒に見てまいりましょう。
≪動物の占有者等の責任≫
民法第718条1項 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
実例、ドッグラン内トラブル
1.中型犬に頭部、顔を咬まれたトイプードル
犬種に制限を設けていないドッグランで起きたこの痛ましい事故は、2020年の出来事です。休日の午後、公園の混み合うドッグラン内。走り回っているうちに興奮のボルテージが高まった中型犬がそばにいたトイプードルの頭部、および顔を咬んだことによって、トイプードルにケガを負わせた事故です。
咬まれたトイプードルが耳の裂傷と鼻先のケガで済んだのは不幸中の幸いともとれますが、もしほんの少しのタイミングのズレがあったなら、最悪の事態も考えられます。犬の身体のサイズごとに区切られたドッグランは、こうした大きな事故を未然に防ぐ目的もありますのでご参考になさってください。
2.幼児の手に咬みついたチワワ
幼い子供が苦手だという犬もたくさんいます。本件のチワワもその中の一頭。関東にある有料のドッグランで起きてしまったこの事故は、同じドッグラン内に居合わせた幼児が不用意に他者のチワワを撫でようとして手を出した結果、チワワが幼児の手を咬み傷を負わせたという事故です。
数多くある犬種の中でも、特にチワワはその身体の小ささから、つい手を伸ばして触れてみたくなるような気持ちになることは分かります。しかし、それが事故の引き金になることも。
こうしたケースでは、仮に状況がどうであったとしても、咬んだ犬が責められることが多いものですから、飼主さんは犬の性質を把握し状況に早く気づいて対処するのが、事故を防ぐためのポイントになるでしょう。
3.SNSでの誹謗中傷
こちらは変わって、飼主さん同士の間で起きたトラブルです。地域にある特定のドッグランでは、飼主さんたちによる派閥ができることがあるようです。人で言うところの「ママ友」のようなものでしょうか。
相性が合う、合わない、というのは犬たちの個性、月齢などによって違います。遊び方も色々ですから、時にハラハラする場面もあるでしょう。そうした中で派閥ができていき、やがてSNSを使ったメッセージやコメント欄への誹謗中傷を書き込む事態にまで発展したこのケース。相手方に精神的苦痛を負わせたとして訴訟問題になりました。
本件は飼主さん対飼主さんのトラブルですから、わたくしから原因と予防法をお伝えすることは控えます。しかし、こうしたことが起きれば悲しむのは誰でしょうか。大事に想う子のために行き始めた場所であったはず。
初めて行くドッグランでは
初めて行くドッグランでは、訪れる前に一度下見に行くことをおすすめします。どんな犬が何時ごろ集まるか。また、エリア分けや、おもちゃの持ち込みルールなど、そのドッグランの情報収集をしましょう。そして、選びましょう。
最初はドッグランの外周を犬に歩かせるなどし雰囲気に慣らします。ドッグランに来ているのは、犬と遊ぶのが上手な犬ばかりではありません。恐怖を感じるほどにひたすら追いかけまわすのが好きな犬、うまく挨拶できずに急にマウンティングする犬など色々なクセを持った犬がいます。ですから、いつでもご自身の犬から目を離さないでくださいようにしてください。
まとめ
ほとんどのドッグランでは、トラブルが起きた場合は飼主さん同士で解決し、施設側は関与しません。とするところが多いのが現状です。
冒頭で出てきた法律は、簡単に言うと「飼い犬の起こした事故は、飼主さんが全責任を持ってくださいよ。相当の注意を払い管理していた場合は別ですが」といった解釈ができます。つまり、私たち飼主はドッグランでマナーを守りながら、呼び戻しなどのトレーニングを教えるなどの対策を取る必要があります。
それでも、万が一事故が起きた場合の備えとして、賠償責任事故保険への加入をしておくとより安心して楽しむことができるのでおすすめです。