犬におすすめの魚3選!魚の持つ栄養と注意点を解説

犬におすすめの魚3選!魚の持つ栄養と注意点を解説

「ワンちゃんに魚を与える」と聞くと、ヘルシー、カルシウム、アンチエイジング、に代表されるような、体に良い印象を持つフレーズをイメージされる方も多いのでは。近年の手作り食ブームにあわせ、今、魚の持つ栄養価への関心が高まりをみせています。魚のことをもっと知ってワンちゃんの健康維持へ活用していきたいですね。今回は、魚の持つ栄養とワンちゃんにおすすめの魚3選、また、与える際に気を付けていただきたい点をお伝えしてまいります。

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日本初ウェディング専門ペットシッター会社【銀座INPET】代表。犬の心を大事に育てるメソッドを推奨。過去に警察犬嘱託訓練所、USトレーナーズキャンプ参加等、様々な訓練経歴を持つ

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

ワンちゃんは肉食オンリー?

笑顔ポメ

はじめに、ちょっとだけ犬の進化の歴史を見てみましょう。ワンちゃんの祖先は野生のオオカミ。これはみなさんご存じのとおりですね。

その中で枝分かれした一部のオオカミが人の近くで暮らし、やがて生活を共にしたり共同で狩りをしたりすることになり、長い時間を経て現在の「飼い犬」というものに進化を遂げたと言われています。

オオカミは肉食性の強い雑食ですが、雑食性の強い人と生活をするうちに犬の消化機能は変化し、人の主食であるでんぷんを消化するための酵素が体内生成されるようになりました。

これにより、犬は雑食性が高まって人の残飯を抵抗なく食べることができるようになり、栄養を摂取できた、というのが一般的に知られる犬の食物の歴史です。

地球上の変化の中で様々な歴史がありますが、変わらなかったのは人が犬とともに暮らすという事実です。その土地、土地に住む人々から食べ物を分け与えてもらい生活をしてきたということは、わたしたち日本人の祖先が魚を多く食べてきたように、現在のワンちゃんの祖先もまた、地域によっては魚を多く食べてきた歴史があると考えられます。

アラスカの遺跡から発掘された犬のフンからは、犬が魚を食べていた証拠が見つかっていますし、ノルウェー、イタリアなどの海に近い国ではワンちゃんに魚を与えることが多いそうです。

人間の健康にもワンちゃんの健康にも良いとされる魚には、良質なたんぱく質とビタミン・脂肪酸が豊富に含まれているため、世界中で魚を使ったドッグフードが発売されています。

また、牛肉や鶏肉などにアレルギーを持つ犬のために、たんぱく源として魚を使ったフードも販売されています。

【参照記事】

魚の持つ栄養

食事フレブル

ワンちゃんに魚を与えることで摂取できる栄養素には、以下のようなものがあります。

  • タンパク質
  • カルシウム
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • タウリン

魚は良質なたんぱく源であり、使い方によってはカルシウム源ともなります。他にもおなじみの栄養素ばかりですが、中でも注目したいのが、肉に含まれない脂肪酸である「EPA(エイコサペンタエン酸)」と「DHA(ドコサヘキサエン酸)」です。

EPAは、血流を悪くするコレステロールや中性脂肪を減らす作用があるので、動脈硬化や心筋梗塞などの予防に効果的といわれています。DHAと共に、認知症予防に期待される成分です。

これらの効果は人間においていわれていることですが、ワンちゃんでも同様の効果があると考えられるますので、若いうちから積極的に摂取してシニア世代に備えたいですね。

おすすめの魚3選と、気を付けるポイント

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ここで、ワンちゃんに与えたいおすすめの魚をご紹介します。どれもわたしたち人の食事でおなじみの慣れ親しんだ種類ばかりですので、手作り食の参考にしてください。

白身の女王、タラ

淡泊でクセがない。そして手に入りやすいタラ。カルシウムの吸収を促進させるビタミンDを少量ですが含んでいます。大振りな身はほぐしやすく、風味ゆたかなダシが出るので、扱いやすい魚のひとつではないでしょうか。

飼主さんがタラを使ったピカタなどを作る日は、ワンちゃんの分を少し取り分けておいてスープに調理し与えてみましょう。いつものごはんにタラのスープをかけるだけで、水分もたくさん摂取できる手作りごはんが短時間で完成しますよ。

気を付けなければならないのは、やはり骨。わたしたち人は口に入ってしまったとしても舌を使ってうまく骨だけを出すことができますが、ワンちゃんはそんなことはできず、そもそもあまり咀嚼をしないで食べます。ほぼ丸のみといってもいいくらいですので、骨には注意して与えましょう。

効能たくさん、サケ

栄養豊富でさまざまな健康効果や美容効果が期待できることから「スーパーフード」と呼ばれる、サケ。含まれる栄養素にはビタミン類や抗酸化成分であるアスタキサンチン、DHAやEPAなどたくさんの有用成分があります。

ご家庭でホイル焼きを作られることもあると思いますが、その際、ワンちゃん用の食材を合わせて同時調理をしてみましょう。粘膜強化にも効果があるそうです。

気を付けたいのは塩分。購入時にラベルを確認して、塩が振られていない生サケを選んでください。また、アニサキスにもご用心ですが、十分に冷凍したり火を通すことで安心して与えられます。

海の王者、マグロ

マグロの赤身には良質なタンパク質が豊富に含まれていることがよく知られていますが、100g当たりのタンパク質含有量を比較してみると、なんと牛肉や豚肉をうわまわるほど。

臓器や筋肉の強化に役立ってくれるパワー食材ですね。ワンちゃん用にはこの赤身の他、血合いの部分もおすすめです。タウリンや鉄分、ビタミンEなど積極的に取り入れたい栄養が詰まっています。

夕飯用のお刺身に火を通してマグロステーキなどで与えてみてください。食欲の落ち気味だったワンちゃんでも、そのこうばしい香りに刺激を受け、思わず食べ出すことがありますよ。

気を付けたいのは調理法。栄養素によっては、加熱することで分解されたり流れ出してしまうものがあります。うまみと栄養素をギュっと詰め込んだままで与えるためには、十分に加熱をしながらも摂取したい栄養素に合わせた火の通し方をすること。

例えば水溶性のタウリンは、ゆで汁ごと与えることで最大量摂取することができますし、脂溶性のビタミンEは少量の油を用いて焼くことで効率的に摂取できます。

まとめ

うれしそうなボストン

いかがでしたか。今日の愛犬の夕飯に魚をあげてみようかな?と思われた方も多いのではないでしょうか。ご紹介した3つの魚以外にも、ワンちゃんに与えられる魚はたくさんあります。

ワンちゃんのためにちょっと手間をかけ、魚からもたくさんの栄養を与えてあげるのも良いですね。尚、タコ、イカ、貝などについての説明は割愛しましたが、たんぱく質やタウリンを含み栄養価が高い食材ではありますが、いずれも消化が悪いため、ワンちゃんにはあまり適さない食材であると言えます。

誤って大量に食べてしまった場合は獣医さんにご相談してくださいね。

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