コロナ禍でのロックダウン中、ペットの存在は良いことばかりではない【研究結果】

コロナ禍でのロックダウン中、ペットの存在は良いことばかりではない【研究結果】

コロナ禍での外出禁止や在宅勤務でペットが心身のサポートになるという報告は数多くありますが、ペットがいることが問題になることもあるというリサーチ結果が発表されました。

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孤独と閉塞感を救ってくれるペットの存在

ソファーでPCを触る女性を見つめるチワワ

コロナウイルスのパンデミックを受けて、世界の多くの都市で外出や店舗の営業が制限されるロックダウンが行われました。職場にも行かず友人にも会えない日々に、多くの人が孤独や閉塞感を持っています。

そのような状況で「家にいる時間が増えたので」「寂しさを癒したいから」という理由でペットを迎える人が増え、世界のあちこちで犬を中心としたペットブームが起こっています。

新しく迎えたペットではなく長く一緒に暮らしている動物についても、多くのメディアが「ロックダウン中に不安定になりがちな心を愛犬がサポートしてくれた」という、ペットがいることのメリットを多く伝えています。

しかし在宅勤務が終わって飼い主が毎日仕事に行くようになると犬の分離不安がひどくなったり、新しく迎えたペットを飼いきれなくて捨てたりするなどの問題も数多く報告されています。

3度に渡るロックダウンが実施されたイギリスでは、ヨーク大学の健康科学の研究者を筆頭にロンドン大学、リンカーン大学、クイーンズ大学ベルファストの研究チームが「ロックダウン中、人間と動物の関わり合いが精神的および身体的にどのように影響するか」についてリサーチを行い、その結果が発表されました。

リサーチは約6000人へのアンケート形式で、ロックダウン中のメンタルヘルス、感情、動物との相互作用に関連する一連の質問が設定されていました。アンケートの最後の項目では自由形式で自分の経験を説明できるようになっていました。

困難な状況ではペットの存在が負担になることも

悩む女性に寄り添う犬

既に複数の過去のリサーチが明らかにしているのと同様に、多くの飼い主がペットの存在がロックダウン中のサポートになったと答えています。代表的な回答は次のようなものでした。

  • 悪いことを考えがちになっていたが、愛犬に話しかけることで不安レベルが低くなった
  • ペットの世話をすることが目的意識を与えてくれ、日々の生活を構築するのに役立った
  • 不安な気持ちでいるとき、愛犬が寄り添って安らぎをくれた
  • 毎日の犬の散歩が外出と運動になり、心身の健康を保てた

ペットの存在がロックダウン中の不安な気持ちや孤独から救ってくれたと感じる人が多かったようです。しかしこのリサーチでは、ロックダウン中にペットの存在がマイナスになる側面もあったと回答が寄せられています。回答者が挙げたペットの存在がマイナスに感じられた点は次のようなものでした。

  • ペットがウイルスを運んでくるのではないかという不安
  • 動物病院やペットホテルなどにペットを預けることが困難になった
  • 飼い主が仕事に戻ったときに分離不安がひどくなるのではという心配
  • 自分自身が不安を感じているときにペットの世話をすることが困難

また失業や労働時間の短縮のために経済的な不安が大きくなり、ペットにかかる費用が不安とストレスを悪化させたという回答は、多くの人が抱える深刻な問題でした。

この問題はペットを大切に思う人ほどそのストレスが大きいようでした。医療費やペット保険を支払うことができず、必要な医療を受けさせることができなくなったらどうしようという不安はペットを家族と考えている人に共通するものです。

動物を飼うことの悪い面も明らかにする必要性

飼い主に抱かれている犬

ペットを飼っていない人も含めて多くの人にとっては、ペットは可愛らしく心の支えであってほしいという意識があります。そしてカジュアルなアンケートから正式な研究論文までペットを飼うことのメリットが数多く報告されています。

パンデミック下で世界中にペットブームが起こり『パンデミックパピー』などという言葉まで生まれている背景の1つには「動物と暮らすって素晴らしい!」という報告が作り上げた思い込みがあります。

しかし通常の状態でさえペットを飼うというのは、大きな責任と数々の面倒と不便、我慢や諦めが付いて回ることです。ましてやパンデミックという人間の健康や経済状態の先行きが不透明なときにそのような大きな決断をするのは賢いこととは言えません。

パンデミック下で人間と動物の暮らしにどのような影響があったのかをリサーチして発表するなら、動物を飼うことの悪い面、マイナスの面も明らかにすることが必要です。

その点でこのリサーチ結果は誠実なものであると感じられます。また、動物を飼うことはできないけれど動物による心の安らぎが欲しいという方に、リサーチに寄せられた回答で良いものがありました。

  • 野生動物や自然とのふれあいが自分自身のメンタルヘルスにプラスになった
  • 自然環境にいる動物を見ていると不安や内面の苦痛から気持ちをそらすことができた

野生動物と言っても住んでいる環境によってどんな動物がいるかは千差万別ですが、窓の外のスズメやハトを観察したり、人によっては家の中に現れたハエトリグモを見たりすることで心が和むという声もあります。

まとめ

ソファーに座る飼い主に甘える犬と猫

3度のロックダウンが行われたイギリスで、ロックダウン中に動物との暮らしが飼い主に及ぼした影響についてアンケート形式のリサーチが行われ、動物の存在はメリットもあるがマイナスの面も報告されたという内容をご紹介しました。

パンデミックのせいで起きたペットブームは動物の値段の高騰、それに伴う乱繁殖、さらには盗難の増加など数々の歪みを引き起こしています。このリサーチのように、動物と暮らすことのマイナス面についても正直な声を含む報告に多くの人が注目してほしいと思います。

《参考URL》
https://www.mdpi.com/1660-4601/18/3/976/htm
https://www.york.ac.uk/news-and-events/news/2021/research/challenges-animal-ownership-pandemic/

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    20代 男性 匿名

    犬と暮らすのは確かに安らぎをもたらしますし楽しいことがありますがその文大変なことも多い、もしくはそれ以上です。命を飼うのはその分責任が問われますし命の管理者です。あなたのその手一つでなんとでもなります。安易な理由、一時期の理由で飼った人は大抵捨てます。それがコロナ禍の現状です。飼われた側は溜まったもんじゃない。なんで捨てられた?仕事が出来るようになった、宣言解除などで飼いきれない、飼う時間がないで捨てる。そりゃ当たり前。そうなるの承知で飼ったんじゃないの?どんな理由で飼っても知ったこっちゃねえが飼ったからには責任を持つこと、最後まで世話する事を覚悟して下さい。
    既に飼ってる人に問います。分離不安になってませんか?なってますよね。当たり前です。日中一緒にいりゃ孤独感は半端ないです。犬にはこの世の現状なんぞ知りませんし理解できません。どんな状況でも適度な距離感を保つこと、それが犬の健全な生活をさせる一つの要です。自慢じゃないけど俺は出すときは出すしまうときはしまう、メリハリつけて生活させてるので分離不安になったことは一度もありません。一緒に居たい気持ちは解りますが健全な生活の為を思って下さい。犬だって四六時中一緒に居たい訳ではありません。遊ぶときに遊んで休むときは休ませてあげましょう。常に一緒に居ては犬も人間も疲れるだけです
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