ワンちゃんの熱中症の兆候とは
短頭種
パグやシーズー、ブルドッグなどのいわゆる 『鼻ぺちゃ』ワンちゃんたちですね。英語では 『スクイッシー・フェイスド』 とか 『フラット・フェイスド』と呼ばれています。
筆者も長年シーズー犬『しんちゃん』と一緒に暮らしていましたが、お鼻が低く、くしゃっとした短頭犬種はたまらなく可愛いですよね。きっと大ファンだとおっしゃる方も多いのではないしょうか。
しかしながら、その可愛らしい頭部の構造が故に、他の犬種と比べて呼吸がしにくいという点があります。
獣医のジェイコブ先生は「犬はパンティング(ハアハアと口で息をする)して体温を下げますが、短頭犬種は単純に息を吸って吐くという機能が、他の犬種に比べ不足しています。その結果うまくパンティングできずに、空気の流れを作ることができず熱中症になりやすいのです。」と説明しています。
さらに、同じく獣医のポーラ先生は「夏場になると熱中症は重大な問題で、犬がICUに入ってくる最大の原因です。パンティングで熱を放出しようとしても、全部が放出されるわけではありませんから、内部からだんだん熱が上がりオーブンのようになります。内臓から熱にやられて行きます。」とおっしゃっています。
注意すべき熱中症の兆候
まず、私たちが思っているよりも低い体温から(気分が悪くなる前から)すでに熱中症が始まっていることを念頭に置きます。
初期症状として
- フル回転で体を冷やそうとしてパンティングが早くなる
- 歩くスピードが遅くなる(ワンちゃんが立ち止まってしまい「行くよ〜」と促されてやっとゆっくり歩き出すなど)
後期症状として
- ものすごい勢いでパンティングする
- 歩けない
- 倒れる
- 体が熱い
そして、嘔吐や水下痢の症状が出始めたら危険な域に入ったということだそうです。
応急処置
これらは、おそらく皆さんがすでに知識として持っておられて、実行されるのではと思われますがリマインダーとして、
- 日陰に移動させる
- ホースで身体中に水をかける
- 落ち着いたら直ちに獣医に診せる
何よりも危険なのは内臓で進行している症状とのことですので、一刻も早く獣医さんに連れて行ってあげることが重要ですね。
まとめ
朝晩の涼しいうちにお散歩される方がほとんどだと思いますが、思いがけず気温が高かったり、ワンちゃんの体調によったり、気を付けるに越したことはありません。
飼い主さんもワンちゃんも熱中症にはくれぐれもお気をつけて、楽しいお散歩を。
熱中症情報をぜひ動画でチェックしてみてください。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:RSPCA Australia