ガン探知犬の研究が、ガンを発見する人工嗅覚アプリの開発につながるかも

ガン探知犬の研究が、ガンを発見する人工嗅覚アプリの開発につながるかも

ガンを探知する犬は既に数多く活躍していますが、その仕組みを研究した結果が発表されました。将来の人口嗅覚マシンの開発にもつながる可能性のある研究の内容をご紹介します、

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ガンを探知する犬と人工知能の研究

嗅覚訓練中の犬

犬の嗅覚がガンをはじめとする様々な病気を探知することは広く知られており、世界の数多くの国で病気の探知犬たちが働いています。犬が初期の前立腺ガンやその他のガンを正確に嗅ぎ分け探知できる能力は2000年代半ばに示されました。

しかし、犬がどのような匂いを嗅ぎ取り、その情報をどのように処理するのかについては研究者にも分かっていませんでした。

この度、アメリカの前立腺ガン基金、イギリスのチャリティ団体メディカル・ディテクション・ドッグス、アメリカのマサチューセッツ工科大学とジョンズ・ホプキンス大学その他多国籍な研究機関の科学者チームによって、探知犬の嗅覚、ガン患者の尿サンプルの人工知能による化学分析、同サンプルの微生物分析という3つのアプローチを組み合わせた研究が発表されました。

犬はどのくらいの精度で前立腺ガンを探知できる?

ラブラドールレトリバーの鼻先アップ

この研究は男性の前立腺ガンを対象にしています。研究に参加した探知犬はメディカル・ディテクション・ドッグスで訓練を受けた4歳のラブラドールと7歳のビズラでした。

2頭の嗅覚と探知能力が研究チームによって詳細に調査されました。犬たちは前立腺ガンの患者と別の前立腺疾患の患者の尿サンプルおよび健康な人のサンプルからガンの患者のサンプルを選ぶよう指示されました。

2頭の犬が前立腺ガンの患者のサンプルを正しく識別した率は71%でした。また他の病気のサンプルも含めてガンではないものを正しく無視した率は70〜76%でした。

この結果は、前立腺ガンの検査に最も一般的に使用されているPSA血液検査と比べて遜色のないもので、犬の嗅覚を使ったスクリーニングがPSA検査をサポートすることで、より早期に診断ができるようになり患者の命を救うことが考えられます。

またこの調査では、犬が尿サンプル中の揮発性有機化合物から前立腺ガンを検出できることが示されました。

犬の鼻を再現した人工嗅覚が実用化?

進化したスマホのイメージ

研究チームは過去の研究よりも詳細に犬の嗅覚を調査分析し、犬が匂いに含まれる分子を同定する方法が現在「機械嗅覚」と呼ばれるマシンが薬品や爆発物の臭気の感知を学び始めた方法とほぼ同じであることが判ったそうです。

研究者は今後さらに「犬の嗅覚」「尿中の揮発性有機化合物」「尿中の微生物叢の分析」を使って機械嗅覚診断ツール開発のための大規模な研究を計画しているということです。将来的には、この診断ツールをスマートフォンのアプリの形式にしようというアイデアもあるのだそうです。

スマホのアプリを使ってガンの診断ができるようになれば、現在よりもずっと早期診断の機会が増えると期待されます。まだ実現はしていませんが、このような研究のベースが犬の嗅覚だというのは素晴らしいことですね。

まとめ

横を向いた犬の鼻先アップ

前立腺ガンを探知する犬たちの嗅覚を科学的に調査した結果、その方法論が機械嗅覚診断ツールの開発の実現可能性につながるという研究結果をご紹介しました。

犬がガン探知をすることについては実用化されている例もあるものの、数値としてカウントすることができないという難点がありました。

しかし、犬の嗅覚と同じ方法で機械が診断をできるようになると均一な数値化が可能になります。検査による負担がなく、かつ感度の高いガン診断が早期にできるようになることが期待されます。

《参考URL》
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0245530

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